トヨタにはGR というスポーツカーのブランドがある。気持ちいい走りを体感できる商品らしいが、本当だろうか。そこで今回は、GRブランドについて徹底分析してみた。
GRブランドの階層
GRブランドは次の3階層からなる。
GR SPORT ⇒ GR ⇒ GRMN
3つの違いはチューンのレベル。GR SPORTは一般車両をコンバージョンしたもので、見た目とサスが違う程度。GRはそこから少しチューンを進めたもの。GRMNはフルチューンを施したコンプリートカーという位置づけになっている[1]。
GRブランドのラインナップ
トヨタのHPでラインナップを見ることができる[2]。2019年11月現在、全部で16車種。これ以外にもカローラスポーツのようにGRが付かないスポーツグレードもある。トヨタは日本で最もスポーツカーと称する車を多く作るメーカーだ。
デザインは大いに問題あり。私にはどれもアニメロボットに見える。それも70年代のマジンガーZからガンダムに登場するモビルスーツ。このクルマのオーナーになれば、だれでもかっこいいロボットに乗った主人公の気分になれるということか。
最近のトヨタのクルマデザインは、プリウスがゲルググ(ガンダムに登場するモビルスーツ)に似ていると言われるように、アニメロボットを連想させるものが多い。
スポーツカーの分析
これらの車にスポーツカーらしい走りが期待できるか分析した。下はその結果。ターボは緑の線、NAはグレーの線の下にないと、スポーツカーらしい走り、つまり「思い通りに走る感覚」が期待できない[3]。
まずはターボから。
線の下に入るのは、コペンとスパーチャージャーのついたVitz GRMNのみ。Vitz GRMNはもう販売してないので実質コペンだけである。
次はNAの分析結果。
全滅。線に一番近いのがVitzのGR SPORT。トヨタ車の中ではこれが一番よく走る車だ。
結論
トヨタの現行モデルでスポーツカーらしい走りが期待できるクルマは次の通り。
コペン GR SPORT
Vitz GR SPORT
コペンの中身はダイハツだから、純トヨタでスポーツカーになれそうなクルマは実質Vitzだけになる。
Vitzにはライバルがある。ホンダフィットの1.5Lモデルとマツダ2。特にマツダ2には、15MBのほかにディーゼルターボがある。
結局GRブランドのクルマは次のようなモノといえる。
スポーティーカー
(スポーツカーに乗ったような気分になれる車)
このような車にスポーツカーらしい走り、つまり思い通りに走れる感覚を期待するものではない。アニメロボットのようなデザインからして、スポーティーカーと呼べるかも怪しい。
デザインと乗り心地が良い車種については、こう呼ぶこともできる。
スペシャリティーカー
(スポーツカーのような外観の普通の車)
トヨタにスポーツカーは作れないという意見があるが、分析してみるとその通りかもしれない。全方位で隙の無い商売をするトヨタだが、スポーツカーだけはダメのようだ。
<参考購入先>
GRのすべて
<関連記事>
3.スポーツカーの選び方~86,BRZ,GT-R・・実はつまらなかった本格(風)スポーツカー
<参考文献>
1.GAZOO トヨタGRは“すべての人が楽しめるスポーツカー”だ!
2.トヨタ About GR