インプレッサにはいくつかのグレードがあり、カタログ上のパワーや価格に大きな開きがある。そこで以前作った実際のパワーフィールを推定する計算式を使ってインプレッサのパワーフィールを分析してみた。
計算式や前提条件は関連記事1を参考。以後、STiでないWRXを「WRX」,WRXのSTiバージョンを「STi」と呼ぶ。インプレッサの場合、5MTと6MTの総減速比が整合しないので、0.5Secの発進加速の評価には1速ギアを用いた。この結果が次のグラフである。
STiとS204の出足は遅い
グラフには比較のためにランエボやスカイラインを加えてある。
GT-R、STi、S204、ランサーEVOなどの出足が鈍い。2500r/min以下でヴィッツにも劣るので、普通のクラッチワークでは、やはりヴィッツや軽のオバチャンなどにも置いて行かれるだろう。
この原因は、低回転トルクが細いのと、車重が重い為。特にSTi,S204のエンジン圧縮比は8.0と低いため、ターボが効かない低回転ではトルクが細い。
インプレッサのSTiよりWRXの方が出足が良いのは、最高出力を押さえて圧縮比を9まで上げていること、車重が100kg 軽いことが関係している。
次に、ターボが十分効いた状態を見てみよう。
ターボが十分効いた状態ではランエボ、STiとS204の暴力的な加速が目立つ。一般道では過剰スペックだが、レースでは強さを発揮するに違いない。
ランエボとSTiが良く比較されるが、両者のカーブはほぼ重なっており出足以外は実質同等とみられる。
インプレッサはただのWRXがお勧め
多くの人がSTiに目が行く。WRXと100kg違うことを知っても、それがどう影響するかわからない。結局、絶対的なパワーと、豪華な装備に目が行ってSTiを買ってしまう人が多いのではないだろうか。
私のお薦めはただのWRX。レースに出ればSTiの方が速いが、公道はタイムを競う場ではない。車重が軽くて低速トルクが太いWRXの方が、出足が速い上パワフルに感じるはず。
クルマの軽量化ほど難しいものはない。WRXがし100kg軽いことは、どんな装備やパーツよりも価値あるスペックだ[2]。
WRXが5MTということもポイント高い。公道でクロスギアの6MTはシフトチェンジがせわしいうえ、5MTに比べて入りがシブい。いくら多段でもシフトフィールに引っかかりがあると、楽しさが半減してしまう。
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