アルミホイールの真実~軽量ホイールは乗り心地を悪くする

 ホイールを軽くすると、燃費が良くなる、加速が良くなる、ブレーキがよく効く、ハンドルの応答が良くなる、乗り心地が良くなる、などと言われている。しかし、どれも定性的で、いったいどの程度良くなるのか、数字で示された物は無い。そこで、これらの効果を計算で求め、定量的に検証してみた。

1.ホイールを軽くすると乗り心地はどうなるか

2ndmodel1 ホイールの重さを検討するためには、地面とホイールの間にばね要素(タイヤ)を考慮する必要がある。その場合の車体の振動モデルは2質点モデルとなって図1のようになる。

 モデルの要素は、m1:ホイールの質量(実際にはばね下の総質量)、m2:車体の質量、k1:タイヤのばね定数、k2:サスのばね定数、c1:タイヤの減衰係数、c2:ダンパーの減衰係数、x0:路面の上下変位、x1:タイヤの上下変位、x2:車体の上下変位である。

図1のモデルの運動方程式は、次のようだ。

m1d2x1/dt2+(c1+c2)dx1/dt
+(k1+k2)x1-c2dx2/dt-k2x2=c1dx0/dt+k1x0  (1-1)
m2d2x2/dt2+c2dx2/dt+k2x2-c2dx1/dt-k2x1=0 (1-2)

このモデルを使って振動伝達率を求めてみよう。

 

 図1 自動車のタイヤ、ホイール、サスペンションのモデル

この運動方程式から振幅応答を調べる場合は、一旦ラプラス変換して処理すると簡単だ。式(1-1),(1-2)のすべての初期値を0としてラプラス変換すると次式を得る。

X1(s)(m1s2+c1s+c2s+k1+k2) - X2(s)(c2s+k2) = x0(s)(c1s+k1)     (1-3)
X2(s)(m2s2+c2s+k2) - X1(s)(c2s+k2) = 0     (1-4)

sはラプラス演算子だ。
(1-3),(1-4)の式から振動伝達関数 G01 ( = X1(s)/X0(s) )、G02 ( = X2(s)/X0(s) ) を求めると、それぞれ次のようになる。

G01 = (c1s+k1)/(α – γ2/β)     (1-5)
G02 = (c1s+k1)/(αβ/γ – γ)     (1-6)
α = m1s2+c1s+c2s+k1+k2 、 β = m2s2+c2s+k2 、 γ = c2s+k2

ここまでの解は、教科書によってはそのまま載っているものもあるだろう。 次に周波数応答を求めてみよう。s=jωとおいて、減衰がないときの振幅比(振動伝達率)の周波数応答を求めた結果を次に示す。

τ01 = | k1/(α’ – k22/β’) |     (1-7)
τ02 = | k1/(α’β’/k2 – k2) |    (1-8)
α’ = k1 + k2 – m1ω、 β’ = k2-m2ω2

τ02が地面から車体までの振動伝達率(変位)になる。車体に伝わる衝撃(力)の比率はτ02を使って次式で求められる。

a02 =  τ02 ・(2πf)2     (1-9)

m1=20kg、 m2=300kg、 k1=2×105N/m、 k2=2×104N/m を「標準」の計算条件とし、各パラメータを標準から1/2振ったときの a02 の計算結果を次に示す。x0=50mmとした。k1,k2は実測値を参考にしている。

2ndmodel2

 グラフ1-1 車体に伝わる衝撃力

 グラフには2つのピークの山が見える(上の方は表示上、カットされている)。これが共振点だ。この共振点の周波数(共振周波数)は、1.2Hzと、16Hzだ。

 防振効果は、共振周波数より高い周波数で得られる。共振周波数より下の周波数では、バネ上とバネ下が一体となって動く。つまり、防振効果は得られない。

 

 上記の標準の計算条件から、1.2Hzは車体とスプリング、16Hzはタイヤとホイールで決まる共振である。(一自由度系で解いてもあまり変わらないので、一自由度系と考えて求めることもできる)

