R34スカイラインをインチダウンして乗り心地を良くする~キャリパ干渉との戦い

 R34スカイラインのターボとGT-Vの標準タイヤは225/45R17。幅広のうえに扁平率が低いことから、路面の凹凸にハンドルがとられやすく、乗り心地も悪い。そこで、この問題の改善を検討した。

 

 路面の凹凸にハンドルがとられやすい問題だけ改善する場合は、フロントタイヤを205/50R17にサイズダウンすればよい。これは以前やってみて検証済み[1]。しかし、乗り心地をまで改善するには、タイヤのばね定数を下げる、すなわちインチダウンして扁平率あげなればならない。

 

ビッグキャリパーとの干渉問題

 GT-Vのブレーキはキャリパーが大きく、ホイールと干渉してインチダウンは出来ないとされている。現物をみても、純正17インチのリム内径とキャリパ-との隙間には指1本しか入らない。16インチにすれば干渉してアウトになるのは目に見えている。

 ホイールを変える際、オフセットを大きく変えないよう注意する必要がある。純正ホイールのオフセットは+40。これに一致するホイールは無い。ここを+33まで許容して調べた結果が次の表になる。

 

R34スカイラインの16インチホイール適合(2005年調べ)

メーカ 名称 サイズ 適合 備考
RAYS VOLK RACING TE37 16 7JJ +33 ○(未確認) 鍛造&軽量
RAYS VOLK RACING CE28N 16 7JJ +33 ○(未確認) 鍛造&軽量
RAYS VERSUS TURISMO SPADA 16 7JJ +33 鋳造
バーディークラブ P1レーシング 1670 +35 ○(未確認) 絶版
ディスモンド リーガマスターEVO 16×7 +35 ○(未確認) 絶版
エンケイ RS+M 16 7J +35 × 鍛造&軽量
ニッサン R32純正 16 6.5J +40 × 鋳造
ニッサン Estilo 16 6.5JJ +40 × 鋳造

 

 選定においては「ビックキャリパ対応」をうたっていることが最低条件になる。適合が○のものはまず大丈夫と思うが、実際に当ててみるまで確実とは言えない。填らない場合は返品可能か、事前にショップに確認しておくことが大切。

 ビッグキャリパに対応しているものはレース用の軽量ホイールが多く、ほとんどが絶版になっている。新品で入手できる候補は3種類しかない。いずれもRAYS製で軽量な鍛造品と鋳造がある。

 乗り心地を良くするためにはホイールの重量は重いほど良い。ここで鍛造を選ぶとインチダウンした効果が相殺されてしまう[2]。鍛造を除外すると、選択肢はREAYS SPADAが唯一となる。

※:売れないホイールは型番廃止になったり、絶版(メーカが潰れるなどして)になることが多いため、適合するホイールが見つかったらすぐに確保しないと、二度と手に入らない。

 

 

エコタイヤをセレクト

 SPADAに履くタイヤは、経済性を最優先してヨコハマのDNA ECOSを選んだ。

 ショップの店員いわく、「スカイラインをわざわざインチダウンして、ECOSを履くような人は、聞いたことが無い」そうである。それなら、私が第一号になってやろう。レースに出ないのにスポーツタイヤを履くのは無駄なのだから[3]

 

R34スカイラインのインチダウンに成功した様子 写真は R34のビッグキャリパに干渉せず、16インチホイールを収めることに成功したところ。ホイールはRAYSのSPADA 16/7JJ/+35、タイヤはヨコハマのDNA ECOS 205/55R16。

 キャリパーとリム内径との最小隙間は5mm。バランスウエイトも問題なく付けられる。
 テーパーナットだけではセンターが出ず、高速走行で振動が出たためハブリングを追加した。

 

 

 重量は、SPADA+タイヤで19.6kg。純正17インチ+タイヤで21.0kgだったから、4本で5.6kg (27%)の軽量化になってしまった。サスペンションのバネで決まる乗り心地は、この分悪化したとみていい。

 一方、ばね定数は55タイヤのECOSが2.99×105N/m、元々履いていた50タイヤ(B500si)が3.66×105N/mなので、18%下げることができた。ホイールの質量比がわからないが、突き上げに関しては多少改善したかもしれない。

 実際の走行フィールはまずます。ステアリングフィールが改善され、突き上げも少し緩和されて乗り心地も多少は良くなったようた。

※:乗り心地の変化を知るにはタイヤのばね定数を知る必要がある。これは、後輪のタイヤのつぶれ量を測定すればおおよその値がわかる。まず空荷の状態で地面からホイールまでの距離を測定、次に、後部座席の測定したタイヤ側に人を乗せて、同じように距離を測定し、その差と、乗せた人の体重から求めることが可能だ。

タイヤの扁平率とばね定数の関係を示すグラフ 左のグラフは上記の方法で求めたばね定数の例。測定はノギスを使用した。グラフから、ばね定数は空気圧の影響を大きく受けることがわかる。

 

 

 

<参考購入先>
アマゾンのタイヤ 問題があれば返品交換できるので安心です
ハブリング 社外ホイールで必須のパーツです

<参考購入先>
1.R34スカイラインのタイヤをサイズダウンして乗り心地を改善する
2.アルミホイールの真実~軽量ホイールは乗り心地を悪くする
3.スポーツカーにスポーツタイヤは無意味!?~デメリットだらけの高性能タイヤ
静かなタイヤの選び方~レグノを超える究極の静音タイヤはこれだ!
タイヤ交換はどこがいいか~ネットで買う場合の注意点