R34スカイライン 25GT-V 5MT を詳細にレビューする

所有期間 2000/10~2013/9。6気筒エンジンの上質なフィールが特徴。GT-Vはターボと同じ足回りを持つグレードだが、1.4トンの重量に2.5L NAはスポーツカーとして十分な動力性能ではなかった。

 

外観

 色はスパークリングシルバー。

 

R34スカイライン 25GT-V フロントビュー

 

R34スカイライン 25GT-V リアビュー

 

追加装備

  • TV/ナビゲーションシステム
  • キセノンヘッドランプ
  • フロアカーペット
  • プラスチックバイザー
  • MDオートチェンジャー
  • センターキャップ“Sキャップ”
  • チタンクリアR広角ドアミラー
  • ドアミラー自動格納装置
  • リモコントランクオープナー
  • ドアエッジモール
  • マッドガード
  • ホイールコートシステム“足下キララ”
  • 撥水ウインドゥシステム
  • CPCペイントシーラント

 


 

ボディ・内装

 

R34スカイライン 25GT-V フロントマスク 

 角ばったボディラインとフロントマスクは「スカイライン」そのもの。このフロントマスクはMCによってデザインが変更され安っぽいイメージの払拭に成功している。リアはトランクスペースを広く取るため間延びしている。

 

R34スカイライン 25GT-V 純正ホイール 

 ホイールキャップをオプションの“Sキャップ”に換装。見た目はずいぶん良くなったが、R32形のような立体感が無い。
 R32形ではブレーキダストの汚れが酷かったが、ホイールは洗いやすい形をしていてブレーキダストもあまり出ないため、ホイールの汚れは気にならない。

 

R34スカイライン 25GT-V 運転席 

 内装もエクステリア同様に直線基調でまとまっている。ステアリングやシフトノブ、ドアパネルなどにシルバーを上手に使ってスポーツムードを出している。

 

 シートはR32形と同じく、たいへん出来がよいもの。体圧分布が適正で、長時間運転していても腰痛も起こらず疲れない。コーナリングすれば肩の部分で体をしっかり支える。R32形ではシートをレカロに取り替えた人が、ノーマルの方が良いと判断し元に戻した逸話がある。R34でもシートを変える必要はほとんどないだろう。

 

 R34スカイライン 25GT-V ステアリング R34スカイライン 25GT-V 運転席のメーター 

 ステアリングまわり。安っぽさの大きな要因だったメーターまわりはMCで我慢できるレベルに改善した。ステアリングも’S’のオーナメントが入ったがエアバッグのせいでR32形のような精悍さがない。

 イルミネーションの配色はメチャクチャで、統一感がない。例えばメータはオレンジ、ODOメータは白、オーディオのイルミはグリーンでボタンはホワイトいった具合。せめて表示部だけでもグリーンで統一してもらいたかった。

R34スカイライン 25GT-V センターコンソールと純正オーディオ 

 メーカーオプションのDVDナビを装着。オーディオも純正を装着しデザインに統一感がある。
 ナビの画面は電動ポップアップ式。エアコン吹き出し口上のダッシュボード面が開閉する。その動作はゆっくりとしたもので、動作中ギヤードモーターが「ギー」という音を出す。画面は小さく表示もボヤっとしたもので発色も良くない。

 このナビにはVICSとTVがついていて機能豊富だが、使い勝手はいまひとつ。行先のプログラムは一つ間違えると今まで設定したルートが無くなってしまうし、ハイウエイ表示はリアルタイムでないのであまり役に立たない。
 コンソールの面は若干運転席側に向く形になっていて、どこかゆがんだように見える。

 

 ウインカーやワイパーレバーまわりの操作感は高質。シフトフィールはストロークが大きくゲージのガタも大きめだが、フィールは悪くない。ドアやトランクの閉まり音は2ドア系とは異なりなかなかのもの。

 GT-Vに付いてくる標準オーディオは落ち着いた上品な音色。レンジのバランスがよく、楽器類やボーカルが自然で高級オーディオに近い。これだけ上質な音色のオーディオはなかなかない。リアSPは中低音重視の音色で、後ろに乗る人がうるさい思いをしなくて済む。

