ご飯と味噌汁をレンジで同時に温めると、ご飯がアッチッチになって味噌汁がぬるい。これを不便に思っている人は少なくないと思う。これらを同じ温度に温める方法を見つけたのでご紹介する。
同時温めでご飯だけ熱くなるのはなぜか
50℃くらいに冷えたご飯と味噌汁をレンジで同時に温めて温度を測ると、なんと30℃以上も温度差がある。
これは、電子レンジのマイクロ波が「角」や「細いもの」に集中しやすいことが関係している。ご飯と味噌汁を同時に温めると、粒状のご飯にマイクロ波が集中して味噌汁を加熱する分が減る。これがご飯だけ熱くなる原因と考えられる。
余計なマイクロ波をシールドする
ご飯に吸収されるマイクロ波を減らせば温度が下がるはず。これは金属の容器で覆ってシールドすればよい。そこで、いろいろな材料を使って実験してみた。
いろいろなシールド容器。今回は16cm片手鍋、16cmボウル(100均)、20cmボウルを用意した。
16cmのボウルと片手鍋はお茶碗がすっぽり入り、高さもほぼ同じくらいになる。
実験方法
ご飯だけ上記のシールド容器に入れ、味噌汁と一緒にレンジで同時に温める。諸条件は次の通り。
ご飯 150g前後、味噌汁 200cc
加熱条件 500W 2分
加熱後、2分程度放置して温度がなじむのを待ってから、接触式温度計(A&D AD-5605P )で複数の場所の温度を測って平均をとる。
実験結果
表1 ご飯をシールドして味噌汁を同時にレンジで温めた場合の温度差
条件 | ご飯と味噌汁の温度差 | 備考 |
シールドなし(未対策) | 30℃以上 | |
ステンレスボウル(20cm) | 8℃以上 | |
ステンレスボウル(16cm) | だいたい同じ | |
16cm片手鍋 | だいたい同じ |
レンジで加熱すると、どちらも加熱ムラができる。味噌汁の方は攪拌すれば均一になるが、よそったご飯は混ぜにくい。2分くらいで自然に落ち着くが、すぐ食べる場合、温める前に鋭角な部分を丸め亀裂を埋めるなどしてドーム型に成型すると良いようだ。
結果、お茶碗ぴったりのサイズですっぽり覆うシールドが有効なことがわかった。
シールド容器の候補
お茶碗がすっぽり入る金属製の容器なら何でもOK。但し、薄いものはNG。エッジ部分にマイクロ波が集中して火花が出てしまい、危険だ。
まとめ
ご飯だけ16cmステンレスボウルに入れて、ご飯と味噌汁をレンジで500W 2~3分 温める。16cm片手鍋があれば、代用可能。
これで、ご飯と味噌汁を同じ温度に加熱可能だ。
<参考購入先>
16cmステンレスボウル
16cm片手鍋
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