EVなんて普及しない~EVブームに踊る日本企業【2012】

 2012年、EVブームが続いている。日産リーフのランニングコストは深夜電力(9円/kwh)を利用すると1.4円/km、ガソリン燃費換算でリッター100キロ。プリウスと比べてもガソリン代は5年間で25万円以上浮く計算。これが果たして消費者にメリットあるのだろうか。

 

 リーフに限らずEVにとって最大の問題は電池交換費用。リーフのバッテリ容量は24kwh、プリウス(1.3kwh)の18倍もある。プリウスの電池交換費用がニッケル水素で10万円台なことから類推すると、リーフのリチウムイオンの値段は200万円近くするのではないか。

 仮にリーフを買って8年目にバッテリ交換で200万払ってしまうとランニングコストは26円/kmにハネあがり燃費が1/19(リッター5キロ程度)のクルマに乗ってきたのと同じになってしまう。大抵のユーザーは200万も支払うならクルマを手放すだろう。

 いくら燃費が安いといっても、割高な車両本体価格を長期利用でペイすることなどハナから無理。要するにリーフなどのEVは電池の寿命とともにその価値が無くなる、使い捨てクルマである。

 

 EVの普及のキーを握るのは電池の性能だという。NEDOのロードマップによると、今売られているリーフのバッテリの寿命が来る頃には値段が1/5になるそうだ。電池交換費用を見込むとそれでもまだ割高で、燃費の良いガソリン車に太刀打ちできない。

 電池は価格の原材料費が占める割合が高い。電化製品のような量産効果も望めない。10年後によくて1/2、20年後に1/3くらいに落ち着くのが関の山ではないだろうか。

 EV事業に力を入れる企業・団体は多い。この市場の発展は、NEDOが描く想定通りに電池の価格が下がることを前提にしている。もし想定通り下がらなかったらどうなることか。EV事業への投資は、ハイリスクと言わざるを得ない。

 

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