アクアリウムで使う石や砂の中には、炭酸塩が溶出して水の硬度を上昇させるものがある。このことは、軟水を好む魚を飼うとき問題になる。そこで、これを調べてみた。
炭酸塩の溶出は、酸性水に漬けてみればはっきりでわかる。酸性水は、CO2を抜いた水道水に硫酸を入れてPH5.2に調整して作った。塩酸だと揮発してしまうかもしれないが、硫酸であれば大丈夫だ。
テストするものは裏山で拾ってきたチャート、大磯砂、熱帯魚用に売られている珪化木。チャートは基本的に石英質なので水質にはなんの影響も与えないはず。大磯はいろんな火成岩から成り、貝殻は入っていない。桂化木は炭酸カルシウムを含むので、基本的には影響があるはずだ。
酸性水に浸漬して10日後の測定結果は次の通り。
表1.10に置換水に浸漬した結果
評価項目 | PH | KH | GH |
大磯砂 | 5.2 | 1以下 | 19 |
珪化木 | 6.5 | 3 | 13 |
チャート | 5.2 | 1以下 | 3 |
(浸漬に使った水) | 5.2 | 1以下 | 2 |
チャートは予想通りほとんど変化なし。
大磯はGH(硬度)だけ大きく上昇。ミネラル豊富な水を作るのに有用かもしれない。ただ、よくいわれるKHの上昇(PH上昇)はなかった。この砂は半年以上使ったものなので、炭酸塩は抜けてしまったのかもしれない。
珪化木はKH,GHの両方を上げるのでカラシンの水槽には使えそうもない。
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