試乗日:1998/5/30
ボディ
デザインは全体的に角々しい。リアは壁のようなハイデッキになっていてボリウム感がある。
試乗車はフルエアロだった。フロントバンパーは吸入口まで1体物なのでぶつけたら修理費が高そう。エアロバンパーのサイドやリアに見えるアミ目は穴の開いていないダミー。
ノーマルバンパーはエンブレムの下の吸入口整流板がボディと同色なので白だとやや違和感を感じる。
トランクルームの面積はR32より小さくなったが、深くなったので大物が積める。体積はR32と同程度とみてよさそう。
前後の窓のモールはR32の場合一部ステンレスで覆っていたが、R34ではすべてゴムむきだしになってしまった。紫外線による劣化が心配になる。
車内
車内も角々しいタイトなデザインで統一。天井内張り、シート、ドアトリム、インパネ等、素材やつくりなどあらゆる部分がコストダウンされて安っぽく見える。プラスチックパーツの表面は質感のあるシボが使われているものの、メタリック調のものと混在されていて違和感がある。
お皿のようなメータパネルは最も残念なポイント。コックピットに座ると安っぽさを強く印象づける。ここはオプションのカーボン調パネルに換装すると多少緩和される。
走り
走り出した瞬間から低回転トルクの太さとブレーキフィールのよさに驚く。エンジンはきわめてスムースでターボ特有のグッとくる感覚はなく全域にトルクがある感じ。まるで自然吸気エンジンのよう。このブレーキは本当に素晴らしい。
走行中の車内はとても静か、エンジン音も静かなのでオーディオのボリウムが大きいと聞こえないかもしれない。エンジン音は質感が高くガサツな感じは微塵もない。高回転でも悲鳴を上げることはなく同じ質感をキープ。エンジンフィールも素晴らしいの一言。
シフトノブはやたらと短くなくフィールも大変良いもの。ステアリングフィールもスムースで言うことなし。ただR32にくらべるとクルマ自体の慣性の大きさを感じる。R32より約100Kgも重くなっているので仕方のないところ。
試乗車はローダウンサスキットが付いており、足周りは固いが乗り心地が犠牲になっておらずダンピングの利いた良いもの。突き上げも気にならない。スポーツ性と乗り心地を両立させた足周りはスカイラインに共通する特徴。
その他
気になる燃費だが、重い車重が災いしてかR32より悪い。2.5LのNAでもレガシィB4 RSK(ターボ)より悪い。
総合
スポーツカーとしてのフィーリング、すなわちトルク、パワー、ブレーキ、操舵感、走行音質、乗り心地などは、どれをとっても素晴らしく、R32より格段に進歩した実感がある。この点に関しては誰でも必ず満足いくと思う。
走りに関してはまったく非の打ち所がないが、内装がとにかく安っぽいのが難点。極論すれば、走りのために走り以外のものがすべて犠牲になっている。このスタイルと内装で3年間飽きずに乗れるだろうか?
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