写真はパイロクスマンガン石。2007/9/22 田口鉱山のズリで採取したもの。2004年~2007年にかけてのべ3回トライしてGetした。
写真の結晶の大きさは約1.5mm。黒っぽいネオトス石に埋まっている。誰かが割ったバラ輝石に光る結晶面を偶然見つけたのだった。自宅に持ち帰ってナイフで丁寧に掘っていくと、大小多くの結晶が埋まっていた。
田口鉱山は愛知県にある世界的にも希少なパイロクスマンガン鉱(以下パイマン)の単結晶を産出する有名な産地だ。
2007年頃の田口鉱山入口。周囲にはクルマが何台か停められるスペースがある。ここから降りてしばらく林道を歩くと廃坑の入り口がある。
ここはクルマで乗り入れるのがやっとの山奥だが、人が絶えない。休日に行くと大抵先客がいる。新聞で紹介されてから、子供連れや女性客も増えた。
(2013年頃から立入禁止になり、ここから降りていくことはできないようです)
ズリ(捨て石場)は平坦な踊り場を挟んで上段、下段に別れている。
上段は割りまくられた小石だらけだが、沢のある下段は人があまり入っていないらしく、そこそこのサイズの石が転がっている。
沢に沿って降りてくとずっと下の方に滝があり、ここがズリの終末点と見られる。
2004年に初めて訪れた時はこのような綺麗なバラ輝石が容易に採取できた。
特に廃坑の入り口付近は、廃坑に入った人が捨てていったと思われる良質なバラ輝石が沢山落ちていた。
ネオトス石(ネットで入手)。パイマンの単結晶を得るにはまずネオトス石が入った石を見つけなければならないが、見分け困難。大抵表面が黒く酸化していて割ってみないとわからない。
写真の品はパイマンの結晶が多数埋まっているもの。
マンガン鉱の採掘には大型ハンマーが欠かせない。写真の大きいほうは柄の長さ1m近い8ポンド(3.6kg)ハンマー。
マンガン鉱の硬度は鉄に匹敵するため小ぶりのハンマーでは歯が立たない。行く度に大きなハンマーが必要なことを悟り、とうとうこれになった。
硬いマンガン鉱を相手にひたすらハンマーを振るうのは体力勝負だ。
ズリで採取したガーネットの母岩。小さなガーネットが沢山埋まっている。表面は真っ黒だが、割ると写真のように黄色い。
2004年頃はこのような標本が採取できたが、2007年頃には採りつくされて見かけなくなった。
2007年頃ネットで入手したパイロクスマンガン石。このころは、このくらいの標本がネットで入手できた。
近所にある鳳来寺山自然科学博物館に展示されている標本。田口鉱山が稼働していた時期はこのような結晶がいくらでも採取できたらしい。
この博物館には、他にも棚山のオパールとか、近辺で採取された立派な標本が展示されている。
新・きらめき鉱物・化石ガイド―愛知県版にパイロクスマンガン石のエピソードが紹介されています。
<参考購入先>
マンガン原石 鉱物は、自分で苦労を重ねて採取してこそ価値あるもの、と思っています。
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