 ところで、10Hz以下の低周波は車体の上下の揺れに関係し、10Hz以上の高周波は主に突き上げの強さに関係すると考えられる。
 このことから、車体とスプリングは車体上下の揺れタイヤ&ホイールは突き上げの防振を担っていることがわかる。
 

 以上の結果から、次のことがわかる。

  1. ホイールを軽くすると突き上げが増えて乗り心地が悪くなる。具体的には、ばね下質量を1/2にすると衝撃が約10dB(3倍に)増える。
  2. タイヤのばねを減らす(扁平率を下げる)と突き上げが改善する。
  3. 車体上下の揺れは、タイヤやホイールを変えても改善されない。
  4. 車体上下の揺れは、車体を重くするか、サスペンションのばねレートを下げる(ばねを柔らかくする)ことでしか改善できない。

 

 

2.ホイールを軽くするとバタバタする、跳ねやすくなるのはなぜか

 ホイールを軽量化した人が「足回りがバタバタする」「飛び跳ねやすくなった」といった症状を訴えるケースがある。図1のモデルを見てわかるように、タイヤ&ホイールの部分は質量m1、ばね定数k1、減衰項c1、の3要素から成り、m1,k1,c1の3つのバランスから成っている。そこへ、ホイールm1だけを大幅に軽くしてしまうと、c1,k1が相対的に高くなり、振動伝達率や減衰特性が悪化して、バタバタしたり跳ねやすくなる。
 これを避けるためには、ホイール軽量化と同じ比率でタイヤの減衰率とばね定数(扁平率)も下げなければならない※1。同じことがサスペンションについてもいえる。ローダウンでサスがバタバタする場合は、ダンパーやスプリングを硬くしすぎたせいで、m2,c2,k2のバランスを崩した結果と考えられる。

※1:c=2ζsqrt(m・k)だから、mとkを同時に1/2にした場合、cはsqrt(0.5×0.5)=1/2にすれば元の特性を損うことがない。

 

3.インチアップorダウンで乗り心地を犠牲にしないためには、どうすべきか

 インチダウンによる乗り心地の改善を考えた場合、ホイールは軽量化or重量化、どちらが良いのだろう。グラフ1-1の標準条件でタイヤのばね定数を1/2とし、ホイールの質量を2倍、1/2倍した場合の検討結果を次のグラフに示す。

2ndmodel3

グラフ3-1 インチダウンした場合、ホイールの質量がどう影響するか調べたもの

インチダウンしたとき軽いホイールを選ぶと効果が相殺して変わらないことがわかる。
 ばね下の質量はホイールだけで決まる物ではないから、注意が必要だ。例えば、軽自動車など、もともとばね下の機構が単純(ばね下が軽い)なケースでは、ホイール質量の変動を受けやすいが、ばね下に複雑なリンクや大型ブレーキなどが付く(ばね下が重い)ケースでは、ばねした荷重全体に占めるホイールの比率が小さいため、タイヤのばね定数の低下だけが主に効く形になるだろう。

 いずれにしても、インチダウンによって乗り心地を改善したい場合は、ホイールが軽くなり過ぎないよう注意を払い、インチアップで少しでも乗り心地の悪化を押さえたい場合は、現状より重くしていくのが正解だ。世間では「ドレスアップ」と称してローダウン&インチアップする人が多いが、このとき軽量ホイールを選択するのは間違いである。

ローダウンやインチアップの際、ホイールの質量やばね定数がノーマルから2倍以上になると、軸系の曲げ、ねじり剛性の関係で発生する共振点が常用域に入ってくる恐れがある。これが起こると、特定の速度で振動が発生するようになる。この問題はバランスをとっても改善できない。

 

