電気ポットのお湯だけ飲んでみると、実にまずい。ポットが新品の時がいちばん酷いが、その後もあまり変わらない。これで作ったお茶やコーヒーが美味しいはずがない。そこで今回は、この問題の改善に取り組む。
コーヒーや紅茶の基本ルーチン
私はコーヒーや紅茶が好きで味にもこだわるが、面倒はイヤなのでドリップパックを使う。その基本ルーチンは次の通りである。
①ポットからコップにお湯をそそぐ(約70℃になる)
②レンジで沸騰させる(100℃)
③ドリップする(85~90℃)
夏はこれに氷を落として温度を下げる。なまぬるい美味しいコーヒーが出来る。
コーヒーや紅茶の味は温度で大きく違ってくる。お湯が空気やコップに触れると温度が下がるので、これを計算に入れて上のルーチンになった。
ところが、使う水についてはこれまでノーマークだった。コーヒーやお茶の味は、パックの中身のほか「水」と「温度」で決まる。ここを改善すれば、安いドリップパックの味を100%引き出せるに違いない。
そもそも水から②をやればポットの臭い問題は起こらない。しかし水からだと沸騰に時間がかかり、待っていられない。せっかちな性格は治らんので、ポットのお湯を使うことを前提に、今回の方法を提案したい。
ちなみに、ドリップパックはアマゾンで100袋入り2000円くらいものを買っている。
ポットのお湯がまずいのはなぜか
ポットに水を入れて温度をあげると、ポットの部品から微量の化学物質が溶けだす。これは、フッ素コートや、パッキンなどのゴムが原因と見られる。パッキンをフッ素樹脂にして中をステンレス直貼りにすれば何も溶け出さないが、ポットが極めて高価な代物になる。
対策
写真のような金属のカプセルこし器に活性炭を入れ、これをポットに放り込んでおく。写真は100mmの商品だが75㎜でも良い。
活性炭は消耗品なのでコストを抑える。写真の活性炭は100均で買える水槽用のもの。気になるなら人間様用だが、活性炭は単なる炭素の塊なのでどれも同じと見られる。最も安いものを買えばよい。
最初細かい粉が出るので、こし器に入れたら振りながら水洗いする。新品のこし器には製造時の加工油などが残っているので、鍋などで一度煮るといい。
インストールしている様子。100mmのこし器が入る。鎖ごと沈めておく。
結果
使い始めると最初カプセルこし器の臭い(加工油の臭い)がするが、次第に木質に由来するような違う匂いになる。これは活性炭の残留物。ここはやはり、人間様用の活性炭を使うのが無難。
ポットのお湯が美味しくなる、というよりは、カルキ臭がなくなって別のなにかに変わる。少なくとも以前よりはいい。今までと一味違う、お茶やコーヒーが楽しめる。
運用
活性炭の寿命は、基本的に量にポットのお湯の量と、活性炭の量に関係する。時々お湯だけ味見して、効果がなくなってきたところが寿命。活性炭を入れても味が改善しない場合は量が少なすぎる。これについて今後検証していきたい。
それと、この技は冷蔵庫の製氷で使う水タンクや、オイルポットにも応用できる。油の品質劣化の主な要因は細かい粒子なので、フィルターの付いた2段式のオイルポットを買ってフィルターのところにキッチンペーパーを使えば油が新品同様になる。活性炭が油に対してどの程度効果があるか、疑問である。
<参考購入先>
カプセルこし器
活性炭
アマゾンで100袋入り2000円くらいのドリップパック
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