太陽光が当たる場所に水槽を設置すると、植物プランクトンが増えて青水になることが多い。魚にとって有益な面が多いが、鑑賞には邪魔なもの。これを簡単に透明な水にする方法が見つかったのでご紹介したい。
グリーンウォータの原因となっている植物プランクトンは微細すぎてフィルターではキャッチできない。試しにコーヒーフィルターを使ってみたが、ほとんど効果が無かった。
グリーンウォータの対策には「マシジミ」(淡水シジミ)が有効と言われる。シジミを入れようと、田砂を塩酸処理[1]して入れたらあっというまに植物プランクトンが凝集沈殿してしまった。いったいこれはどうしたことだろう。
濃緑色でほとんど中が見えなかった水がすっかり透明に。底には凝集したプランクトンの塊が見える。
これをプロホースで吸い出せば、除去完了。
炭酸カルシウムを含む砂に塩酸を加えると
CaCO3+2HCl→CaCl2+H2O+CO2
というように塩化カルシウムCaCl2が生成される。そこへ中和のために水酸化ナトリウムを加えると
CaCl2+2NaOH→Ca(OH)2+2NaCl
となって水酸化カルシウムCa(OH)2 別名「消石灰」が生成される。この水酸化カルシウムには凝集作用があるといわれる。そういえば中和作業のときアルカリに傾くとモヤを生じることがあるが、これは水酸化カルシウムによって濁りが凝集されたのだろう。
今回は塩酸処理した田砂の中和過程で多少アルカリになってしまったものを、「まあいいか」で済ませたため、若干の水酸化カルシウムが水槽に入り植物プランクトンの凝集に作用したようである。
凝集材といえば身近なものにミョウバンがある。こちらはPHが酸性に傾くから、ミョウバンと水酸化カルシウムを混合してPH調整したものを使うとよいかもしれない。ただ凝集材は僅かな量で効果があるようなので、どちらか一方でも問題ないだろう。
いずれにせよ、凝集材は水の濁りを解消する有効な手段だ。
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