4.軽量ホイールは加速や燃費にどの程度寄与するか

 ホイールを軽量化した場合、加速や燃費はどの程度良くなるのだろうか。下の表は、ホイールの回転慣性による損失トルクを計算し、比較した例だ

表4-1 ホイールサイズと損失トルクの関係

ホイールサイズ
(インチ)
リム幅
(インチ)
リム平均肉厚
(mm)
リム質量
(kg)
慣性モーメント
I1(kgm^2)
損失トルク
T1(Nm)
17(軽量) 7.5 7 4.82 0.218 1.89
17 7.5 10 6.84 0.304 2.64
16 7.0 10 6.00 0.236 2.05
15 6.5 10 5.21 0.180 1.56
14 6.0 10 4.48 0.134 1.16

表の損失トルクT1(Nm)は次式で計算できる。

T1 = I1・dω/dt    (4-1)
I1:回転慣性モーメント(kgm2)、v:車速(m/s)、D:タイヤ径(m)、t:加速時間(s) 、dω/dt:ホイールの回転角加速度=2v/(D・t)(rad/s2)

 φ640のタイヤで0-100km/hを10秒で加速した場合、dω/dt=2×27.8/(0.64×10)=8.68rad/s2である。この走行条件で計算した損失トルクの値を表の右端に記した。例えば表の一番上は17インチのホイールを軽量化を図ったもので2番目の軽量前と比較するとリム質量は2.0kg減(4本で8.1kg)、損失トルクの差分は0.75Nm減(4本で3.0Nm)となる。3.0Nmは減速比を考慮すると1Nm以下になってしまい、エンジントルクと比較しても2桁以上小さい。従って、回転慣性をいくら小さくしたところで、加速の違いを体感できる人は、まずいまい。数字に表れるような燃費向上も、全く期待出来ないだろう。

今度は、ホイールの進行方向の慣性に注目してみよう。この場合、ホイールの全質量が影響し、ばね下、ばね上は関係しない。進行方向の慣性による損失トルクT2は、

T2 = m・a・D/2    (4-2)

である。aは車両加速度(m/s2)で、a=v/t=100km/h/10sec=2.8m/s2。ここで例えばホイール4本で20kg軽量化した場合、タイヤ径D=φ640とすると T2=20×2.8×0.64/2=17.8Nm となり、回転慣性の影響よりもひと桁大きいことがわかる。
従って、加速性に関しては、リムの回転慣性はほとんど影響せず、ホイールを軽くした分が単純に車体全体の質量から減算される※3と考えて良い。その効果(%)は、100×軽量化した質量(kg)/車重(kg) だけの簡単な式で定量的に見積もることが可能だ。

 元々のホイールが16インチ以下の場合は、超軽量ホイールに変えてもトータルとして大幅な軽量化が出来ないため※4、高価な鍛造ホイールを使うメリットはほとんど無い。それでもなお加速感がアップしたと感じた場合は、他の変化要因(空気圧や、ころがり抵抗の変化)によるものだろう。

※3:100kgの重量増による0-100km/h 10sec加速の損失は、W=mv2/s=7.72kW=10.5馬力であるから、ほぼ10kgあたり1馬力と考えて差し支えない。タイムに換算すると、1.4トンのクルマを100kg軽量化すれば、0.7秒もの短縮になる。クルマが軽いことが、いかに大切か、わかるだろう。
※4:16インチのホイールは鋳造品でも9kg前後の物が多い。これをたとえ半分に軽量化できたとしても4本合わせて18kgの軽量化に過ぎず、車重がよほど軽くない限りほとんど体感できないだろう。

 

5.ホイールを軽くするとステアリングも軽くなるか

 回転しているホイールの切り角を変えると、その軸回りの回転慣性によるトルクT3(Nm)と、ジャイロモーメントJm(Nm)の2つがホイールに作用する。これらは、それぞれ次式で示される。

T3 = I2・dωs/dt     (5-1)
Jm = I1・ωn・ωs    (5-2)
I2:ホイール切り角に関する回転慣性(Kgm2):dωs/dt :ホイール切り角の角加速度(rad/s2)、I1:ホイール回転慣性モーメント(Kgm2)、ωn:ホイールの回転速度(rad/s)、ωs :ホイール切り角の角速度(rad/s)

