MP3でハイレゾを越える究極のデジタルサウンドを楽しむ

 以前、パソコンを音楽ソフトの再生に使いデジタルアンプに繋ぐ環境をこちらで紹介した。foobarというソフトを使うとピュアダイレクト出力が出来、素晴らしいデジタルサウンドが聴ける。でも音楽を聴くためにいちいちパソコンを起動するは面倒だ。そこで、MP3プレイヤーで代替しようと考えてみたが簡単にいかない。このことは以前も課題だったが現在も改善されていないようだ。

 デジタルアンプ(TA-F501)への接続は光デジタルかコアキシャルなのだが、ほとんどのMP3プレイヤー、AVプレイヤーがこれと接続できない※。MP3プレイヤーの出力はアナログのヘッドホン端子でオシマイ、ほとんどがそんな設計なのである。一応、COWONがデジタル出力に対応していたが、肝心のケーブルがオプションで入手難になっている。あとはとても高価な機種(AK240など)しかない。

※光デジタルの部分はオンキョーのネットワークレシーバ(TX-8050)を使って無線LANにすることもできるが、これも結局プレイヤー側に出力手段がないので状況は改善されない。無線レシーバを使って
 iPhone→無線→DS-A5(ONKYO)→光→TA-F501
で一応繋ぐことはできるが、途中で変換が入るのでピュア伝送のメリットがない。結局現在も今までどおり
 パソコン(foobar)→光→TA-F501
しかなさそう。ノートパソコンなど光デジタルが無い場合は
 ノート(foobar)→USB→SB-DM-PHDR2→光→TA-F501
でいける。我が家ではSB-DM-PHDR2の旧製品を使っているが、各種入出力がつきオーディオテストにも使える優れものだ。

 

 音楽の再生はMP3(192kbps)が実用上ベストである。音楽を楽しむことが目的のリスナーにとってMP3とハイレゾ音源との微妙な違いは「どうでもいいこと」に違いない。「マスタリングが違うんだ」といっても多くの人は変わらないと判断するだろう。音楽を楽しむことに対する音質の寄与度は低い。大半の消費者はラジカセとスリ切れたテープの組み合わせで再生される「お魚天国」や「およげたいやきくん」でも十分なのである。

 

 「ハイレゾ対応」をどう評価するか。私は電子レンジの役に立たない調理メニューが一つ追加されたくらいに考えておくのが丁度良いように思う。新しく買う機器にハイレゾが付いてくるのは仕方ないが、ハイレゾ目当てにわざわざ機器を買うことは考えられない。ほとんど聞き分けられない微かな違いにお金を出すのはマニアくらいだ。興味を持った人でも容量の大きさから来る利便の悪さに気付けば二度と利用しなくなるに違いない。
 ハイレゾ音源に対してMP3(192kbps)のサイズは1/20以下。誰だって同じメモリにできるだけ沢山の音楽を入れて持ち歩きたいはずだ。つまりハイレゾは4K同様、お金に結びつかない商売ネタなのである。

 音(満足)に関係する部分は第一にスピーカ(ヘッドホン)、第二にアンプなのは昔から変わらない。MP3とハイレゾの違いは、スピーカの影響に比べれば無視できるものだ。アンプはデジタルアンプのブレイクスルーが大きかったが、それはソースを無劣化(無変換)で送った場合の話だ。途中で変換が入ると大幅に音質が落ちる。このことはデジタルの良さ生かすためにとても重要な部分だが、こういう部分はいつまでたっても改善されない。低能率スピーカーでは微細な情報が摩擦熱で消えてしまう。能率が90dBにも満たないハイレゾ対応スピーカーは、あってはならない商品だろう。
 上述の方法でMP3をダイレクトにデジタルアンプに送り込み、高能率ホーンSPで鳴らした音は最高だ。中途半端なハイレゾ再生機器など吹き飛んでしまうだろう。

 世間ではハイレゾが持てはやされているが、CD登場初期の「デジタル対応」を想起させる。これも結局、オーディオ業界に新たな需要を生み出すための「ネタ」にすぎないのだが、消費者を騙すことになりかねないネタは感心しない。劣化の少ないデジタル変換や、スピーカの高能率化など、まっとうな方向で「ネタ」を生み出してもらいたい。

 

