所有期間 1992/4~1998/7。歴代スカイラインの最高傑作。ストレート6,215馬力ターボ。クルマが羽根のように軽く、思い通りに走れる感覚があった。半面低速トルクが細く発進加速が遅かった。音の不具合でクラッチを交換してからジャダーに悩まされた。
外観
色は ガングレー(M) 。
追加オプション
- サイドシルプロテクター
- リヤサイドプロテクター
- フロントタワーバー
- リヤタワーバー(ストレート)
- 盗難警報付き赤外リモコンドアロック
- DSP+CDオートチェンジャー
- ピュアトロンMS-1
- フロアカーペット(アダルトスポーティ)
- アームレストエクステンション
- ナンバー枠(ダークグレー)
- ルーフバイザー(ロング)
- ドアミラー自動収納装置
- トランクルームベルト
- エキゾーストフィニッシャー
- ワイパースポイラー
- デザインフットレスト
- ニーパッド(未装着)
ボデイ・内装
エンジンルーム。タワーバーは純正。リアにも装着。どちらも鉄鋼製で元々剛性の高くない本車の剛性強化に有効だった。リアのタワーバーはスポット剥がれの原因になり後になって撤廃した(後述)。
右はトランクルーム。タワーバー撤廃後のもので同時に内張りも交換してある。タワーバーがあると奥の出張り(サスのマウント部)に穴が開いた形になる。トランクは底が浅くて大した荷物は入らない。水を入れたペットボトルは虫や鳥の糞を洗うためのもの。
皮巻きのシフトノブとハンドブレーキの感触は秀逸。ハンドブレーキは「キン!」という小気良い音が伴う大変操作感の良いものだった。
ワイパーのつまみを回すと「スコッ」という音がする。パワーウインドウは剛性感のある動作音。スカイラインの各スイッチの操作感や操作音はどれも素晴らしい。このクルマの操作音は録音して公開している(いろんなスイッチ音)。
ダッシュボードは押すとへこむクッション性の素材で出来ている。紙製のサンシェードをダッシュボードに置いてバイザーで挟んだらダッシュボードの上に屏風状の跡が残ってしまった。 皮巻きハンドルは使っていると手の油が染み込んでツヤが出てくる。
シートは大変良いものが付いてくる。コーナリング時にも肩が滑りにくい。必要なら取り付けようと買っておいた純正オプションのニーパッドは結局必要なかった。
シートベルトは取りやすいようアームが伸びていて、テンションも適度で長時間締めていても疲れない。
内張りとスカッフプレート。内張りもクッション性の素材で出来ていて、布生地部分も高級感がある。
オーディオシステムはすべて純正。デザインが統一され、機能はシンプルにまとまっている。市販品は下品なデザインが多く、付ける気になれない。一番下はDSP+パワーアンプ+CDチェンジャーコントローラ。このパワーアンプはリアスピーカの駆動に使用されている。パワーアンプを分散すると随分音が良くなる。DSPをONにすると音が悪くなるため普段はスルーで使用。
クルマのキーは重要なアイテム。赤外線リモコンは旧式でデザインは今ひとつ。赤外式は太陽光の強い屋外での反応が悪く、直射日光が当たっているとき、ほとんど役に立たなかった。
走り
2リットルターボに軽い車体を組み合わせた(車検証には1330kgとあった)クルマのため、ターボが働く領域ではクルマが羽根のように軽く感じられた。好きなときに、欲しい速度をすぐに出せる感覚があって、意のままに操る人馬一体を実感でるクルマだった。この経験から、1.3トン、2リットルターボという仕様が、以後スポーツカー選定における指標になった。
反面、ターボが効かない3000回転未満のトルクは無いに等しく、普通のアクセルワークでは信号スタートで軽に置いて行かれる有様だった。勾配の厳しい峠では一度回転が落ちると一挙に非力に。「6段MTが欲しい」そう思うことが多かった。
ボディ剛性は低く片輪が段差などに乗るとボディがたわむのがわかった。タワーバーがボディ剛性強化に有効で、テンション調整ネジの締め加減でボディがカッチリするのを実感できた。
6気筒だが音質や振動にそのメリットはなく、エンジンフィールはあまり良くない部類だった。
ステアリングのパワーアシストは適度で、フィールは大変良いものだった。ブレーキフィールは初期制動がやや甘かった。
劣化と対策
ボディ
’97に磨きに出して小傷とウオータースポットを除去。その後PIT WORKのポリマーコーティングを施工。水洗いするだけでピカピカになる。
クルマは天井など太陽光が垂直に当たる部分の痛みが激しい。ワックスをかけすぎると塗膜が痛んで月面クレータのような跡ができるので注意。
運転席側ドアノブ、キー挿入口、トランクのキー穴、運転席側ドアトリムの内側ノブ
これらの部分は傷だらけになりやすい。でもキーを差し込む時ちょっと注意すればここまできれいな状態を維持できる。ドアノブは下から手を入れるときに爪でキズつけやすい。くぼんだ部分の奥に透明の保護テープを貼っておき、塗装面に爪を当てないよう気を付ける。
