試乗レポート~トヨタ アルテッツア RS200 6MT Z EDITION (2000/5/20)

試乗日:2000/5/20

ボディ・内装

 試乗車はエアロバンパーを装着。これはセリカと同じ、合体ロボットを想起させる。大型リアスポイラーもデザイン的にマイナスで付けない方が良く見える。

 ホイール表面には真っ黒いブレーキダストが付いていた。どうやらダストを多く出すブレーキパッドが付いている模様。ホイールの汚れは覚悟した方がよさそう。

 クロノメータはだいぶ見慣れてきたが、やっぱりオモチャっぽい。センターコンソールのデザインは一見スポーティだが、センターから両サイドに伸びて尖るメタル調塗装のラインがいかにもアニメメカチック。

 シートのホールド感はまあまあ。試乗車にはオプションの革製シートカバーが付いていたが、中身はペラペラのウレタンスポンジで逆に質感が低下している。

 オーディオの音は普通。トーンコントロールにMID(中音調整)が追加された3バンドグライコになっており、音質調整の自由度が高い。

 吹き出し口から出る空調の音はやや大きめ。最小にしてもやや風切り音がする。温度調整ダイヤルの操作感も低い。

 

走り

 エンジンをかけると図太い排気音が室内に入ってくる。排気音に連動してなにかの電動機の音が聞こえ、やや雰囲気を損ねる。回転数に比例して排気音も大きくなるが、音色はあまり破綻しない。

 CMのようにアクセルオンで体がシートに張り付くような加速感はない。これに期待して買った人はガッカリしたはず。

 レガシィB4と違って低速トルクがあり、実用域で扱いやすい。やや慣性の大きさを感じるが、動力性能は不満ないレベル。足回りはそれほど固めておらず、乗り味は乗用車的。ロールも大きめ。

 ブレーキフィールは普通で不満のないレベル。

 6MTのシフトフィールはいいが、ギヤ比を見ると1-2、2-3の間隔が広すぎて3-4が狭すぎる。このようにギアが不等ピッチだと6MTの魅力は半減する。街乗りでは問題ないが、ワインディングロードでは不満に感じるだろう。

 バックギアは左側に倒す仕様。腕を伸ばす方向なので力が入りにくい。

 アクセル、ブレーキなどのペダルは戻したときに「ドコ」という結構大きめの音が出る。

 試乗車は8千キロを越えており、特定の回転数で室内の何処かからビビリ音が聞こえる。異音がするとクオリティが低く感じる。

 

総合

 6MTのギヤ比といい、足回りのセッティングといい、完成度が中途半端な印象。見た目スポーツセダン、中身乗用車といった感じ。本格スポーツと勘違いして買ってしまった人は、足回り、ギヤ比などいろんな面で不満を持つようになるだろう。そういったユーザーの要求を満たすためか、TADから豊富なアフターパーツが出ている。

 B4やスカイラインがライバルとして引き合いに出されることがあるが、スポーツセダンとしての完成度、質感の高さは、B4やスカイラインとは比較にならない。

 スポーツカーという話だが、純正のエアロパーツを付けると内外共に子供受けしそうなアニメメカになる。

 Lエディションのベージュ色があるが、こちらは大人の雰囲気。これにエアロパーツをなにも付けないでスポーツ風セダン、つまりスペシャリティーカーとして乗るのが良さそうだ。

 

<関連商品>
アルテッツアのすべて