オーディオ特性の測定と問題点

 信頼性の高い測定を行うには測定冶具の準備が欠かせない。写真は測定のために自作した冶具類。左から4線式抵抗測定ケーブル、インピーダンス測定用抵抗、ダミー抵抗(3本)、アンプSP端子取出ケーブル、保護抵抗付ステレオミニプラグ。きちんと端末処理し、熱収縮チューブで絶縁してある。

 

 接続はバナナ[1]かBNCでパーツは信頼性の高いものを厳選。ハンダ付けできないものや高価なマニア向け商品は不可。

オーディオ測定のために作った冶具類

 デジタルアンプは負荷がないと正しい特性が出ないためダミー抵抗を繋く。データの記録は電池駆動のICレコーダ(TASCAM DR-05)を使用。昔はMDレコーダ、さらにその前はウオークマンDATだった。便利になったが、光デジタル出力付き(リアルタイムスルー)の安価な携帯録音機が欲しいころ。

 デジタルアンプのSP端子は電位が浮いていて、L,Rのマイナスもコモンでないことが多い。不用意に計測器を繋ぐとアース間電位差で予想外の電流が流れ、機器を壊す恐れがある。インピーダンス特性を計る場合(定電圧法)でも同じだ。このような浮いた電位を測定する場合、本来絶縁アンプで受ける必要があるが、電池駆動の携帯録音機を使うと簡単で便利である。

 携帯機器の入力は大抵ステレオミニプラグだが、プラグが抜けるとき一瞬ショートするので注意が必要だ。保護抵抗入りの接続ケーブルはそのための冶具である。
このあたりの話を理解できない人は測定に手を出さないのが無難だ。測定を安全に正確に行うためにはそれなりの知識が要求される。

SPインピーダンス測定用抵抗を4線式で精密測定している様子 アンプの出力電圧を測定しているところ

写真1枚目:SPインピーダンス測定用抵抗を4線式で精密測定しているところ。小さな抵抗は4線式でないと正確に測れない。
写真2枚目:アンプの出力電圧を測定しているところ。浮いた電位の測定には携帯録音機が便利である。USBミニプラグは頻繁な抜差を避けてケーブルを本体に固定にしている。ライン入力を光出力でスルーできれば申し分ない。

 

計測用マイクロフォンAUDIX TM1とファンタム電源

計測用マイクロフォンAUDIX TM1とファンタム電源(BEHRINGER PS400)。このマイクは精密騒音計よりも高域が伸びていて20kHzまでキッチリ計れる。アマチュアが入手できるお手ごろ価格のマイクとしてお勧めの一つだ。

 

 DR-05の内臓マイクは10KHzにかけて10dB急上昇するため測定に使えない。これはマイクロフォンカプセルから先端の筒の共鳴が原因とみられる。特性がフラットになるためにはマイクから先に筒や出っ張りがあってはらない。ライン入出力はフラットなので録音専用で使う。

 測定ソフトはWaveSpectraとWaveGeneを使用。オクターブバンド解析は手頃なソフトがないのでエクセルを使ったマクロを用意した[3]

 分析用ソフトは他にRMAA[2]がある。サウンドデバイス評価用に開発されたものでほとんど手間をかけずに周波数特性や歪率などの測定ができ、レポートまで作成してくれる優れもの。入力レベルが規定範囲を満たさないと使えないが、信頼性が高く使えるソフトである。

 

<参考購入先>
ICレコーダ: PCMレコーダー DR-05
マイクロフォン: AUDIX TM1
ファンタム電源: BEHRINGER PS400
キャノン to ステレオミニ変換ケーブル: HOSA XVM101 ファンタム電源からパソコンのマイクロフォン端子に接続するために必要 キャノンケーブル: CANARE EC03-B(XX)
1/4″変換ねじ:CAMERA-SHURE マイクホルダーをカメラ用三脚ねじにつけるための変換ねじ
バナナプラグ(サトーパーツ):計測用のバナナプラグはこれで決まり
バナナジャック: 3010-I-(色番号) 常盤商工

配線材
配線コード エーモンの耐熱電線 1.25スケアが使いやすい
熱収縮チューブセット きちんとした絶縁端末処理は基本です

工具類
ヒートガン: ヒートガン ミニ 熱収縮チューブの施工に
はんだごて:白光製がお勧め
ワイヤーストリッパー

 セメント抵抗は10W以上のものが必要。2ohm、4ohm×2 など組み合わせで 2,6,8ohm を作れるように揃えると便利。セメント抵抗はインダクタンスを持つため高周波成分の多いデジタルアンプの測定に便利である。

<関連記事>
バナナプラグの選び方
3.オクターブバンド分析ツール

<参考文献>
2.RMAA
http://audio.rightmark.org/products/rmaa.shtml