はじめに~マイホームの購入の罠

住宅メーカのコピーやセールストークには、疑問なものがある。例えば、「木は鉄よりも強い」「資産価値の高い住まい」「ロングライフ住宅」などがそうだ。木が鉄よりも強いといというのはウソで、そう言えるのは「比強度」で比較した場合だけである。資産価値が高いというのなら、数字で他社と比較すべきだろう。ロングライフも、高額な維持費用と引き替えでは意味が無い。

 「ウチは、地震に強いんですよ」これも良く聞かれるセールストークだ。最近地震の被害が相次いだせいか、どのメーカも、地震のことを強調している。しかし、今時の住宅は、地震に強いことは、もう当たり前のことだ。別のところをアピールしてもらいたい。
 私はこれまで、いろんな人と話をしてきたが、ハウスメーカの若い営業は、全く相手にならなかった。彼らは、自分で得た知識ではなく、教育されたことを喋るだけである。

 住宅は高額な商品だが、技術的に最も遅れている分野の一つだ。自動車業界における現在の物作りのレベルと比べると、まるで原始時代のようである。私は多くの設計事務所を訪ねたが、「建築家」と呼ばれる人々はプランニングが得意なだけで、工学的知識には疎いようだ。一方、ハウスメーカは新しい工法を開発したといいながら、ほとんどが作りっぱなしで測定・検証をしていない。

 建設現場では「施工品質」が重要になるが、私が家を建てて感じたのは、住宅の建設に関係するすべての業者にこれを求めることは困難なことだ。業者の多くは長年同じ作業を繰り返すうちに仕事がマンネリ化してしまい、施工図を無視して雑な作業をする※ことがある。そのため、建てた後で様々な問題が顕在化してくるのである。

※ 近年向上してきた気密、断熱、換気性能にかかわる施工がダメででは元も子もない。サッシ枠の取付精度が悪い(隙間風の原因に)、せっかく発泡ウレタンしたのに配線配管で無造作に穴をあけられてしまう、換気口の取付けがねじの立たない石膏ボードに差しただけ、換気口とパイプダクトの接続が隙間だらけ、など枚挙にいとまがない。

 ネット上を検索すると多くの個人サイトから住宅に関する情報が発信されているが、工学的知識を伴わない素人の意見は参考にならない。気密、断熱、換気について考えるためには、建築以外の幅広い知識が必要だが、ハウスメーカでも知識不足のようだ。そこで、創造の館独自の視点から住宅に関する問題を考えていきたい。

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