試乗日:2006/1/29
ボディ・内装
外観は先代のイメージを踏襲しオラウータン風、内装は安い素材を上手に利用し前衛的な印象にまとめられている。黒とシルバーを基調にしたそのデザインは一見スパルタンで冒険的だ。
シートはヨーロッパで売られることを意識しているのか先代同様とても良いものが付いている。
各種操作系のタッチは安物で空調の音も大きめ。ドアの閉まり音だけはよい。トヨタ車のドア閉まり音は、ヴィッツから高級車までほぼ同じ、こんなものだ。
走り
1Lのヴィッツはガラガラいうガサツなフィールで音も大きい。エンジンフィールは軽自動車と同じレベル。
Dレンジのアクセルフィールは、チョイ踏みでガバッとスロットルを開く不自然なもの。ターボ車が信号スタートで置いて行かれるわけである。直線の出足はいいが、交差点を曲がる途中で踏むと急に加速して怖い思いをする。これは、「カックンアクセル」と呼ぶべきか。
ステアリングフィールは先代MC後ヴィッツ同様、センター付近に曖昧さのあるが、このクラスにしてはまあまあ。
乗り心地はやや硬めでロードノイズや揺れも大きい。先代のMC後ヴィッツで見られたような、フラットな乗り味は消えてしまった。今回の新型はサス周りをコストダウンしたようである。
総合
トヨタ車は見えないところの手抜きが酷いというのが通説だが、今回のモデルチェンジでは、サスペンションに手を入れた模様。それが乗り味の劣化に表れている。エンジン音やロードノイズからすると、遮音材や制振材もだいぶ抜いたようだ。
これらの手抜きによって、ヴィッツのドライブフィールは軽自動車と変わらないどころか、むしろ軽より悪く感じさせる。
今までこのような手抜きは、一般ユーザにわからないレベルで実施されてきたが、今度の手抜きは酷い。乗り比べれば誰でもわかってしまうだろう。
これまでのヴィッツは、先代のMC後1.3L[1]がベストだった。今回の新型は、素人目に最もわかりやすい「見た目」だけが優れたクルマである。
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