買ってはいけない!~アイリスの欠陥商品「ウッディロッカー」

 アイリス ウッディロッカーWDL-1500WV。写真は2018年5月、組み立て直後の様子。デザイン、収納、機能的に優れたロッカーだが、決定的にダメなところがある。メーカーが適切な対応をしないので、やむを得ずこの記事を書いた。

ウッディロッカー外観

 

問題点

 下は10月の様子。下の方がひどく変形している。1シーズン(ひと夏)でこの有様。こうなると著しく開閉しにくい。シルバーの塗装は亜鉛メッキ塗料。紫外線による表面の劣化を防ぐため[1]

変形したウッディロッカーのシャッター

変形したウッディロッカーのシャッター

 

原因

 シャッターの素材は何かと思ったら塩化ビニール樹脂。60℃くらいから軟化してしまう。夏場の日中、日が当たれば容易にその温度に達する。これは明らかに「屋外で使えない」商品。

 なぜ下だけ変形するのか。このシャッターは閉じた時、下の板にシャッター全体の荷重がかかる。写真のように少しだけ隙間を開けて手を離すと自然に落ちていくので、下の端が接地すれば一番下の板にシャッター全体の荷重がかかる。

ウッディロッカーのシャッター下端

 つまりこの問題は、荷重がかかった状態のところへ熱が加わることで起こる。対策は、「熱に強い材料に変える」か、「荷重がかからないようにする」ことしかない。

 そもそも、屋外の使用環境でもたない材料を使っていることが問題。これは設計不良であり、同じ材料で作られた商品はすべて「欠陥商品」になる。

 

欠陥のツケはお客様に

 変形したところでメーカに相談している。1回目は一番下の1枚だけ交換(シャッターは3枚繋ぐ形になっている)、2回目はシャッター3枚全部交換の対応になった。ところが、症状に変化なし。3回目の対応を求めたら、こういう返事が返ってきた。

>今回の状況でございますが、夏の暑さでの変形と考えております。
>軒下・直射日光は当たらないとのことですが、状況から考えましても、
>ご使用環境などでの変形かと存じます。

 部品番号を案内され、変えたかったら自分でお金を払えという。同じものを買っても同じ結果になるので意味がない。

 状況を詳しく説明し、変形した材料を送り返しているのに対策しない。改善に取り組むつもりはあるのか、と聞いたら「ない」という返事だった(2019/11/19)。アイリスのこの手の商品は避ける。これが私の行動指針に加わった。

 写真は2020年8月、3回目の問題が発生した様子。

変形したウッディロッカーのシャッター

 

 

対策

 メーカーが対策しないなら、こちらで対処するしかない。対策の2番目「荷重がかからないようにする」をやってみる。

 方法は、カウンターウェイトを吊り下げる形になる。写真はシャッター上端にウエイト用の紐(ロープ)を結び付けた様子。

カウンターウェイトのロープを接続した様子

 下は紐の端に吊り下げられたカウンターウェイト。パイン集成材の切れ端(350×200×20)を結んである。斜めに吊り下げたのは下降するときの引っ掛かりを防ぐため。先端だけ面取りしてある。ロッカーの背面には途中段差がある。写真のように、先端がここより下になるよう設置すると良い。

吊っているカウンタウェイトの様子

 摩擦が効くので、重さは適当でいい。要は、下をちょっと開けた状態のとき、自然に落ちていかないようにできればOK。紐や錘をステンレスや石に代替できるが、周辺の傷つきやスペースを考えると今回の素材がベスト。

 

運用の工夫

 シャッターさえちゃんと機能すればいい商品。

 標準だと棚板が少ないので追加した。スチール棚という商品が別売りされている。台風などによる転倒防止にLフックボルトを使用。背の高いロッカーなので、何らかの形で固定しておきたい。

ウッディロッカー固定部

 

<参考購入先>
アイリス ウッディロッカーWDL-1500WV
スチール棚
いろいろあります。適当なものを使ってください
Lフックボルト 風の転倒対策に何か必要です

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