インシュレータによってなぜ音が変わるのか2~ワイングラスの実験

 音のチューニングにインシュレータがよく用いられている。インシュレータはスピーカの他、プレーヤやアンプ等、ほとんどの機器に使われている。前者はエンクロージュアの響きをチューニングするのが目的で、後者は主に防振を目的とした使い方になるから、使用するインシュレータはまったく違ったものになるはずだ。

 インシュレータをスピーカやツイータの底敷きに使った場合、その結果を計算で予測したり、測定で検証することは難しい。そこで、インシュレータがどのような減衰の変化をもたらすか、傾向を知る方法を考えてみた。防振を目的とした場合の使い方と効果についてはこちらを参考にして欲しい。

 

 用意する材料は、ワイングラス、輪ゴム、金属製のスプーン。ワイングラスを選んだのは輪ゴムで吊りやすいからだが、無い場合は薄手のガラスで出来た同じような形の容器や、リング状の持ち手の付いたコップでも代用できる。

 実験は簡単。まずワイングラスを輪ゴムで吊って、スプーンで叩いてみる。これが、減衰がほとんど無い場合の音になる。よく聞いて覚えて欲しい。
 次に、インシュレータの上にグラスを伏せて置き、同じように叩いてみよう。様子が変わったことに気が付くと思う。輪ゴムで吊ったときとの差が、インシュレータによる減衰効果になる。

次に、インシュレータの置き方、材料を変えてみよう。置き方や材料の違いが、確認できると思う。
さらに、インシュレータを置いている台を変えてみよう。木の机の場合、コンクリートの場合、タタミの場合はどうなるだろうか。
インシュレータの上面、もしくは下面にガタがあった場合、どうなるだろうか。
グラスの上に錘を乗せた場合はどうなるだろうか。
インシュレータの代わりに、砂を使ったらどう変わるだろうか。

 これらの実験をオーディオ装置を使って試行錯誤するのは大変だが、ワイングラスならを簡単にテストでき、その傾向を知ることが出来る。いろいろやってみて欲しい。

 

 この実験から、何を敷いても単にワイングラスの減衰が変化するだけで、ワイングラスが持つ固有の音色自体は変化しないないことに気付くと思う。理屈の観点から見ると、インシュレータで関係するのは素材の「硬さ」「支持面積」「支持点数」だけであり、他のことはあまり関係しない。理屈を知った上で、効果的に使うことが無駄な試行錯誤を減らすことに役立つ。傾向がわかったら、3つくらいに分類してチューニングに活用するといい。

 ガラス容器を使ったこの実験法は、インシュレータによる減衰特性の違いを高い感度で調べることが出来る。したがって、この方法で大して差がないものについては、実際の試聴に置いてほとんど差がないと判断できる。
 また、ワイングラスを木製ブロックに替えた場合は、下に何を敷いてもほとんど変わらない結果から、インシュレータを使ったチューングは、ガッチリつくられた木製のエンクロージュアにはあまり意味がないことも知るだろう。

 

grassワイングラスが小さすぎてインシュレータがうまく敷けない場合がある。この場合、磁器製のお皿が代用できる。

面積が広いので3点支持、外側付近、内側付近など、いろんな場所に敷いてテストでき便利だ。減衰無しの音は小さなスポンジを中央1点においた状態で叩くことで確認できる。

 

 

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