表4-1の17インチホイールを軽量化した例で考えると、I2は、軽量化前で0.17Kgm2、軽量化後は0.12Kgm2となるから、2本分の差分は0.10Kgm2、同じように、回転慣性I1の2本分の差分は0.17Kgm2である。ステアリングの切り角は、比較的クイックな蛇行運転の操作を想定して1秒間に±10度(±0.17rad)とすると、角速度ωs =2π0.17f=1.10rad/s、角加速度dωs/dt=2π1.10f=6.89rad/s2である。走行速度を時速100km/h、タイヤ径0.64m とすると ωn=86.81rad/s である。以上のパラメータを使って計算すると

 切り角による慣性トルク T3 = 0.10×6.89=0.69Nm
 ジャイロモーメント Jm = 0.17×86.81×1.10=16.2Nm

が得られる。これだけクイックなステアリング操作をしても、切り角による慣性トルクはとても小さいことがわかる。Jmはそこそこあるが、100km/h以下の低速ではパワーステアリングのせいもあって体感できないだろう。高速域では、高速安定性にマイナス効果として現れる可能性がある。

 従って、ホイールの軽量化によるステアリングの重さの変化は、低速域ではほとんど体感できず、高速域では直進安定性の悪化要因となる可能性がある。低速域でステアリングの重さが大きく変化した場合は、空気圧や、タイヤ幅の変動(接地面積の変化)の影響だろう。

 

6.「ばね下重量の軽減は、ばね上の約10倍の重量軽減に匹敵する」とはどういうことか

 販売元、製造元の記事によっては4倍、14倍と記載されているものもあるが、根拠が示されているものは見あたらない。このような情報によって世間では「ばね下を1kg減らしたのだから、車体を10kg以上軽量化したことになる」と勘違いされている人が非常に多い。シャーシやサスペンションにかかる負荷荷重はばね下の質量に比例するから、軽量化は構造の簡素化やコストダウンの為には効果的である。しかしこの理屈からは10倍という数字は出てこない。

10倍という数字はやはり回転慣性に関係した物だろう。そこで、ホイールの回転慣性を、ばね上の質量に換算してみよう。(4-1)式を(4-2)式に代入し、mについて整理すると、

m = 4・ΔI/D2    (6-1)

を得る。これが、回転慣性モーメントの軽量化分ΔIをばね上質量mに変換する式だ。4項の表4-1より、軽量ホイールを使うと回転慣性モーメントは、0.0860kgm2の減量(4本で0.344kgm2)となるから、I=0.344kgm2、タイヤ径D=640mm(乗用車相当) として計算すると、m=4×0.344/0.642=3.36kg というように、ΔIに対しほぼ10倍の解を得る。従って、慣性モーメントからm2を省略して読めば、1キロがばね上換算でほぼ10キロの軽量化に相当するという説明が成り立つ。このように倍率を m/ΔI で表現すると式(6-1)を使って次のように簡単に表せる。

 倍率 = 4/D2     (6-2)

 倍率はタイヤ径Dだけで決まる。たとえばD=530mm(軽自動車相当)とすると約14倍、D=1m(トラックやバス相当)にすると4倍というふうに、世間で言われている様々な係数が求まる。ちなみに、進行方向の慣性は、ばね下を1kg軽量化したら、ばね上でもやはり1kgである。
 同じ1キロでも、ホイールの質量と慣性モーメントでは話が異なる。質量を1キロ減らすのはたやすいが、もともと0.2~0.3キロしかない慣性モーメントを1キロ減らすのは不可能である。これも結局、商売に都合がよいように、巧妙に作られたセールストークだろう。

 

7.路面追従性を良くすると乗り心地は良くなるか

 軽量ホイールの能書きには

「ばね下が重いとサスペンションの動きが鈍くなるので乗り心地が悪くなるのです」   (a)
「ばね下が軽くなれば、サスペンションの動きが良くなり、乗り心地や居住性が改善されます」  (b)

