小型スピーカーの選び方~人気のDALI ZENSORを検証する

 手軽にテレビやPCスピーカーの音を良くできる。そんな小型スピーカーの実力は本物だろうか。一番人気の商品を入手して特性を調べてみた。

 

DALI ZENSOR1 vs JBL Control1

DALI ZENSOR1 と JBL Control1 ZENSOR1は価格comで根強い人気を誇るSP。写真は黒。デザイン、仕上げ共に力が入っている。

 右のControl1はヤフオクでGetしたエッジ補修済みのレストア品。

 

ZENSOR1の周波数特性 ZENSOR1の正面周波数特性。比較的フラット。能率が86.5dBと低いせいか、大人しくボンヤリした音。鳴らし込むにつれ音が良くなるが、本質的な部分は変わらない。

 f0c=99Hz、Q0=0.93。聴感上この付近の低音が若干強調されて聞こえる。ポートの共鳴周波数35Hz。これは空気抜きと考えてよさそう。

 

Control1の周波数特性  Contol1の正面周波数特性。ややクセのある音。能率が89dBと高くダリより活力ある音が聴ける。

 f0c=144Hz、Q0=1.3。Q0が高いため144Hzが盛り上がる。高域に高域共振とみられるピークがある。これはTW軸上を少し外れるとフラットになる。

 ポートの共鳴周波数41Hz。ポートから出る音圧はゼロに等しくこれも空気抜き。

 
 

<測定の詳細>
 測定位置はSP近接(数十センチ)。WaveGeneでピンクノイズを作って再生、ICレコーダで録音し、WaveSpectraと1/3Octバンド分析マクロ[3]を使って計算するとこのグラフが得られる。f0cとQ0cはインピーダンス特性の測定結果から算出[1]

 

結論

 ZENSOR1はソフトドームとパルプコーンから出るクセのない音が特徴。低音も実用十分に出ていてBGM的な使い方ではサブウーファーも要らない。このあたりが人気の理由のようだ。
 但し、音を大きくするとすぐ破綻する。これはあくまで、小音量でBGMのような鳴らし方をするスピーカーだ。

 Control1はドンシャリ型のややクセのある音。鑑賞用ではジャンルを選ぶ。これはやはり、店舗などの天井吊りでBGMに使うものと考えたい。

 

 

SPEKTOR1、PICO、PICO VOKALの違い

 2015年にZENSOR1をそのまま小さくしたPICOとPICO VOKAL、2017年にHi-Fi志向のSPEKTOR1が登場している。

 このクラスの小型SPは、PCスピーカーのようにモニターの両脇に置いて使える。PCスピーカーでは物足りないがZENSOR1では大きすぎる、そんなニーズを捉えてよく売れているようだ。

 似たような商品が多くややこしいので表を作ってみた。

小型SPの比較表

  サイズ(H×W×D) ユニット構成(cm) 能率(dB) 重さ(kg)
DALI ZENSOR1 274×162×228 13.5パルプ+2.5ソフトD 86.5 4.2
DALI SPEKTOR1 237×140×195 11.5パルプ+2.1ソフトD 83 2.6
DALI PICO 231×141×195 11.5パルプ+2.5ソフトD 84 3.1
DALI PICO VOKAL 141×231×195 11.5パルプ+2.5ソフトD 84 3.1
JBL Control1 228×155×139 10.0パルプ+1.3ハードD 89 2.4

Wharfedale
DIAMOND 220(参考)

315×174×255 13ケブラー+2.5ソフトD 86 5.3

CLASSIC PRO
CS104(参考)

214×144×146 11.2パルプ+2.5ソフトD 87 2.5

 PICOとPICO VOKALは設置の向きが横になっただけで中身は同じものらしい。DIAMOND 220はDALIとよく比較される商品の一つ。私的にはツイーター周辺の余計な凹凸とケブラーコーンが気になる。

 気になるのは能率。ZENSOR1でも高くないのに、さらに3dBも低いものが多い。これは小さいスピーカーで低音を出そうとするため。

 小型SPではCS104が異色の存在。SR用なのでパワーが入り、能率も結構いい。アンプを内蔵したCS104Pもある。(CS104は詳しいレビューを書きました。最後の関連記事4を参照ください)

 

サブウーファ

 小型スピーカーはサブウーファーで低音を補える。大きすぎず、小型スピーカにマッチするサブウーファーを選んでみた。

 

ヤマハNS-SW210YST-FSW150  

ヤマハNS-SW210 の周波数特性 薄型省スペースで人気のある製品。どちらも16cmコーン型。

 グラフはSW210の特性。f0c=100Hz、ポート共鳴周波数40Hz。ポートの共鳴が良く効いていて下の方までダラ下がりに伸びている。

 箱内部に定在波の影響とみられる共鳴があり音にやや濁りがある。これは吸音材を入れることで改善できる[1]

 

 YST-FSW150 はSW210を横置きにしたもの。本体の大きさはほぼ同じ。 

 どちらも出力が50~75Wしかないので大音量再生には歪が目立つ。

 

電源連動タップの例(サンワサプライ) SW210やFSW150は電源連動機能が無いため別途電源連動タップを用意して電源を連動させて使いたい。

 

 

DALI SUB E9F

 23cmコーン、Dクラスアンプ、電源連動スタンバイ機能付き。振動板が正面を向いて設置され、余計なスペースをとらないキューブ形。クロスオーバー(40~120Hz)が連続可変で設定可能。かなり力の入った仕様。

 上位のE12Fは30cmコーン搭載。大型SPと組み合わせて使える。

 

 サブウーファーを生かして使うには置き方が重要。詳細は関連記事2を参照されたい。

 

 


 

思い出の優秀機(参考)

 店頭で思わず足を止めて聴き入ってしまった小型スピーカーをご紹介する。

 

ONKYO GX-R3X (2004年)

 

ONKYO GX-R3X (2004年)

出典:メーカーカタログ

 この機のために専用開発した8cmユニットを搭載。アンプ内蔵。ボーカルや楽器の音がとても自然に出る。小さくても手抜きのない設計。今もPCスピーカーのベストの一つ。

 

 

JBL J216PRO (1985年)

 16.5cmパルプコーン+2.5cmツイータ。能率87dB。

 非常にリアルな音の出るスピーカーとして記憶に残る。ヤフオクなどで中古が買えるが、さすがに古く良品は少ない。

 

<参考購入先>
DALIのスピーカー
JBL Control X 最新型です

<関連記事>
1.サブウーファーの音の遅れを測る2~インピーダンス特性から遅れを算出する
2.サブウーファーの置き方と音の遅れの改善方法~もうこれで遅い!とは言わせない
3.1/3Octバンド分析マクロ
4.DALI(ダリ)を上回る!?PC用 小型スピーカー・サラウンドリアスピーカーの選び方 続きの記事です
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