デジタルは○○をすると音が大幅に劣化する!~RMAAを使ってPCオーディオの特性を測る

 RMAAとはオーディオデバイス性能評価ソフトのこと。このソフトを使って手持ちのサウンドカードをループバックテストした結果、意外なことがわかったのでご紹介したい。

 

Creative Sound Blasterの測定結果

 下の図は、Creative Sound Blaster X-Fi Digital Audio(SB-XFI-DA)を、Windows標準のMME(MultiMediaExtention)ドライバでループバックテストした結果。

 左から、SP出力→ラインIN、光出力→光IN、光出力(48kHz)→光IN(44.1kHz)。

RMAAを使ったループバックテストの結果

 普通、アナログよりもデジタルの方が劣化が少ないはずなのに、アナログ接続よりもデジタル(光同士)接続の方が悪い結果になった。

 一番右のようにサンプリングレート変換が発生する形にすると歪率が著しく劣化し、周波数の上限もショートすることがわかった。

 このような信号劣化の原因はMS製のサウンドドライバが原因と考えられる。サンプリング変換で著しく劣化するのは、リサンプリング処理が原因。ちなみに44.1kHzというように、整数で割り切れるよう変換した場合、劣化は無い。

 

なぜ劣化が起こるのか

 デジタル信号の劣化要因に、サンプリングレート変換やビット数変換(アプコンもこの一つ)、ジッター、桁落ちがある。

 割り切れないサンプリングレートに変換する場合は、一度十分高い周波数でアップサンプリングして波形を整えてから、望みの周波数でリサンプリングしないといけない。しかしこれをやると演算負荷が増えるので、MS製のサウンドドライバではそこまで丁寧な処理をしていないのだろう。

 16bit の信号を24bitに変換したり、44.1kHzを48kHzに単純に変換することはできない。より高いレートに変換した結果、悪くなることはあっても、良くなることはないと考えておきたい。

 デジタル再生では、ビットパーフェクト、つまり何も足さない、何も引かないでスピーカーに送り届けることが理想である。

 

MS製ドライバによる劣化を回避する方法

 KS(Kernel Streaming)、WASAPI[2]、ASIOなどのドライバを使う(メーカ独自のものは機器に制約を受ける)。

 これらはいずれも、劣化の原因となっているMS製のドライバ(Windowsのカーネルミキサー)をバイパスして元に近いデータを送り出せる。

 一方、これらのドライバが使える汎用再生ソフトは限られている。候補は foobar[1]、Winampくらいしかない。実際foobarにWASAPIをインストールして音を出してみると透明度が増してクオリティアップしたように感じられる(有料版のRMAAproを使うと、ASIOを使ったテストができて上のようなグラフが描ける)。

 他の回避策に、ASIO4ALLというドライバを使う手がある。これは擬似的にASIOを実現するソフトだが、再生ソフト側でASIO4ALLのドライバをセレクトできないと使えない(Windows Media Playerなどは無理)。他にはMMEを選択してボリウムを99%以下で使う手があり[3]、この設定でMS製ドライバでも致命的な音質劣化を回避出来るようだ。

 

<参考購入先>
サウンドカード

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音楽再生の過去と未来~オーディオ再生システムは将来こうなる!
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<参考文献>
1.foobar
2.WASAPI
3.「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」を検証~ASIO/WASAPI利用時と比較。劣化回避の方法は? ~ AV Watch
4.RMAA