というような表記をみかける。これらは一見正しそうだが二重に誤りだ。これはスプリングやばねレートが相対的に上昇することを考慮していないし、たとえそうしたとしても、軽量化によって路面追従性を良くすればするほど、乗り心地は悪い方向に行く。
ホイールが軽くなれば、その分、ホイールの動きが激しくなるが、それはサスペンションから見ると、路面のおうとつが増えたのと同じだ※5

※5:グラフ1-1には、タイヤとホイールで決まる16Hzの「共振点」がある。この周波数から下が、ホイールと路面が一体で動く、「つまり100%路面追従する」帯域だ。共振点から上は、路面が変動してもホイールが追従して動かない、「路面追従が悪い」帯域である。100%路面追従する帯域では、路面の振動が直接サスペンションのバネに伝わる結果となるので、乗り心地が悪化するのは自明だ。

 そもそも「防振」とは路面の上下に追従しないことで発揮される効果である。ホイールを軽くするとこの共振周波数が高い方へシフトするから、100%路面追従する帯域が拡大する。これによって、ホイールを軽くすればするほど、車体に伝わる振動が増えることがわかる。少し詳しい人ならタイヤが激しく上下動しているのに車体がフラットを保っている図を連想し、「路面追従性を良くすれば乗り心地も良くなるのではないか」と考えるかもしれない。これは、サスペンションのばね定数k2を低くした場合の話であって、ばね下を軽くした場合の作用とは、まったく異なる点に注意しなければならない。
 従って、(b)は、次のように言い換えると正しくなる。

「サスペンションのばねを弱くすれば、サスペンションの動きが良くなり、乗り心地や居住性が改善されます」   (b’)

「サスペンションの動きが良くなると乗り心地が改善される」のは、摩擦が影響してダンパーの動きが悪く、乗り心地悪化の原因になっている場合だけである。

 

8.軽量ホイールにメリットはあるか

どんな慣性でもその影響は「加速度」だけに関係するため、軽量ホイールのメリットが生きるのは激しい加減速を繰り返す用途、すなわちレースに限られる。以上の検討結果からすると、たかだか、0-100km/h 10秒加速程度の世界では、軽量ホイールのメリットはほとんどなく、体感もできない。もし体感できたとしたら、空気圧など別の要因によるものと考えるのが妥当だ。

 

9.インチダウンに花道あり

最近の車は営業的な配慮から17インチ以上の大径ホイールが純正で付いてくることが多いが、公道を走る限り16インチを超えるホイールは必要ない。純正で17インチ以上のホイールが付いてきた場合は、16インチ以下にインチダウンすることをお勧めする。乗り心地のほかにも経済性、耐久性などの面でメリットは数多い。

 一般車でホイールが16インチを超えるとタイヤの扁平率が55を超えてしまうことが多い。扁平率が上がれば横剛性はアップするが、それを超えると轍にハンドルを取られやすくなって操舵性が悪化したり、乗り心地の面で問題が出てくる。横剛性が必用なのはサーキットだけで、公道しか走らないクルマが扁平率を上げる必要性はない。

 「見た目」だけのためにわざわざインチアップする人が多いが、同時に扁平率を上げることになるし、他にもデメリットが多すぎてお勧めできない。ホイールデザインは、小さくても品が良い、カッコ良く見えるものがベストであり、そういう方向で検討を進めるのが、賢いドレスアップといえよう。

 

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<改訂履歴>
2015/5/7 グラフの縦軸を振動伝達率から車体に伝わる衝撃に変更。ばね上換算倍率の計算を追補。

 

アルミホイールの真実~軽量ホイールは乗り心地を悪くする」への11件のフィードバック

  1. 60万km

    小生は長年のインチダウン派です。
    インチダウンによって乗り心地が良くなるだけでなく、公道で限界を試さない限り良いことのほうが多いと思います。

    ホイールの重量が微小な振動を抑えて乗り心地をよくするというのは、その通りだと思います。しかし段差や路面に水溜まりがたくさんできるような悪路では重い車輪が車体に前後方向の振動を与えて乗り心地が悪化するのではないでしょうか。高速道路の橋の継ぎ目を軽やかに超えていくのも、軽い場合か重い場合か微妙なところだと思います。インチダウンした場合は明確に乗り心地が良くなると思っていますが、ここには軽量化の要素も入っているので判別が困難です。

