ワイングラスを使ってインシュレータで音が変わる理屈を理解する

 オーディオの世界では音のチューニングにインシュレータがよく用いらる。性質を知らないで使うと無駄なことをしてしまう。そこで減衰効果をわかりやすく知る方法をご紹介する。

 

実験準備

 用意する材料は、ワイングラス、輪ゴム、金属製のスプーン。ワイングラスが無い場合は、後述する磁器製のお皿でもよい。

 ワイングラスがオーディオコンポーネントに相当する。とても響きやすいアイテムなので、敷いたモノの効果を感度良く反映される。スプーンは加振に使う。

 

 

実験方法

 まずワイングラスを輪ゴムで吊って、スプーンで叩いてみる。これが、減衰が無い場合の音。よく聞いて覚えて欲しい。

 次に、インシュレータの上にグラスを伏せて置き、同じように叩いてみる。様子が変わったことに気が付くはず。輪ゴムで吊ったときとの差が、インシュレータによる減衰効果だ。

 続けて、次の実験を順次してみて欲しい。

 1.インシュレータの材質を変えてみる。

 2.インシュレータの下の台を変えてみる(木の机、コンクリート、タタミなど)。

 3.ワイングラスや台との接触面にガタを作ってみる。

 4.グラスの上に錘を乗せてみる。

 5.ワイングラスを砂の上に置いてみる。

 

 これらのテストをオーディオ装置を使ってやるのは大変だが、ワイングラスを使うといろいろなことが簡単に実験できる。

 これらの実験から、何を敷いても単にワイングラスの減衰が変化するだけで、ワイングラスが持つ固有の音色は変化しないことに気付くと思う。

磁器製の皿を利用してインシュレーターの減衰の違いを比較している様子 ワイングラスが小さすぎてインシュレータがうまく敷けない場合がある。この場合、磁器製のお皿が代用できる。

 面積が広いので3点支持、外側付近、内側付近など、いろんな場所に敷いてテストでき便利だ。「減衰無し」の音は、小さなスポンジを中央1点において浮かせて叩くことで確認できる。

 

 

 

なぜ響きが変わるのか

 上記のケースではグラスとインシュレーターとの間にある「摩擦」によって減衰を得るため。

 摩擦は接触する「面積」と「支持点数」に比例する。

 インシュレーター自身については、材料(ヤング率)が関係し、硬いものは接触面積が減り、ガタが出来るなどして効果が不安定になりやすい。

 

実機への適用

 ガラス容器を使ったこの実験法は、敷物(インシュレータ)の違いを高い感度で調べることが出来る。したがって、この方法で大して差がないものについては、実機に置いてもほとんど差がないといえる。

 

 

響かないものに対しては、何を敷いても変わらない

 ワイングラスの実験が一通り終わったら、ワイングラスを木製ブロックに替えてみるといい。

 インシュレータを使ったチューニングは、木製ブロックのようにあまり響かない物に対しては、ほとんど意味ない(変わらない)ことを知るはずだ。

 

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