試乗日:2004/10/31
ボディ・内装
ティーダには5ドアハッチバックと4ドアセダン(LATIO)の2種類がある。5ドアの価格表にはステーションワゴンと書いてあるが、これはどうみても5ドアハッチバックである。これをステーションワゴンと呼ぶのはレガシィの人気にあやかろうとしているようで情けなく見える。
5ドアのリアデザインはヴィッツの延長にあるもので、若々しいイメージがある。LATIOのリアデザインはメルセデスのコピーだが、トランクルームは、LATIOの方が圧倒的に広い。
ドアの閉まり音をはじめ各種操作系は上級車に通じる質感を持っており、なかなかである。ナビを付けると操作系が統合され、まるでフーガのよう。
センターにあるスイッチはスティックのようにみえるが可倒できず単なるジョグダイアルで、ボタンが分かれてしまっているため操作がややしずらい。
エアコンの空調音はかなり大きめ。
オーディオの交換は容易でないが、15Mについてくるオーディオの音はまずまずであり、大抵の人は不満を覚えることはなさそう。
シートはかなり柔らかめ。座り心地がよく快適。15Mの後席はシートが左右分離しておりリクライニング可能。このクラスでは申し訳程度の一体シートしか付かないことが多いのに、良くできている。長時間の長距離旅行も快適そうだ。
走り
試乗車はCVT。応答が鈍く、アクセルを踏み込んでもワンテンポ遅れて加速する感覚がある。加速フィールは明らかに4ATの方がよいと見られるが、4ATはなぜか下位グレードの位置づけであり装備の面で不満が出る。
エンジンは4気筒で音は回転に比例して上昇し、音はやや大きめだが、音色は一定でまずまず。
走りはロードノイズが低く押さえられ、サスの動きもなかなか上質で、まるで一昔前のビスタ、アルデオクラスに匹敵する。
ステアリングフィールは甘さがあり、この点はマイナーチェンジ前のヴィッツ/プラッツのほうが優れている。
総合
ティーダは2Lクラスのドンガラにコンパクトカーのエンジンを載せたようなクルマ。コンパクトながら上級車的な雰囲気を味わえるが、回転数が上がるとエンジンノイズが上昇し、インテリアや乗り味の上質さとの間にギャップを感じてしまう。
結局クルマというのはエンジンの排気量で決まる車格にふさわしいインテリア、乗り味というものがあり、その観点からするとティーダは中途半端な感じがしてならない。
変速機はCVTが違和感あるので上位に4ATが欲しい。現状のラインナップでATを選び装備を満足させようとすると15M FOURしかなく、余計な4WDがついて高い買い物になってしまう。
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