    もしかすると、他は変えずにアルミホイールのみ重量を増やした場合の乗り心地の実際の向上幅は微小で、引っかかるような特定路面での乗り心地の悪化は大きいか、もしくは同じように微小なのではないでしょうか。

    返信
    1. 創造の館 管理人 投稿作成者

      コメントありがとうございます。高速道路の継ぎ目を超える場合と、大きなうねりが続くような路面とではホイールの重量の影響は異なってきます。
      タイヤのバネとサスペンションのバネ、それぞれ関係する周波数帯域が違うためですが、このことをきちんと区別して議論されている例はほとんどないように感じています。
      結論から申しますと、おおきなうねりはサスのバネと車体の重量、ダンパーの設計で決まり、前後方向の振動?にタイヤは関係ないと思います。どちらかといえば、
      シャフトなど回転軸系のねじり振動の範疇になると思います。

      返信
      1. 60万km

        早速のご返信ありがとうございます。
        前後方向の振動とは車輪が穴に落ち込む時の若干の加速や、段差や穴の縁に乗り上げるときの急な減速が振動(衝撃)となって車体に伝わることを言っています。上下振動と乗り心地の関係に限定した議論であれば関係ない話でした。

        返信
  2. 通りすがりのテストドライバー

    > 純正で17インチ以上のホイールが付いてきた場合は、16インチ以下にインチダウンすることをお勧めする。乗り心地のほかにも経済性、耐久性などの面でメリットは数多い。

    私は新車購入後、多くの場合インチアップします。対抗式キャリパーを装着するためです。
    100 km/h からのフルブレーキングを含むエルクテストをすると良く分かりますが、
    現状国産車の標準ブレーキの多くは、残念ながら安全面において失格です。

    返信
  3. そぶちゃん

    バネ下共振点以上の周波数だけを取り上げて、バネ下軽量化→乗り心地悪化 と結論づけているようですが、人間の受振感特性を考慮すると10hz以下の周波数帯に重みを置いて考えるべきだと思います。
    ISOの評価基準でも 4-8hz に重みが置かれています。
    検討結果より読み取れる結論は、『乗り心地悪化』 ではなく 『人間の感度の高い周波数帯では乗り心地が向上するが、バネ下共振点以上の周波数では悪化する』が正しいのではないでしょうか?

    返信
  4. たけちゃん

    面白く読ませていただきました。

    ただ、c2、k2というのは定数ではなくて周波数や変位に対してかなり大きく変わる値ですが、それを考慮に入れなくて大丈夫でしょうか。また、これも状況次第かと思いますが、相対的に重たいタイヤ+ホイールは、同じギャップを通過した場合にも、変位の大きさが大きくなってしまうと思いますが、そこも大丈夫でしょうか。乗り心地という言葉自体もかなりあやふやなものでありますけれども。

    クルマを試験台の上に乗せて、強制的にタイヤ部をある周波数、ある変位量で振動させれば確かにある程度計算通りに車体側の変位量は求まると思いますが・・・

    返信
    1. 創造の館 管理人 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      c2、k2は実車で変動すると思いますがホイール重さの比較論では考慮しなくても良いと思います。
      乗り心地の定義は難しいですが、基本的に加速度に比例するものと思われます。
      ギャップというのは、ステップ応答でしょうか。変位というのは周波数帯域によって異なりますが、ホイールが重くなれば共振周波数が下がって結果的に加速度は下がり、乗り心地は改善する方向に行くはずです。
      タイヤはバネですので、例えばホイールが例えば1トンとか重ければギャップを乗り越えてもほとんど動かず、車体に伝わる振動は限りなくゼロになるでしょう。

