低音の出ないスピーカを改造する

 某サイトのおかげで15インチ+ホーンのSR用スピーカがよく売れているという。ところが、低音不足に悩むユーザは多い。これは高能率SPの宿命だが、改善する手はある。元々安いスピーカだから、改造しやすい。

 以下にご紹介する施策はあくまで自己責任となるが、最悪スピーカーユニットを潰してしまうことを承知したうえで実施して欲しい。

 低音が出ない原因は、コーンが軽すぎることだ。これは単純にコーンに重りを追加すればよい。コーンに重りを追加する方法には次がある。

  1. コーンの表側に、塗料やパテを塗る。
  2. センターキャップに重りを貼り付ける。
  3. コーンの裏側に重りを放射状に貼り付ける。

それぞれ一長一短あるが、裏側施工が目立たなくてよいかもしれない。

!!注意!!
 いずれも、ノーダメージで元に戻すことが出来ない。裏側に貼る場合は下地にシールを貼るか、木工用ボンドを塗ってツルツルの下地を作っておくとでダメージを軽減できる。

 

  1.  重りには、損失係数が高く、比重が高く、剛性が弱い という特性が求められる。具体的にはブチルテープのほか、アクリル系、酢酸ビニル系の塗料が候補になる。酢酸ビニル系では木工用ボンドのような接着剤が使える。
     塗料は比重が小さいので重りに粉を混ぜてもよい。白いパテのようなものを作ると、JBLのコーンに似たものが出来る。
  2.  重さの調整は、元のコーン質量の10%ピッチで行う。30cmの場合は5g、38cmの場合は10g程度が目安である。キッチリ重さを管理して左右同じになるようにしなければならない。
  3.  調整と試聴は、かならず一方だけ施工して以前のものと比較しながら行う。ツイータのレベルを調整するためアッテネータが必要だが、調整手段が無い場合はダンボールやスポンジを使って簡易的に減衰させる。

 重りを追加していくと、能率と引き換えにどんどん低音が出るようになる。同時にf0も下がる。但しやりすぎは禁物、能率や応答が極端に悪いスピーカになってしまう。

 塗料を塗ると元に戻せないが、コーン紙の内部損失を高めることで不要な振動が抑えられ、上質な鳴り方をする方向に向く。但し、オリジナルの音色は消失する。
同じやり方でPCスピーカの低音も改善できるが、SR用とちがって能率に余裕があるわけでないので、ハナ薬程度にとどめるべきである。

 

 コーンの改造は「タブー」といえる。今までどうにもならなかった「低音」が、自分の裁量でどうにもでコントロールできるという知識は毒だ。やりだすとハマりやすく、私もこれでスピーカーユニットをいくつ潰してしまったかわからない。

 測定環境も設備も持たない素人が聴感だけでスピーカの音を煮詰めていくのは不可能に近い。なにをするにしてもオリジナルから大きく変わらない程度にとどめ、施工も安いスピーカに限定すべだ。

 最後に、低音の増強は、あくまで能率と引き換えの効果であることを忘れないで欲しい。

 

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