メンテのいらないCO2溶解システム

 CO2の溶解率は経済性に大きく影響する。CO2ストーンパレングラスから出た泡は溶けずに水面まで到達してしまうものが多い。これらはすべてムダ。そこでこのような器具を使わずに、高効率で溶解する仕組みを考えてみた。

 

排水パイプにジョイントを挿して作ったCO2溶解システム

 写真は新しく考案した仕組み。排水パイプの一番端っこの穴を4.8mmのキリで拡張し、ジョイントを差し込んだだけのものだ。水の方向は、左から右、すなわち、ジョイントを差した側が入り口になる。排水パイプのエンドキャップは外しておく。

 理屈はこうだ。ジョイントを差した部分は、断面積が減って流速が増大する。ここにCO2を送り込むことで効率よく溶解される。溶けきれずに残った泡は高速の水流により細かく破砕され、長い排水パイプの中を通るため、ここでも溶解が進む。

 それと、この構成では水が逆流しにくい。ジョイントを差し込んだ部分でエゼクターが構成され、断面積が急激に拡張するところで負圧になるためだ。試しにジョイントにホースを接続して、他端を空気中に置くと、空気を吸い込んでくる。これは配管に内圧がかからず、破裂等の心配がないばかりか、ボトルに逆流し難いことを意味している。

 この溶解システムのメリットをまとめると次のようになる

 

・CO2の溶解率が高く、経済的。従来より送り込む量が少なくて済み、ボンベの消費も減る。
・CO2を供給するノズルの目詰まりが起こりにくい。
・配管に内圧がかからないため、ホースが外れるようなトラブルが少ない。また、基本的に負圧になることから、濾過器が作動している限り逆流のトラブルがなく、以前ご紹介した発酵式CO2添加装置で使いやすい。
 (注意:濾過器をストップさせると水が逆流しやすいので逆止弁は必ず付けてください。ボトルの水面は絶対に排水パイプの位置より低くなるようにしてください)
・安く作れる。材料はジョイント1コだけであり、CO2ストーンやパレングラスより圧倒的に安い。

 

 これと似たシステムにディフューザーがある。これもエゼクターの一種で、もともとエアレーションのためのアクセサリだが、CO2溶解にも当然使える。ディフューザーでは外気を効率よく吸い込むため大きな負圧を作り、水の速度も高くなることから、上に紹介したものよりさらに溶解率が高いシステムができあがる。しかし、排水抵抗が増え、水流が激しくなりすぎることが欠点だ。

 

<参考購入先>
CO2溶解ボンベ、セット ずいぶん安くなりました。ボンベはまとめ買いがお得です
CO2レギュレーター スピードコントローラーだけでは安定しません。レギュレータ付き(出来れば圧力計付)を買ってください
ディフューザー
電動ドライバー 穴あけ工具。長く使えるもの、1台あると便利です

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