試乗日:2005/8/20
ボディ・内装
前後を切り詰めたボディスタイルによって小柄に見えるが、以前のようなコンパクトカーに似た安っぽさがない。
飛行機をモチーフにしたといわれるフロントグリルの意見は分かれるが、実物は悪くない。
背が高いため後席に狭い印象は無く、トランクスペースも十分に思える容積を確保している。
インテリアの質感が向上し、クラス標準のレベルになった。
レカロ風の深いバケットシートも改良され、堅いだけだった以前のシートに比べると座り心地もだいぶ良くなっている。
空調の音は最大にしても不快な風切り音が低く抑えられているが、モータの回転音がやや気になる。
試乗車はオーディオレスだったため音質は不明。
パワーウインドウの上下は重厚感があるタッチで変わらず。
ドアの閉めたときの剛性感と質感が高い。但し窓をあけた状態で開閉すると振動が尾を引く。
ライトなどスイッチ類の質感は向上し、クラス相応のレベルになった。
走り
エンジンは回転に比例して音は大きくなるものの、音色の変化はほとんど無い。4気筒の中ではかなり良い印象。
排気音もごく普通で以前のようなドロドロいう特徴はなくなった。
6MTのシフトレバ-は長めに出来ているが、数センチの極端なショートストロークとなっており、入りもややシブく、シフトチェンジは「叩き込む」イメージに近い。
ブレーキのストロークも極端に少なく踏み始めるとすぐに効いてしかもカッチリとしたタッチが感じられる。これは大変素晴らしい。
ステアリングフィールに問題はまったく無くなった。とてもなめらかで、重さも軽すぎることなく、余計な遊びも無い。
クラッチはかなり重い部類に入る。長時間ドライブでは疲労に繋がるだろう。
乗り心地は足回りの堅さを感じさせる割にフラットな感覚があり突き上げもキツくない。以前に比べるとかなり乗り心地は良くなっている。
低回転ではトルクが細くアクセルを踏み込んでも反応が鈍い。3,000rpmを超えたあたりからターボが効き始め、3,500rpmからターボらしいグッとくる加速感がある。
エンジンは低回転トルクを犠牲にして最大トルクを稼いだ色合いが濃く、低回転時のパワーフィールは1.5Lクラスに劣る。こういう低速トルクが弱いクルマは普通にクラッチをつないだ時の出足が遅い。信号スタートで軽に置いていかれるだろう。
車重が1.4トンを超えるため軽快さが無い。ボディ剛性の高さと重さの両方を感じさせる走行フィールは、「装甲車」をイメージさせる。
履いているタイヤのせいか、走行中のロードノイズはかなり大きめ。この点は以前より悪くなった。
総合
クルマとしての内容は以前[1]より大幅に進歩しており、インテリアやエクステリアのネガはほとんど無くなった。
しかし2Lクラスで1.46トンはいくらなんでも重過ぎないか。2.5L直6エンジンを乗せるR34スカイラインより重い。
2Lターボといえば運動性能と動力性能をバランスできる解の一つだが、1.4トンを超えるとそのメリットもなくなってしまう。
インプレッサはノーマルのWRX 5MTがベストかもしれない。STiより100kgも軽く、エンジンのトルク特性も低回転で好ましい形になっている。
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