<2015/10 お勧めセット>
MP3からの再生で究極のデジタルサウンドを楽しめます。
DENONのデジタルアンプ シンプル&黒い筐体で目立たないデザインに好感が持てます。理想に近い商品
Marantz M-CRシリーズ ネットワーク対応ならこれ1択。LGなどのスマートテレビと組み合わせて再生するとgoodです
JBL JRXシリーズ JRX115の後継機。能率99dB、値段も安く手軽に高能率スピーカの良さを実感できる
エレクトロボイスのスピーカー サイキョーを連呼する某サイトの主人お勧めのスピーカー。能率99dBのSX300は高能率SPの定番
YSTサブウーファ一覧 高能率SPの低音補強にYST式サブウーファがベスト。25cmウーファを積むNS-SW300 がお勧め

<参考購入先>
デジタルアンプ一覧
オーディオレシーバ 音楽を無線で受けて光デジタル出力するレシーバ
TX-8050 こちらは無線レシーバにアンプを付けたもの
SB-DM-PHDR2 音楽をUSBで受けて光デジタル出力するサウンドデバイス。クリエイティブ製がお勧めです
UDA-1 USB接続できるアンプ。ASIOドライバでアンプまで無劣化伝送できる部分は合格ですが肝心のアンプがデジタルではありません

 <関連記事>
ピュアオーディオの将来2
PCオーディオ再生の問題点

 

MP3でハイレゾを越える究極のデジタルサウンドを楽しむ」への6件のフィードバック

  1.  ご存知の方も多く、今更感満点とは思いますが、今後ここの内容を実践しようとする方のために、ソフト関係の情報も若干補足しておきます。

     音楽管理ソフトやCD/DVD/BDライティングツールなどにもMP3エンコーダは組み込まれていることが多いですが、明示されている場合を除いて、どんなエンコーダのどのバージョンが使われているかわからないことが多いですね。
    192kbps以上のビットレートを確保しておけば、そうそう問題になることはないと思いますが、せっかく高品位なものが使えるのなら、MP3エンコーダもよいのを使っておきましょうというハナシです。

     オススメは現在も開発が続けられている、フリーソフトのLAMEエンコーダです。公式サイトではソース配布のみで、各OS上で動くバイナリは別サイト(rarewares等)で配布されています。
    CDリッパーとして定評のあるExactAudioCopyやCDex、またfoobar2000等と連携させてCDやファイルからのMP3変換が簡単にできます。

    変換時のオプションは色々指定できますが、開発や検証に参加するのでなければ、最もチューニングがツメられているプリセットオプションを、目的ファイルサイズ等に合わせて使用すればよいでしょう。十分理解しないままヘタに弄ると、むしろ最適設定から外れるリスクがあります。ちなみに、個人的によく使うのは下の2つです。
    -b 192 (= –preset cbr 192)(固定bitrate/192kbps・通常使用)
    -V 0 (= –preset (fast) extreme)(可変bitrate/サイズ大・お気に入り用)
    ※-V0は自分的なマージンを大きくとっているだけで、実施した範囲において、聴感上DBTで有意差を出せたことはありません。

    入手先なども含めて、下記のサイトやそのリンク先の情報が役立つでしょう。
    「MP3はLAMEでエンコして、コマンドラインオプションを語れ!」
    ※リンクアドレスが貼れませんので、検索してください。

     なお、MP3デコーダに関しては、古いソフトに存在したようなバグを含んだものでない限り、音質差は出ませんので気にする必要はありません。

    返信
  2.  大容量デジタルプレーヤをストレージ代わりに使った、PCレス再生環境を当方もかつて検討しておりましたが、HDD系は先日のiPOD Classic販売終了により絶滅し、メモリ系プレーヤの大容量化があまり進まないので、今後も実現は望み薄ですね。

    もっとも、メモリ系も最近は「ハイレゾ対応」とやらで、大容量化がまた少しずつ進んでいるようですが、「ハイレゾ」が高価格販売のための方便でしかない現状、わざわざ買いたい機種もありません。
    ブラインドテストにより、一般的な2chステレオ再生において、ハイレゾ音源といわゆる「CDフォーマット(16bit/44.1kHz/LPCM)」が有意に判別できるという、信頼できる学術・技術的報告がなされたら、認識を改めるのもやぶさかではありませんが、ハイレゾ音源が語られ出したのは何年も前からなのに、未だそのような報告がなされてないということは、その程度のシロモノだと考えています(録音における有用性については認識しています)。

     別のアプローチとしては、TA-F501では難しいですが、最近はUSBポート付やLAN対応のフルデジタルアンプ(レシーバ)がありますので、それらを使う方法が新たに始める方にはオススメかなと思っています。

