怪しい中華製4千円の激安ドライブレコーダーを詳しくレビューする

 実売4千円で入手できる商品がある。カメラ(静止画)、PCカメラ、屋内監視カメラに使えて、それぞれに細かな設定ができる。本体はラバー塗装されていて触った感触がよい。これが果たして使い物になるのか。徹底検証する。

 

パッケージ

中国製激安ドライブレコーダーの外観

 レバー操作による真空吸着式の固定ブラケット、シガープラグ電源、パソコンと接続するためのUSBケーブルが付属する。値段の割りにしっかりした作りで、使い勝手もよく考えられている印象。

 本体のUIは日本語だがマニュアルが英文のみなので、使い方が良くわからないと思う人が多いと思う。

 

 

取り付け

中国製激安ドライブレコーダーを取り付けた様子 フィットのルームミラー裏に取付けたところ。しっかり貼りつき、本体が軽いため走行中の揺れもほとんどない。

 

 

記録モードと画質

設定できる記録モードは次の通り。

 1080FHD 1920×1080 24fps
 1080p 1440×1080 24fps(単にFHDの左右をトリミングしただけ)
 780p 1280×720 30fps
 WVGA 848×480 30fps

 肝心の画質は今一つ。FHDの記録を売りにしているが実質解像度は780pにも満たない。24fpsあるがそれ以下と思えるくらいカクカクで、FHDや1080pで記録するメリットはほとんどないといっていい。ナンバープレートの判別は厳しく目の前で停止しているクルマの大きな数字が判別できる程度。

 780p以下であれば動きが滑らかで、自然な記録ができる。夜間はヘッドライトで照らしているところ以外はほとんど見えない。

 FHDで記録すると約450MB/3分のファイルが作られるので32GBメモリで3.5時間分になる。780pにすれば200MB/3分で済み、4GBでちょうど1時間分の記録ができる。本機では4GB以上の耐熱メモリカード を入れて780pで記録するのがベストである。

 

静止画の画質

 静止画の記録はいくつか解像度を選択できるがどれを使ってもほとんど変わりがない。
 みかけの精細度を上げるためか、強い輪郭強調がかかっている。静止画は設定でオフできるが動画は変更できない。

 赤外線ライトが付いているが車内から照らすものではなく、トラブル時に車外に持ち出して暗闇の撮影を可能にするもの。

 

 

受信障害

 電波障害を対策している形跡はなく本機の電源が入るとカーナビのTV受信に障害が出る。ナビの受信障害は本体からのノイズ、ラジオ等のノイズはシガープラグ側に問題があることが多いようだ。

 

振動センサー

 Gセンサーを使った衝撃検知機能は自分が気絶しても記録が残る便利な機能。しかし本器のそれは反応が鈍く、最低設定(2G)でもなかなか反応しないので実際に役に立つか疑問。

 

各ボタンの機能

M/Rockボタン

 モード切替。録画していないとき、押すごとに動画、カメラ、再生の順で切り替わる。クルマに取り付けてエンジンをかけると動画録画スタートの状態から始まる。録画時に押すと現在の記録を保護する(キー記号が表示される)。

 トラブル発生時などに押すことでデータが上書きから保護される模様。保護したアイテムは本体の再生時にキー表示され判別できる。

OKボタン

 録画や撮影、再生の開始、停止ができる。録画時はこれを押して停止させないとモード切替やメニュー操作ができない。

メニューボタン

 撮影や再生を停止しているときのみ有効。各モードに応じた設定ができる。2度押しでシステム設定に入り、時刻あわせなどが行える。上下ボタンで項目切り替え、OKボタンで入る。

電源ボタン

 長押しでON/OFF。録画時に短時間押しで赤外線ライトをON/OFFできる。

Up Down

 メニュー表示のときはメニューセレクト、メニュー以外のときはズーム倍率が変化する。ズームは光学ズームではなく部分拡大するだけ。

USBモード

 パソコンとUSBケーブルで接続して電源を入れるとUSBモードになり、ディスクモードとカメラモードをセレクトできる。ディスクモードではリムーバブルドライブとして機能するが、SDカードを抜き取って高速カードリーダ(USB3&UHS-I対応品)で吸い出した方が速い。

衝撃検知

 動画録画に衝撃をGセンサーが感知するとM/Rockボタンを押したときと同様、保護がかかる。衝撃検知の動作は画面にキー表示されることで確認できる。

動体検知

 動画の録画ストップの状態で動体を検知すると録画を開始。監視カメラとして使用するときに使う。

 

 

買ったら最初にすること

 録画を停止(OKボタン)、メニューボタン2度押し後、時計を合わせる。あとの設定はお好みで。電源周波数の設定はフリッカー防止のためとみられ、地域に合った値に合わせればよい。

 

結論

 この手の中国製激安商品は壊れたらおしまいの使い捨て商品。以前監視カメラを買ったら3ヶ月で音声に雑音が乗るようになり、使いものにならなくなった。バラしてると粗末な作りに驚いた。
 この商品もどのくらい使えるのか未知で、当たり外れがありそうだ。私が購入したものはUSBケーブルが不良品だった。

 画質に問題あるものの相手の車種や色、信号の状態などトラブル発生時の状況はそれなりに記録できる。4千円で手に入ることを考えれば投資対効果は十分といえるのではないか。電波障害で使えなかったら家庭用の防犯カメラとして使ってもいいだろう。

 国産製品のような耐久性は期待できず、いつ壊れても不思議はない。1年使えればモトが取れる、そんな考えで使っていけば良いのかもしれない。

 

<参考購入先>
ドライブレコーダー
Transcendのドライブレコーダー 新しく導入するならこれ。あらゆる面から見て無難な選択。お勧め
暗視 LED12灯 ドライブレコーダー 当記事のレコーダはこちらから入手できます
耐熱メモリカード 高温環境で使えるSDHCカード。肝心なときに記録できないのでは意味がありません。車載では85℃で使用可能なものを使います

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