ドアサイドモール、ウインドウエッジモール
紫外線で劣化し、硬化したりひび割れてくる。劣化の進行は次の順番になる。
- 表面のツヤが無くなる
- 細かいひび割れができる
- 表面が白くなり、粉をふく
鳥の糞、虫
鳥の糞や虫は塗装を浸食するので付いたらすぐに落とすのが鉄則。虫は帰宅したら点検して落としておく。結果的にこれが一番害が少なく落とすのも楽。乾燥してしまうと簡単に落ちない。水を入れたペットボトルをいつも常備しておきたい。
飛び石、通行人による被害
飛び石によるキズやへこみ、ウインドウガラスのキズ、通行人の時計キズ、自分の時計キズなどが問題となる。飛び石は大型車の後ろを避け、車間距離を十分取る。砂利道を走るときは速度を十分落とす。駐車場の地面が砂利の場合はしばらく低速走行する。このようにして確率を下げることはできるが、完全に避けることは無理だろう。
自分で時計キズをつけないためにも金属製や鋭利な角のある時計は避けたい。洗車時にベルトや時計をはずしておくのは常識。
通行人による引っかき傷の被害もある。店舗の駐車場にクルマを停めるとき、店の出入り口付近など人通りの多いところは避けた方がよい。ドアミラーは引っかけられないよう駐車中は畳んでおく。
ワックス、コンパウンド、キズクリアなど
市販の物をそのまま使うとスクラッチキズだらけにしてしまうことがある。気が付いたときは遅い。ノーコンパウンドとはっきり書いていない物は、使う前に必ずCDなどに塗ってこすり、キズがつかないか確認してから使うようにする。
洗車と磨き
鉄粉を取るために粘土をつかうことがあるが、研磨剤の粒子が入っているようで細かいキズがどうしても付く。粘土の代わりに、鉄粉除去のケミカルを使うほうが良い。
コンパウンドは昔は粒子サイズ3ミクロン以下のものを使い、仕上げに0.5ミクロンを使えば問題はない。何を使うにせよ、あらかじめ他の透明プラスチック(CDなど)で検証してから使う。洗車機は「傷付けない」とする機械でも避けたほうがよい。
プラスチック部分の劣化
紫外線によりぼろぼろになる。ドアミラーの鏡の縁が劣化しやすい。塗装してあるバンパー、サイドプロテクター、スポイラーなどのプラスチック部品も、空と水平になっていて水玉状の水滴が残る部分はボディ塗装よりはるかに痛みやすい。
シリコン系ツヤ出し保護剤による害
エアコン吹き出し口など可動部にアーマオールなどシリコン系のツヤ出し保護材を塗ると、フリクションが低下して吹き出す風で勝手に風向が変わったり、異音が出るようになる。こうなるともう交換しかない。
また、ツヤ出し保護材は水分を含むため金属を腐食させやすいほか、車外のゴムやプラスチック部分に塗ると雨で白い瘢痕が浮き出ることがある。シリコン系のツヤ出し保護材なるものはお勧めできない。
ハンドル
熱によりプラスチックの部分が膨張し、上面の皮との境目の部分に隙間ができる。内側からシリコン接着剤で固定。
皮も4~5年たつと表皮がもろくなる。このあたりが寿命かもしれない。5年たった皮は、水を吸い込むと非常にもろくなるので、拭くときには特に注意する。
スピードメータはワイヤー式。夏になるとメータがふれ出す。低速でふれるのは気にならないが、60-70Km付近でふれると気になる。これはミッションオイルがメーターケーブルに入り、中のグリスと混ざって摩擦がなくなってしまうのが原因。
対策はミッション側のギヤとケーブル交換、振れ止めのグリス(純正品)をメーター側のカップリングに塗る等がある。これをやっても1年で同じ症状に戻ってしまう。私はブチルゴムを油に溶かしたものをミッション側のカップリングに封入して対策し、気にならない程度に押さえることができた。
メーター全面のクリアパネルは底部の傷が目立ちやすいので拭く場合は細心の注意が必要。写真のパネルは最近交換した。
サイドシルプロテクター
このエアロパーツ、後輪のホイルハウスエッジの部分でボディをこすり、塗装を削り取ってしまう。クラックが発生しているところを見ると、応力が集中しているようだ。また、この部品は長尺なので熱膨張により長さが変化し、発生する応力で接着している両面テープがはがれることがある。
エアロパーツにはこのような欠点があるほか重量も増えるので、本当に必要なものかどうか、よく検討する必要がある。
デフロスタ
写真は正常な状態。熱で変形し継ぎ目部分が次第にめくれあがってくる。今年はいろいろ工夫してみるつもりだが、対策としては今のところ交換しかない。
リアフィニッシャー
一番上の角の表皮がはがれてくる。接着剤が蒸発しただけなので内張りをはがして瞬間接着剤等で貼り直せばOK。
ワイパーアーム
艶消し黒の塗装がはがれて下地がみえてくる。これはどんな車種でも同じ。私は市販塗料で再塗装したが、アームは安いから取り替えてしまってもいいだろう。(追記:リボスの自然塗料が使えます。詳しくは自然塗料でカーコーティング~ゴム プラスチック にも対応!参照。