    一つは、メディアサーバ機能付きのNASをたてて、母艦PCの音源データのバックアップ兼ミュージックサーバをやらせ、ネットワーク対応レシーバで受ける方法で、LANでつながっていれば、複数の部屋で音源を共有できて便利です。ちなみに、母艦PCのfoobar2000にミュージックサーバをさせるテもあり、この場合「PCレス」にはなりませんが、fb2kのプレイリストをレシーバー側から利用可能という、別の便利さがあります(cue+ape/takなどの通常ではストリーム再生できないものも、fb2kがデコードして送信してくれる)。
    NASをたてたり、ネットワーク設定が面倒・不安という場合は、外付け(or ポータブル)HDDに母艦PCの音源フォルダを丸ごとコピーし、レシーバのUSBポートに直結してやればよいでしょう。

    現行機種なら、個人的にイチオシはネットラジオ、Wi-Fiなどにも対応し、光入力も持つmarantz M-CR610ですね。ネットワーク機能は持ってませんが、USB入力付きフルデジタルアンプとしては、KENWOOD R-K731も安価でオススメしやすいかと思います。

    返信
    1. 創造の館 管理人 投稿作成者

      ゆさんお久しぶりです。いつも有益なコメントありがとうございます。
      当方ヤマハのAVアンプとLGのテレビを使ってミュージックサーバーからストリーミングで音楽を流す実験をやりました。テレビだと選曲がやりやすくて便利(音楽再生中は画面の消費電力も落としてくれるなど良く出てきています)です。ストリーミングだとフォーマットの変換が入るようで、ピュア出力とはいかないですが、まあ、BGMとして流すには音質的にはこれで十分でしょう。
      marantz M-CR610、よさそうですね、お勧めできそうです。こういうものはあるときに買っておかないとすぐに消えてしまいますので注意したいです。

      返信
      1. 管理人さま
        こちらこそごぶさたしております。

         先の記事は、PCレス再生環境の構築方法の紹介を主眼として書いたので、NASを使った例を最初に挙げましたが、うちでは実際のところNASは使っていません。なので、市販NASのメディアサーバが、送出時に音声フォーマットを強制的に変換してしまうのかどうかは、把握できていません。ただ、市販NASを使う場合、メディアサーバの仕様・動作については、注意しておいた方がよさそうではありますね。

        一方、fb2k(foo_upnp)の場合、送出方法の設定ができ、少なくともwav、MP3、AAC、WMA、m4aについては、余計な変換せずに送出できたと思いますので、レシーバ側の対応状況にもよりますが、それらについては送出時に劣化が入ることはないと考えています。

         M-CR610は、機能の割に実売価格が手頃で、いい機械だと考えています。また、入力をアナログ2からデジタル2にして、片方を同軸入力にしたり、R-K731のようにPCからのUSBダイレクト入力にも対応したら、より魅力的になると思います。
        あと、性能・機能には関係ありませんが、天板が艶のある黒で、ホコリ汚れが目立つのは、明らかに欠点ですので、そこは改善してほしいところですね。

        返信
        1. 創造の館 管理人 投稿作成者

          foo_upnpをテストしてあっさり動きました。LGのテレビで選曲する環境でヤマハAVアンプで鳴らしていますが、結構よいですね。しかしLGからだとHDMI経由AVアンプで送られるので、ここでフォーマット変換されてしまうかもしれませんが、音はなかなかgoodです。
          M-CR610単独だと一覧性の問題から選曲がやりにくいですが、ここはiPadなどを組み合わせて改善できるのでしょうか、このあたりが改善できれば置き換えできそうですね、TA-F501に光ケーブルで接続する環境も、そろそろ古いのかもしれません。

          返信
          1.  おっしゃるとおり、M-CR610の本体表示部サイズの制約からくるビハインドは不可避なので、それをMarantzRemoteApp+iPod touch/iPhone/iPadやAndroidスマホ等でフォローさせようとしているようですね。初期の頃はアプリの速度や安定性にかなり難があったようですが、バージョンアップにより改良されつつはあるようです。
            残念ながら、当方はスマホやタブレット使いではありませんので、このアプリの現在の使用感については確認できていません。

            当方の場合、母艦PCと同じ部屋で使っており、PC→光デジタルが多いのであまり困ることはないのですが、もしLAN越しで別部屋で使うとしたら、最悪ノーパソをその部屋に持って行って、リモートデスクトップで母艦PCにアクセスし、fb2kのプレイリストを適宜編集してやるというテも考えてはいます。どんな使いでになるかは未検証ですけれど。

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