ガス給湯機は無駄なお湯を量産する

お湯を作る方法には、電気温水器やエコキュート、石油、ガス給湯器などをいろいろある。経済性は石油が一番だが、買い出しや補給の手間が面倒だ。深夜電力の割引を前提にすると、オール電化+エコキュートが最も経済的だが、機器の寿命を10年見込んでもイニシャルコストが高すぎてペイしない。太陽熱、太陽光発電も同じである。
 ちょっと地味だが、オール電化+電気温水器がイニシャルコスト、経済性のバランスがとれた一解だ

 ショールームで話を聞くと、ガス給湯設備を選ぶ人は、ほとんどが24号の全自動1つだそうである。しかし、これは非効率で無駄の多い構成だ。その理由を述べよう。

  1. 台所で使うお湯が無駄に熱い
     台所で使うお湯は、本来「冷たくない程度の水」もしくは、「ぬるま湯」で十分なはずだ。そのためには、冬場でも2号程度の火力があれば十分である。ところがこの手の給湯器は設定温度を最小にしても35℃以上あり、台所だけで使うと無駄に燃料を消費して必要のないお湯を大量に生産してしまう。
  2. 給湯設備が一つしかないため捨て水が多い。
     特に台所と風呂場など、お湯を使う場所が離れているのに一つの給湯器で賄っている場合に問題である。配管が5メートルあると、冬場の朝一は20秒くらい待たないとお湯が出てこない。
  3. 給湯設備のコストが高い
     台所とお風呂など、離れた複数の場所で同時に十分な給湯能力を快適に確保しようとすると、24号の給湯器が必用となって機器が高価になる。

 これらの問題を改善するには、ガスはあきらめて電気温水器にするのが一番だ。どうしてもガスを使いたい場合は、お湯の生産を必要な場所に分散配置する、つまり、「必要な場所毎に、必要最小限の能力を持つ給湯器を分散配置する」とよい※。
 例えば台所と洗面所に5号の先止め式を1台ずつ、お風呂場にフルオートの16号を1台備えておく。5号は能力を最小に絞って2.5号相当で使えばよい。この方法によれば、24号を1台設置するより安く済むし捨て水や無駄なガスの消費を最小限にできる。

※現在の私の住まいが、たまたま分散配置のシステムになっている。家は借家だが、台所には5号の瞬間湯沸かし器があり、浴槽のすぐ横に10号のふろがまタイプの給湯器が設置されているのだ。
 ふろがまの熱量は小さいが、シャワーの最中に台所でお湯を使っても無関係だし、どちらもすぐにお湯が出るので快適である。
 このような使い方で、ガス代はコンロの分も合わせて年平均4000円/月で済んでいる(Max=冬場6000円、Min=夏場3000円)。設備機器を上手に組み合わせて使えば、ガス代は、本来この程度で済むものだ。

 新築のシステムキッチンに瞬間湯沸かし器を置くことに違和感を覚える人もいるかもしれない。ガス会社の営業の話によれば「そんなことする人は聞いたことない」らしい。そのためか、システムキッチンにマッチする瞬間湯沸かし器がほとんどない。唯一リンナイからデザインを考慮したものが出ている。外置き型の5号タイプがあればベストなのだが、そんな商品は無いようだ。

 

<関連商品>
高効率給湯器一覧