 シート横のサイドコンソールのフタにはダンパーが付いていてゆっくり閉まる。カップフォルダーには底敷きがないため、缶ジュースを乗せるとビリ付き音が出る。サンバイザーを上げるときボン!という大きい音が出る。天井内張りの中はスカスカで、音が響きやすいようだ。

 

走り

 ラグジュアリーな乗り味とスポーツフィールを併せ持つ。普通、高級車のハンドリングはダルいことが多いが、高質感とスポーツフィールを両立させているのがスカイラインの特徴。

 エンジンはスムース&低速トルクがある。1500回転も回っていれば坂道も普通に登っていく。トルクの出方もアクセル開度に対しリニア。チョイ踏みでガバっとスロットルが空き、それ以上踏み足しても加速しないものとは異なる。
 エンジンの音質はよく、高質感もあって「シルキー・シックス」と呼べるフィールを実現している。

 高速走行のスタビリティはなかなかのもの。速度をあげていっても震動騒音の変化が少なく、運転感覚もあまり変わらないため高速道路の巡航は快適。追い越し車線を走っていると、前のクルマが道を譲ってくれることが多い。フロントマスクが大人しくなったとはいえ、威圧感は多少あるのだろう。

 車重が1.4トンを越えるため、ライトウェイトのロードスターなどと異なり慣性の大きさを感じる。クルマをキビキビ操って走るようなイメージとは遠い。

 ブレーキフィールは初期制動が甘かったR32形から大きく改善しており問題ない。ステアリングフィールもなめらか&ダイレクト感がある。切り角に対する反力も一定。パワーアシストも適度で路面の感触が掴みやすい。

 GT-Vの足回りはターボ系と同じ、225/45サイズのため乗り心地が固く突き上げが強いうえ、路面の凹凸に敏感でちょっとした轍にハンドルを取られやすい。25GT-X はR32形と同じ、205/55サイズなのでこの問題がない。

 

快適装備

 リモコンドアロックの射程距離はトヨタ製の約半分、5m程度。
 夜室内にはいるとエンジンを付けるまでルームランプが点灯、エンジンをとめてキーを抜くとルームランプが点灯する。

 

総合

 NAのGT-Vを一言で言うとスポーツ風高級セダン。車体の慣性を大きく感じR32,33の流れの中で最も「重鈍」と位置づけできる。スポーツフィールは高いが、実際のスポーツドライビングでは軽快さを欠く。ターボモデルもあるが、直線加速が良くなるだけで本質的な感覚は同じと考えてよい。

 GT-Vの足回りは固く、乗り心地の面で不満が募る。これはインチダウンによって改善できる(別の記事に記載、後述のリンク参照)。

 

購入後のトラブル

  1. 助手席側のワイパーのふき取りが甘い。
    これはワイパーアームの交換で解消。ブレード交換では解消しなかった。
  2. ボンネットのビリ付き音
    オーディオをOFFにしているとボンネットのビリ付き音が小さく聞こえることがある。ボンネットと当てゴムの間の隙間が原因。当てゴムは回すことで高さの調整ができる。ボンネットを閉じたとき隙間が出来ないよう調整する。
  3. ダッシュボード上面周りからのビリ付き音
    冬季、ダッシュボード上面からビリ付き音が出る。ヒータ効いて温風が出るとすぐ聞こえなくなる。夏場は出ない。温度が低いときダッシュボードが収縮してフロントガラスとの間にわずかなスキマが出来るのが原因。フロントガラスとダッシュボードとの隙間に樹脂を充填することで改善する。ダッシュボードとガラスの隙間を上から覗くと黒いシーリングテープが貼ってあるのが見える。この奥に問題の隙間があるので、注射器に細いチューブを繋げたものを作って硬化後弾性のあるウレタン樹脂などを充填する。ちょっと難しい。
  4. アイドリング時のコツコツ音
    信号待ちなどでコツ、コツとわずかな音がすると同時に、ペダル類に小さな振動を感じる。これは電気的な負荷変動に連動しているので、発電機からの振動が伝わってきている模様。
  5. 後部席付近からのコツコツ音
    気温が高くなってくると、コツコツという音が後部席周辺から聞こえてくる。エアコンが利いてくると、出なくなることがある。いろいろ調べた結果、音源は天井パネルを止めているフックだった。天井パネルをたたいてみると、同様のビリ付き音が発生する。
    対策は、天井裏に30mm厚くらいの吸音材を詰める。リアの天井パネルの後端から指を入れて、ゆっくりと引っ張ると、フックがはずれる。フックの間から入る幅に切って、折れないよう注意しながら、できるだけ奥まで押し込む。
  6. クラッチを踏んで離すときにカチっという異音と振動
    1年くらいたつとクラッチペダルのバネの滑りが悪くなって、このような症状が出る。R32でもまったく同じ症状が出ている。グリスアップ等では改善されない。バネとフレームだけの部品は出ないので、クラッチペダルASSY交換となる。マスターシリンダーは交換してはならない。R32のときこれを強化形に交換されてジャダーに悩まされた。
  7. コンソール周辺からのジージー音
    空調機器のモーター動作音。ダンパー開閉時に聞こえるが、異常ではないので気にしないこと。

