クルマの燃費は車重で決まる~アテにならないカタログ燃費

 最近はJC08モード燃費でリッター30を超える数字をみるようになり、実態とますますかけ離れてきた。またギア比や制御を「JC08モードに過剰最適化」したクルマも登場し、ドライバビリティが著しく悪い(走らない)商品も見かけるようになってきた。私たち消費者にとって燃費は最大の感心事に違いない。しかし燃費の数字だけを頼りにクルマを選ぶと次のような結果になりがちだ。

 

燃費の数字はずっといいのに、実燃費は今乗っている車と大差ない(逆に落ちてしまった)
アクセルを踏んでも走らない、運転しにくいクルマになってしまった

 

このような事態を回避する、すなわち購入後のクルマの燃費を正しく把握し、走らないクルマを買って失敗しないためはどうすればよいのか。このあたりのコツは以前も書いたが、大事なことなのでまとめてみた。

 

 

新しく買うクルマの燃費を正しく把握するにはどうしたらよいか

 この答えは以前から書いているように「車重」にある。ゴーストップの多い日本国内では加速抵抗が主体になるためクルマの燃費は車重が支配すると考えてよい。「エネなんとか」「エコなんとか」といったセールストークに気が向くかもしれないが、これらの寄与度は車重に比べればかなり小さい。

 新しいクルマの燃費の調べ方は次の通り。カタログをもらったら、まず最後方にある「主要緒元表」を開いて車重を見てもらいたい。この数字を使って次の計算をする。これだけで自分がそのクルマを手に入れた後の実燃費をかなり正確に予測できる。

実燃費New=実燃費Old×車重Old/車重New

「New」は新しく買うクルマ、「Old」いま乗っているクルマの値を表す。実燃費Oldは今乗っているクルマの実燃費だから把握できているはず。車重Oldは車検証に書いてある。
 この式は新しいクルマの燃費は今乗っているクルマとの重量比で決まることを示している。クルマの効率が昔より進化している、と仮定すると、この計算結果はミニマム値を与えることがわかる。つまり購入後の実燃費がこの計算値を上回ることはあっても、下回って後悔することはない。

(参考) 私は2012年にスカイラインからフィットに乗り換えたが、フィットの実燃費はこの計算式から導いた予測燃費とぴったり一致した(スカイライン25GT-V 1400kg 平均実燃費7km/L、フィット15XH 1090kg 予測実燃費8.99km/L。これに対し、15XHの3年間平均実燃費は9km/Lだった)。私のようにゴーストップの多い乗り方の場合、この計算式はとてもよく合う。
 10年以上前のスカイラインに対しフィットはいろんな面で効率が良くなっているはずなのに、結果に表れない。ゴーストップの多い国内の燃費は重量に支配される。この構図は今後も変わりは無さそうだ。

 

実燃費Newがわかると、燃費向上による経済効果も次の式で把握できる。

経済効果=走行距離×ガソリン代×(1/実燃費Old - 1/実燃費New)

この経済効果は、燃費の悪いスポーツカーに乗っている人と、コンパクトカーに乗っている人とで大きく違ってくる。たとえば走行10万キロ、平均ガソリン代を140円と仮定し、買い替えによって燃費がリッター3キロ良くなったとしよう。この場合の経済効果は、リッター4キロのスポーツカーに乗っている人は150万円もの節約になり、リッター20キロの車に乗っている人は9万円の節約にしかならない。これをグラフにしたのが次だ。

nenpikeizaikouka同じリッター3キロの改善でも、燃費の悪い車に乗っている人ほど、買い替えの経済効果が大きく、いま燃費のよいクルマに乗っている人は、買い替えても燃費向上による恩恵は少ないことがわかる。

 

 

 

ハイブリッドは本当にオトクか

 燃費向上による経済効果がわかると購入の判断に活用できる。例えばハイブリッドにすると燃費が大幅に良くなるが、経済効果から本体価格の上昇分を差し引くと、実はガソリン車とあまり変わらない

※例えばコンパクトカーに対するリッター6キロの経済効果は約30万円。ハイブリッドが30万円割高だとリッター6キロの向上は無いのと同じになる

 

走らない低燃費クルマを掴まないためにはどうすべきか

 JC08モード燃費の数字と車重をセットでみるとドライバビリティが見えてくる。例えばモード燃費の数字が大差ない2台のクルマを検討しているとしよう。両者で車重が100キロも違う場合、重い方のクルマはドライバビリティが悪く走りに問題がありそうなクルマであることが予測できる。100キロもの重さを燃費でカバーするためには制御やギア比で誤魔化すしかないからだ。
 両者の車重が大差ない場合は、モード燃費の数字が低い方がドライバビリティが優れている可能性が高い。車重が同じなら実燃費は同じ。数字の絶対値に惑わされないよう注意したい。

 

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