      返信
  5. oki

    6. に関して。
    「バネ下10倍」は車輪の慣性モーメントと質量を幾ら計算してても永遠に出てきません。
    かつ、街乗りのような大人しい運転をしていても永遠に出てきません。

    単刀直入に言えば、
    「バンピーな路面などでの最大接地圧と最小接地圧の(時間方向の)差を減らし、タイヤとアスファルトの間の見かけの(時間的マクロな)摩擦係数を増やす」
    効果から来ています。

    噛み砕きます。

    タイヤとアスファルトの摩擦力は F=μNではありません。
    垂直抗力Nが大きくなっても、ブラックマークを残すような条件では見かけのμが減少し、FはNに比例しません。
    実際の摩擦係数は変化していないか、もしかしたら大きくなっている可能性もありますが、トレッドゴムが剪断破壊するため見かけのμが減少してしまうのです。

    なお、最大静止摩擦や動摩擦や「接地点が次々と遷移していく、車輪と路面の摩擦」や転がり摩擦に関するつまらない議論は省きます。
    また、大人しい街乗りでないということで、ストレートでの加速以外は常にタイヤとアスファルトの摩擦力を使い切る寸前で走っています。

    ここで、バンピーな路面を定常円旋回するとします。
    重いバネ下と軽いバネ下で何が違うでしょうか?
    Nを長い時間で積分したの積算値は同じです。ざっくりと見積もれば時間*重力加速度*車重/4程度。
    1Hzよりやや早い周波数で見ると違いが出てきます。
    路面からの突き上げ期は、高さ(x)の強制変位となりNはxの二階微分と、バネ下質量の積だけ増えています。
    つまり重いバネ下の方がよりNが大きいのです。
    路面が下がっている時期もくだくだと計算はできますが、一行上の結果とNの時間積が一定である事を踏まえれば、
    重いバネ下の方がNが小さい事は明白です。

    つまり、バネ下が重いとNの変化、振幅が大きいわけです。

    ここでF=μNでない事が効いてきます。
    μが定数で式がリニアであればFの時間積、物理で言えば力積は、バネ下質量労関わらず同じ値を取るでしょう。
    Nが過大となったときにFが小さいため、バネ下が重いとFの力積は小さくなります。

    逆側もまたバネ下が重い側に不利です。逆側とはつまりN=0のときです。
    Nは負の値を取りませんが、路面の凹凸と水平方向の速度によってはN=0となります。
    N=0となる時間はバネ下が重いときとバネ下が軽いときで、どちらが長いでしょうか。

    4輪車と言えど、N=0になる時間が長くては、「曲がる止まる加速する」が困難になります。

    別アングルでまとめます。
    「バネ下10倍」はレースやタイムアタックのような車輪とアスファルトの摩擦を限界をまで使う業界で生まれた言葉です。
    そのような走り、そのような瞬間でなければ適用されません。
    バンピーなコーナーや縁石を踏むようなラインが前提のため、単純なモデルと式で迫るのは困難と思います。