 


 

メンテナンス

カップフォルダーのクッション追加(2000/11/11)

 カップフォルダーの底にクッションがないため、缶ジュースを入れるとカタカタと音が出ることがある。そこで、片面ノリ付きの「内装用テープ 4mm厚」を貼ることにした。裁断サイズは次の通り。

前席カップフォルダー用:60×65 2枚
コンソールボックス用:128×179 1枚
後席カップフォルダー用:30×60 2枚

そのまま嵌らない場合は現物に合わせてハサミなどでカットし形を作る。このテープの材質はネオプレンゴムにアクリル粘着剤のため、室内では劣化する心配がほとんどない。

 


 

 燃費

給油日 燃費(Km/L) 種類 キロ単価(\/Km) 備考
2000/11/02 7.02 ハイオク  
2000/11/22 7.33 ハイオク  
2000/12/10 7.85 ハイオク 14.3  
2000/12/29 7.13 レギュラー 13.9  
2001/1/13 7.79 ハイオク 14.1  
2001/2/10 5.61 ハイオク 19.6 チョイ乗りオンリー
2001/3/5 5.99 ハイオク 18.4  
2001/3/20 7.24 ハイオク 15.1 レジャー&通勤の標準
2001/4/1 7.08 ハイオク 15.4  
2001/4/1 7.08 ハイオク 15.4  
2001/4/21 7.39 ハイオク 14.7  
2001/5/7 6.60 ハイオク 16.5  
2001/6/3 6.57 ハイオク 16.6  
2001/6/22 6.67 ハイオク 16.3  
2001/7/14 6.10 ハイオク 17.9  
2001/8/26 6.28 ハイオク 17.2  
2001/10/2 5.85 ハイオク 18.5  
2001/10/20 6.93 ハイオク 15.6  
2001/11/11 6.9 ハイオク 15.7  
2001/11/23 5.70 ハイオク 18.3  
2001/12/4 9.49 ハイオク 10.9 長距離旅行
2002/1/10 5.69 ハイオク 17.9  
2002/2/3 5.98 ハイオク 16.9  
2002/2/24 7.03 ハイオク 14.7  
2002/3/21 6.60 ハイオク 15.3  
2002/4/6 7.06 ハイオク 14.3  
2002/5/2 6.63 ハイオク 15.7  
2002/5/25 6.25 ハイオク 17.3  
2002/6/15 6.97 ハイオク 15.2  

燃費平均 6.54(Km/L) 最高 9.49 最低 5.61

 

 片道2Kmの通勤がほとんどのため、燃費の結果はかなり悪い。

 ハイオクのクルマにレギュラーを入れても走る。そこで試しにレギュラーを入れてみた。発進の際の半クラッチが若干長めになり、エンジン音も微妙に変化する。坂道など勾配のある道路でパワーダウンを感じるが、平地では大して変わらない。燃費はさらに落ちて、ガソリンの購入価格を走行距離で割ったキロ単価はハイオクとあまり変わりない結果だった。

 

<参考購入先>
R34スカイラインのアクセサリパーツ
スカイラインのすべて

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