テトラ コントラコロラインを作る

 カルキぬき(塩素の中和剤)はアクアリストの必需品。コントラコロラインという商品が有名だ。ヨウ素(ヨードチンキ)の色が消える結果から、この中身はチオ硫酸ナトリウム(通称ハイポ)を青色で着色したものと見て間違いない。

 

haipoコントラは市販のハイポ(写真)で代用できる。写真の商品は非常に安価(30g 80円程度)で、使う量も微量だから30gもあればかなり長く使える。商品説明によると60リットルで5~6粒とあるが、これだとハイポの濃度が13ppm前後になって後述する実際に必要な量の10倍に相当する。水道に含まれる塩素は地域や季節によって違うといっても、かなり安全目の量といえる。

 しかしこのハイポ、いくら経済的とはいってもコントラに比べると使いにくい。5~6粒といっても粒の大きさがマチマチで量の調整が難しいし、保存に注意しないと湿気を吸って固まってしまう。
 30年位前はプラスチックの丸いケースに沢山入れた形で売られていて、あまり使わないうちに湿気で固まらせてしまった覚えがある。

 そんなわけで初心者にはやはり量の調整がしやすいコントラが良いのではないだろうか。コントラを初めてみたときは「便利なものが出たな」と思った。

 

 コントラで問題に思えるのは価格だが、最近かなりこなれてきた。500mlで400円を切れば買ってもよい値段ではないだろうか。

 

自家製コントラコロラインの作り方

 

 ハイポを水に溶かすだけで自家製のコントラコロラインが製造できる。問題は、どのくらいの量を溶かすかだが、それは次のようにして計算できる。

必要なハイポの重量をx(g)とすると、

x = Q × α × c (g)

 ここで、Q:作る中和液の容積(L) α:希釈倍率 c:塩素の中和に必要なハイポの重量(g/L)だ。
 Qは保存する容器の容量で決める。例えばコントラの容器(500ml)を再利用するなら0.5(L)とする。cは水道水の塩素濃度を 1.0ppm とすると、1.19ppm(1.19×10-3 g/L)となることが知られている[1]
 上の式をハイポ結晶の平均重量mで割れば、入れるべきハイポの個数Nが求まる。mは上の写真の商品に入っている結晶粒を精密に測定したところ、0.137g~0.185gの範囲でばらついており、平均は0.138gだった。

(計算例)
 希釈倍率 = 5,000(10Lに対して2ml)
 希釈液の量 = 0.5(L)
 とすると、

 x = 0.5 × 5,000 × 1.19×10-3 = 2.98 (g)

溶かし込むハイポの個数Nは、

 N = x/m = 2.98/0.138 = 21.6 (個)

つまり、500mlの水に22個程度のハイポの結晶を溶かせば完成だ。

karuki このようにして作った中和液を用いて、実際に中和実験した結果が左の写真である。左が水道水、右がこれを中和したものである。塩素の検出には、DPD試薬を使っており、塩素に反応するとピンク色に着色する。

 




 上の希釈倍率が濃すぎて使いにくいと思う人は、上の式を参考に好きな希釈倍率のものを作るといい。

 上記の目安は塩素含有量を 1.0ppmとした場合の計算値です。水道水に含まれる塩素濃度は、季節や地域により変わり完全に中和できない場合があります。私のところでは春先になってから上記の量では完全中和できませんでした。実際にご使用される場合は、DPD試薬などを用いて、投入量が適当かどうか、確認をしてください。

 そのほか、中和液が無色透明だと黄色いキャップの裏を利用した計量がしにくいので、メチレンブルーを入れて少し着色しておくと使いやすくなる。
 ハイポを溶かす希釈液は、わざわざ汲み置きをしなくても、水道水をそのまま使えばよい。水道水には若干の塩素が含まれているが、投入するハイポの量が圧倒的に多いので無視できる。

 

<参考購入先>
チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)500g 沢山入ったお買い得商品。湿気で固まりやすいので保管に注意。
塩素チェッカー DPD試薬の使いやすい液体版。
メチレンブルー一覧

<参考文献>
1.処理対象物1(kg)に対するチオ硫酸ソーダの必要理論量(kg)大東化学株式会社

(2017/1/15 更新)
水道水1ppmの中和に必要なハイポの量を文献を参考に修正しました。