    返信
  6. 車屋さん

    ただの整備士ですので、工学に関して無知当然にも関わらず、生意気な意見を申し上げます事、お許しください。

    私見ですが、高速域のステアリング操舵力に影響するのは、タイヤ荷重とセルフアライニングトルクではないかと考えます。
    これらは、直進状態ではほとんど影響せず、操角と、制動、加速時の荷重移動増加分、ロール等が影響しますが、いずれも駆動力にタイヤグリップをほぼ消費していますから、速度を落とさずにステアリング操作のみを行っても、コーナリングフォースがほとんど発生せず、むしろ、急激に操作を行っても、タイヤのグリップが失われステアリング操作力は、逆に非常に軽く感じられると思います。
    ※ホイールに急激なモーメントを発生させても、接地部のグリップが失われる為。
    ブレーキ制動により、速度を落としつつ、前軸荷重を増やしてやれば、ステアリングは重く感じられますが、この際に影響してくるのは、ばね上荷重であり、ホイール重量は、ほぼ無関係と思われます。
    停車時、純粋に、ステアリングギヤボックス以下のばね下にぶらさがっている部品が重くなった体感、例えば、フロントタイヤを片方外し、その際にステアリングが勝手に回ろうとするトルクや、今回は両輪ですから、パワーアシストが無い状態で、その増加分は重く感じられるはずですが、先に書いた通り、その差はわずかで、パワーステアリングが動作する環境ならば、その分、パワーアシストが多めにされるだけで、運転者には体感するほどでもないと思われます。
    ※ラックブーツ点検等上記環境で行いますと、やはり軽いホイールと純正ホイールでは、ステアリングの操舵感が異なります。
    ホイールの重量増は、直進だけを考えれば、制動、駆動力が増加する為、むしろ加減速には有利に働くと思われます。
    しかし、遠心力を考慮せねばならない、旋回運動を考えた場合は別で、車両は実際、タイヤ4点のみで接地していますから、ばね上重量の増加分は分散され、例えば、すべてのタイヤ荷重が均等な車両であれば、1/4しか影響しませんが、ばね下の重量増加分は、そのまま重量増となりタイヤグリップに影響致します。それをもって、4倍の4か所、つまりばね下重量の軽減は16倍の効果とうたっているのやも知れません。
    いずれも、レースの世界、整備の世界では「厳密に言えば」影響ありと言えますが、日常の過程での使用では、そこまでのタイヤ能力を使いきるような場面は無く、また、快適装備にアシスト(隠ぺい)され、感じる事はないと私は思います。
    タイヤ交換前後の、燃費向上については、摩耗分の復帰による直径の増大、(残り溝1.6mm→6.6mm)とすれば1cmも直径が増大します。
    また、ご指摘どおりの空気圧増大によるもの。幅については、荷重一定ならば、グリップは不変ですので、コンパウンドが溶ける領域でなければ、その影響はあまりないと思います。

    長文、駄文失礼致しました。

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  7. 車屋さん

    非常に興味深く読ませて頂きました。
    しかしながら、車に関わる者として1点だけ気になる個所があります。
    「ホイールを軽くするとステアリングも軽くなるか」
    についてですが、最もステアリングが重く感じられるのは、停車状態の時であり、
    時速100km/hもでていれば、ほとんど感じません。
    パワーステアリングが必要なのは、ごく低速時だけで、高速時は機能していないことが多いです。
    計算では、ホイールに発生する、操舵時の回転慣性とジャイロモーメントのみで検討しておられますが、
    これらは、実際、速度が増すほど、舵角が減少することから、ほとんど意味を無しません。
    つまり、速度が出れば出るほど、これらを感じることはないはずです。
    ステアリングの重さは、路面摩擦係数と垂直荷重が大きく影響し、
    更には、キャスタ角による影響も考慮せねばなりません(キングピン軸に発生するモーメント等)。
    ホイール単体で考えれば、確かに記事のとおりですが、実際に車載状態で、
    接地圧がホイール1本につき、4kgも変わるとすれば、
    その差は、慣性モーメント+ジャイロモーメントのそれを上回るはずです。
    とはいえ、メーカーの宣伝文句のように、急激に軽くなるわけでもないのは、
    書かれているとおりだと思います。
    「低速時にはほとんど体感できず」この点だけ、不躾ながらご意見させて頂きました。

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    1. 創造の館 管理人 投稿作成者

      貴重なご意見ありがとうございます。

      ホイールの慣性モーメントは低速域では体感出来ない(他の要因に支配される)という話は同感です、他の要因のうち、
      接地圧4キロの変化というのは大きいのでしょうか。車重に比べれば小さいように思いました。
      ホイール交換すると大抵はタイヤも同時変わり、空気圧、扁平率、幅も同時に変わります。販売店では高価な軽量ホールを買ったお客様に空気圧高めサービスする場合があるというので、ハンドルにしろ燃費にしろ、空気圧の変化を体感しているケースが多いのでしょう。
      高速域はジャイロモーメントで支配され、体感できるとしたらこれしかないと考えていますが他にもっと大きな要因がありましたらご教授いただけると幸いです。

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