車のキャパシタ-ハイブリッドなどというものは永遠に実用化しない

 ベストカー2005年8月号に、とある自動車評論家がとんでもないことを書いていた。

「10倍の容量を持つキャパシタが開発されそうなので、10年後はハイブリッドだらけになる」
「モータースポーツでチョロQのごとくダッシュもできる」

 

 キャパシタの実用性を語るには電圧の課題を克服する必要がある。ハイブリッド自動車や鉄道では、できる限り電圧を高くしている。それは効率を高めるうえで有利なため。プリウスでは昇圧回路を使って最大500Vまで電圧を上げている。

 ところが、キャパシタの電圧は簡単にあげられない。電圧を上げるためには沢山のセルを直列に繋がなくてはならないから、内部抵抗のバラツキが問題になる。これが、いつまで経ってもキャパシタが電気駆動系に採用されない理由の一つだ。

※通常、個々のバラツキを緩和するための制御回路が内蔵されている。しかし、見かけを良くしているだけで、本質的に改善できるわけではない。

 

往復ビンタで税金を取られる

 キャパシタの容量が10倍アップしても、まだ実用に足らない。キャパシタというのは、「容量」「内部抵抗」「体積」の3つがお互い相反する。3つのうちどれかを良くしたら、他の何かが犠牲になっている。たとえば、これまでに無い大容量を実現しました、といって大きさが変わらないなら、「内部抵抗」が犠牲になっているはず。

 内部抵抗が高いと、電気を出し入れするときに高い税金を取られる。この税金は充放電の往復ビンタで取られるためとても痛い。

 取られた税金は「熱」になるから、必然的に頻繁な出し入れや大電流の出し入れが制約される。モータースポーツでチョロQのごとく使うなど、まず無理。大電流を出し入れすれば、その分寿命を縮めるだけ。

 

キャパシタでクルマを走らせるのは当分無理

 結局、内部抵抗の高い大容量のキャパシタは、頻繁に電気を出し入れする鉄道やクルマには使えない。少ない電力を時間をかけて充放電させる用途に限られるだろう。

 「10年後に実用化」なんてとんでもない。私たちが生きている間に実用化される見通しは、なさそうだ。

 

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