食材をカットするのに欠かせないまな板。しかし実際使ってみるといろいろ「不便」がある。いくつかの商品を買ってみた結果をもとに、まな板を選ぶコツをご紹介したい。
まな板の課題
使ってみて不便な点に次がある。
1.色がついて汚くなる
2.カットした食材を鍋に入れるときこぼれる
3.カットスペースが足りない
1,2はまな板の素材で改善する。3は複数のまな板を運用することで改善できる。この場合、サイズが重要になる。以下にご説明する。
選び方のポイント
サイズ
まな板を2枚運用できると効率が劇的にあがる。問題は2枚目を置くスペースの確保。そこでまず、システムキッチンのカウンターに左右、上下どちらにも2枚並べることが可能なサイズを選ぶことが重要になる。長手方向の最大サイズは食洗器で決まる。
2枚置けて、食洗器に入る最大サイズは、40cm×25cm。
長手方向の最大サイズは機種によって違う可能性があるので、お使いの食洗器をよく調べて欲しい。
写真はシステムキッチンのカウンターにまな板を並べてみた様子。まな板を2枚置けると、狭い調理スペースを最大限活用できる。小さいまな板は調理スペースを無駄にする。これは少量だけカットした食材を、どこか別の場所に置く。そんな使い方を想定したい。
縦置きは使いづらい。高さが狭くても横置きで2枚上下に置けることが重要。
この食洗器はパナソニック。最大40cmまで入る。
材質
ポリエチレン、エクストラマーなどは使ううちに色が染みついて汚くなる。ハイターを使っても取れない。汚れは衛生上あまり関係ないが、気になる人は耐汚染加工した商品を選ぶといい。
写真一番右は、レック KK-217。表面に汚染に強いTPX樹脂を使った2層構造になっている。実際使ってみた結果は確かに汚れない。
食洗器で洗う場合は耐熱温度が問題になるが、問題になるような商品はほとんどない。
厚み・硬さ
重量と厚みのあるまな板はカット時の使用感がいい。しかし、カットしたものをまとめて鍋に入れる作業がやりにくい。ここは曲がる商品に勝るものはない。一度使ってみると、その便利さを実感できる。
薄いまな板は軽く収納スペースを取らない。複数の同時運用がしやすくなる。ここは使用感より機能を優先して薄い商品を選ぶのが正解だと思う。
抗菌加工
意味のない付加機能。きちんと洗えって乾かせば、抗菌であろうがなかろうが関係ない。食洗器に放り込んで終わりなら、なおさら。抗菌は気休め。これに注目する必要は無いものと考えたい。
包丁の切れ味に対する影響
包丁が切れなくなる原因にまな板が関係しているという。樹脂より木の方が刃に優しく切れ味が長持ちするとか。このような記事の多くは自分で検証せず世間の噂をそのまま書いたか他人のコピー。樹脂の方が刃に優しいという資料もある[1]。機会があれば検証してみたい。
結論~お勧めはこれ!
現在のお勧めは、レック KK-217。汚染防止機能は確かに有効。曲がるので使い勝手もいい。
Lサイズ(36cm×24cm)とSサイズ(30cm×20cm)がある。Lサイズはメインで使うのにちょうどよいし、Sサイズは少量カットに便利。運用のお勧めは、Lサイズ2枚、Sサイズ1枚。これだけあれば、毎日の調理が快適になるはずだ。
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<参考文献>
1.『包丁の切れ味に関する研究』を読む