HEV(ハイブリッド)は根強い人気がある。ところが最近、商品企画がおかしな方向にズレているようだ。このままだと、ハイブリッドのメリットを生かせず、その他多くの低燃費車の一員になってしまうかもしれない。
HEVは「回生充電」によって見かけ上高い燃費性能を実現できるが、実燃費はカタログ燃費と大きく乖離しており実質20キロ前後といわれる。これだと最近のフィットやデミオに比べ少し良いくらいで、ハイブリッドだから燃費がいいとは言えなくなっている。
HEVの燃費以外のメリットに、モータアシストによる「ドライバビリティの向上」や「ダウンサイジング」がある。エンジンを軽く、小さくできる特徴を生かして、今までにないクルマを作ることが出来る。例えば、2Lエンジンで3L相当の高級車や、CR-Zのようなスポーツカーなど。この場合主役は、あくまでエンジンになる。
プリウスのような本格ハイブリッドの、本当のメリットは何だろう。私は、プリウスが進むべき道は「低燃費の追求」ではないかと思う。本格ハイブリッドでなければ達成不可能な圧倒的低燃費。これが実現できなければ、その他多くの低燃費車と変わらない。
現在のプリウスは、「燃費」と「ドライバビリティ」とのバランスをとった結果、インサイトと実燃費が大差ないことになっている。燃費が同じくらいなら、安いほうが選ばれてしまう。
値段を合わせて安売りすれば、製造原価の高いプリウスは苦しい。せっかく黒字になったのに、また赤字に逆戻りだ。
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