ホイールセンターキャップ
縁の銀色塗装が劣化してはがれてくる。これは交換しかない。写真は正常な状態。
ワックスやコーティング剤を塗るとこの劣化が早まる。有機溶剤によって樹脂パーツの塗装を傷めることを知った。
錆
購入直後に早速ドアパネルのロック付近、トランクルーム排水溝に錆を発見。塗料を爪でひっかくとぼろぼろはがれてきたため、クレームで板金塗装に出した経緯がある。錆の進行から見るとこのクルマは長いことモータープールにおいてあった在庫車のようだった。補修後、塗装に関する錆は出ていない。
下回りや見えない部位の錆対策にはサビチェンジャーがよい。あらゆる部分に万能に使えるが、耐熱性がないので熱い部分には使えない。
下回り
地面からの湿気で所々さびてくる。錆を見つけたらサビチェンジャーを塗るというふうに丹念に保護をしていく。あと、下をこすりそうなところには最初から行かないほうがよい。
リアワイパーパッキン押さえ板
写真のネオプレンゴムを押さえている板の内側に水がたまりやすく、さびてくる。アームを取り外してサビチェンジャーを塗る。
グローブボックスのワイヤー切れ
助手席足下のグローブボックスは簡易ダンパーにより開いてもドスッと落ちないようになっているが、何度もOpen,Closeを繰り返しているうちこのダンパーから車体に固定しているひもが切れる。これはグローブボックスを外してひもを取り替えればOK。引っ張ってものびない製本用の黒い布ひもなどがよい。
タワーバーの害
最初純正オプションのリアタワーバー(ストレート)を付けていたが、数年後ボディ底面から「ペコン!」という異音が発生、調べたところボディ底板の一部でスポットはがれを起こしていた。安易なボディ補強は予期せぬ応力集中を引き起こし、ボディに損傷を与える。スポットはがれの部分はディーラに修理をお願いしたところ、シリコンを注入して隙間を埋める改修をした。
フロントタワーバーは今まで別段何ともない。これは山形になっており引っ張り、圧縮に対してある程度バネ要素を持っているためとみられる。
異音対策
これまでに経験した異音とその原因は以下の通り。
メーター付近のびびり
メーターワイヤーと、ハンドル奥のワイヤーカバーが当たってびびりを発生していた。ワイヤーカバーの中にスポンジを入れて対策。
ピュアトロンカバーの異音
ピュアトロンのカバーの裏を見ると本体との止めバネがあるが、この台座が割れてきてねじが締められなくなり、バネの固定がゆるんでくる。そのため本体とカバーがゆるんで異音を発生する。台座に瞬間接着剤を流し込んでバネ、ネジ類を固定する。
後部からのチリチリ音
リアウインドウの熱線ケーブル配線、もしくはカプラーが金属と当たって生じているらしい。熱線ケーブルは助手席側後方のサイドフィニッシャーを外すと現れるのでケーブルをスポンジでくるむかテープで固定する。
助手席に人を乗せるとびびり音発生
助手席底部の機械的な当たりによるもの。スライドレールとそのスライダ(パイプ)との間など金属接触部にグリスを注入する。
ミラー付近から風きり音
音源はミラー取り付けの付け根に発生するカルマン渦。ウインドウ角度、ミラーの取り付け角度などにより風きり音は微妙に変化する。これを対策するためミラーの付け根に入れる押さえゴムが純正部品としてある。時間のかかる作業なのでディーラーにクルマを預けて調整してもらう。
足周りからのコトコト音
2年くらいたつと荒れ地や段差を越える際に足下からコトコトという音が出てくる。原因はブッシュかショック。ブッシュ(リンク交換)やショックを交換すると直るが、音は小さいし交換サイクルが短いので気にしない方がよいだろう。
低速でも走行ノイズが異様に大きい
ベアリングがだめになっている可能性がある。ディーラーでリフトアップしてもらって、タイヤを手で回すことで原因が特定できる。
トランクを上下すると「ギィ」というきしみ音
トランクを固定している左右の付け根付近をグリスアップする。
クラッチを踏むと「カチ!」という音
クラッチを交換すると直る。ディーラーで交換したらAssy全体交換になった。以後、繋ぐときいつもジャダーが出て悩まされた。
後部座席骨組みの錆
後部座席の内側には水滴がたまりやすく、骨が錆びてくる。座席を外して水滴を取るとともに、骨にはサビチェンジャーを塗っておく
各所の球切れ
空調コントローラ、メーター周りの白熱電球は3年くらいから切れ始めるのでチェックしてみよう。これらは球だけ注文できるので自分で交換してもOK。
古い球は衝撃で切れやすいため部品を外したり取付けするときに正常な球が切れてしまうことがある。球の価格は安いので、部品を外すついでに全部交換してしまうのも手。
空気清浄機ピュアトロンのスイッチは常時点灯のため切れやすい。2度目に切れたとき発光ダイオードに換装した。
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