大馬力ターボやスポーツカーのオーナーには「スポーツタイヤを履かないとクルマの性能を発揮できない」と思って高価なハイグリップタイヤを選ぶ人がいる。しかし公道では、それはとんでもなく無意味なことかもしれない。
スポーツタイヤのメリット、デメリット
スポーツタイヤ(ハイグリップタイヤ)のメリット、デメリットは次がある。
メリット
・コーナリング限界が高い
・制動距離が短い
・速いスタートダッシュを切れる
デメリット
・値段が高い
・減りが早い(長く使えない)
・加速が悪い(馬力を食われる)
・燃費が悪い(転がり抵抗が大きい)
・ボディや足回りに負担がかかる
ワイドなスポーツタイヤは、見た目は格好いいが、転がり抵抗が大きい。転がり抵抗にパワーを喰われて加速や燃費が悪くなる。
グリップが高いと、急加速、急ブレーキが出来る。レースを真似てそのような運転を繰り返すと、足回りやボディに負担がかかり、クルマが早く「ヤレ」る。
以上から、グリップが多くのデメリットに繋ることがわかる。タイヤを選ぶときは、クルマの使い方に合ったものを選ぶのが正解だ。
スポーツカーのタイヤの選び
クルマに付いて来る新車タイヤは様々。タイヤを履きかえる際は、以下を参考にして欲しい。
a.パワーに対し足回りが勝っているケース
ほとんどの市販車がこれに該当する。スポーツカーではパワーに応じたタイヤが設定されていて、少々元気に走っても簡単にグリップが失われない。
この場合、あえてよりグリップの低いタイヤを履く選択がある。アクセル操作で意図的に空転できると走っていて楽しい。限界が下がっているので、スピードを控えて安全運転に努めてほしい。
b.パワーに対し足回りが負けているケース
1800ccのロードスターでは、足回りがパワーに負けている。この場合、ギアを間違えると後輪が空転して怖い思いをすることがある。
この場合、よりハイグリップなタイヤに履き替えるのが正解だ。
c.パワーに対し足回りが勝ちすぎているケース
200馬力前後しかないのに17インチの扁平タイヤを履いているクルマがある。この場合ハイグリップタイヤは明らかに無駄。タイヤ交換の際、転がり抵抗の低いエコタイヤに履き替えると良い。
タイヤの扁平率と幅に注意!(2019/2/16)
扁平率は60(ロクマル)→55→50→45→30・・というように表され、単位は%。この数字が小さいほど薄いタイヤになる。
スポーツタイプのクルマには60以下が奨励されることが多い。これは扁平率が小さいほどタイヤの剛性が高く、クルマの応答が鋭くなる為。しかし同時に、路面の凹凸を良く拾い、突き上げが強く伝わるようになる。
当館の経験[1]によると、応答と乗り心地がバランスするベストな扁平率は55サイズである。
タイヤの幅にも注意が要る。これは扁平率とも関連するが、225/45 タイヤは路面の凹凸や轍にハンドルを取られやすく走りにくい。これは205/50 に換装して改善した[2]ので、これが一つの基準になる。
つまり、スポーツカーのタイヤは幅205以下、扁平率は55がベストである。
最後に
サーキットでタイムを競う場合、ハイグリップタイヤを選ぶ意味は十分ある。しかし公道では制限速度を守り前のクルマに続いて走るところ。
公道では、コーナリング限界を高めたり、スタートダッシュを急ぐ必要はない。
制動距離はどうか。制動距離を短くしたければ、スピードを出さないことだ。雨天時の高速安定性はどうか。雨が降ったらスピードを控えて走るのが普通だ。
結局、公道しか走らない人にとって、ハイグリップタイヤを選ぶメリットはほとんどない。
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