私たちが求めるローンは「月々返済額」「総利息+諸経費※」を同時に小さくできる商品。これは5年目10年目に金利が変わることを考慮してシミュレーションしないと見えない。これをやった結果、住宅ローンの真の姿が見えてきたのでご紹介したい。
※諸経費=事務手数料+保証料+団信+一括完済手数料+繰上返済手数料×予定回数(+疾病特約料)。一般に「保証料0」のところは高額な事務手数料を設定していることが多い。
住宅ローンの計算ワークシート
当初金利と、5年面、10年目の金利を入力して支払総額と月々返済額を知ることができるエクセルの計算ワークシートを作った(本記事の最後のリンクからダウンロードできます)。
これを使うと契約を検討している住宅ローンの真の姿を読み取ることができる。以下にいくつかの例をご紹介する。
フラット35より10年固定が有利
シミュレーションしてわかったことは、フラット35などの長期固定よりも10年固定で借りた方が得になる可能性が高いこと。
元利均等返済の場合、最初の頃支払うお金の約50%が利息になるから、残金の大きい最初にできるだけ安い金利で借りることが重要になる。
とはいえ、10年固定で借りると10年以降の金利が気になると思う。しかし大抵は返済に35年もかけず退職金で一括完済するのではないか。
すると、金利が心配といっても残りの支払期間は残り約10年ちょっと(退職まで)になるし、金利がかかる残金も当初より少ない(金利はあくまで「支払残金」に対してかかるため)。
そのため、10年後にたとえ金利が2倍になったとしても、退職までに支払う総利息は35年固定よりも少なくて済む。月々の支払いも、さほど増えないことに注目したい。
繰り上げ返済の威力
だいたい3000万円を借りて20年で返すと1000万円の利息を支払うことになる。これを減らす為に非常に有効な手段が「繰上返済」。
特に最初のころの100万円の繰り上げ返済は、200万円の返済にほぼ等しい。繰り上げ返済の威力は、上で紹介したワークシートを使ってシミュレーションすることで実感できる。
ローンを組む際の注意点
その他、ローンを組む際の注意点を以下に挙げておく。
1.保証料、諸経費の支払いを、「一括」「金利上乗せ」のいずれか選択できる場合は後者にする。
退職金をもらった20年で完済するケースでは、後者の方が得(計算で確認ください)。
2.繰上返済は期間短縮より月々の返済額を減らす形にしたほうが良い(返済不能になるリスクを減らすのが優先)。
3.妻の収入、ボーナスの併用は極力最小にし、余ったら繰上返済に充てる。
4.火災保険やローンは大手ではなく地元密着形の地銀や共済と契約する[1]。
個人は高コストの大手を避けるのがセオリー。例えば住宅ローンを組むと火災保険に入らなければならないが、共済の場合、年間2万円の掛け金で割戻しもあるため毎年1.6~1.7万円で済んでいる(木造で)。
私は結局10年で完済(2018年8月追記)
私の場合、地銀から変動金利で3000万円借りて9年で半分返し、残り半分を10年目に完済できた。なぜそんなことができたのか。それは父親が死んで土地を相続し、それが売れたおかげ。
これは当初予想してなかったことだったが、長年ローンを返している間に両親のどちからかが亡くなってしまうことはありうる話。
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