Apple iWatchで時計業界が滅ぼされる!?

ヒトの左手首には100年以上時計があったが、この領域を狙って「ウエアラブル」「スマート」と名の付く商品が多く出現したが、時計にとって代わるまでに至ってない

 iWatchは時計というよりは、ウェアラブルデバイスに近い。今まで沢山のウェアラブルデバイスが作られてきたのに、なぜAppleだけが驚異に見えるのだろう。

※:ウェアラブルなデバイスはなぜか左用が多い。人間の手首は右にもある。私には左より右を狙った方が楽に思える。

 幸いなことにiWatchには弱点がある。iPhoneとセットで使わなければ機能が半減すること。iWatchを買う人のほとんどがiPhoneユーザだとすれば、Appleの進撃はAppleユーザーにiWatchが行き渡ったところで壁に突きあたるだろう。

 

iWatchを単独で欲しいと思うか

 次の市場は、現在Apple以外のユーザーになるが、iWatchを単独で欲しいと思うだろうか。

 私はガラケーを長いこと使っている。2年縛りが解けるたびに買い替えを検討してきたが、いつも高いことを言われて諦めている。現在ガラケーに払っている料金は、月々1315円。1000円分付いてくる無料通話を使い切らないのでこれ以上払っていない。

 安いと思うかもしれないが、これにホームネットの通信料(プロバイダ、レンタルサーバー、ドメイン、ひかり電話)など全部足すと7000円を超える。私にとって通信費は1円でも下げたい項目で、何をリプレースするにせよ今より安くなることが条件。

 ホームネットを持たない人でも単純に維持費の安さでガラケーを使い続けている人は多いと思う。こういう人たちはiWatchを使うためにiPhoneに替えるような消費行動はしないだろう。

 最近「見た目はガラケー、中身はスマホ」などというワケのわからない商品(ガラホ)が出てきたが、これも同じこと。老眼の目に優しくしただけでは乗り換えが進まないことを、この商品が証明している。

 

もしAppleがシンプルな低料金端末を出したら

 可能性は低いが、もしそのようなことが起きれば状況は一変する。時計業界だけでなく端末業界まで存亡の危機に直面するかもしれない。もしAppleが本当にやったら、私も大いに関心を示すと思う。

 

網膜投射時計

 将来実用化される技術の候補がこれ。空間もしくは網膜に映像を投射※ し、それをジェスチャーで操作できるバーチャルディスプレイの実用化だ。

 これによりWatchの画面が小さいことが問題でなくなる。スマホも消滅し携帯デバイスはWatchタイプだけになるかもしれない。みんな腕に付けたデバイスを顔に向けて、空間を指でごにょごにょやっている、そんな風景が目に浮かんでくる。いずれにせよ、時計業界の未来は明るくなさそうだ。

 ※:ヒトの網膜に対する追従とアライメント確保は両目の瞳をカメラで検知し投射デバイスの向きや角度を自動調整する機構を付けることで解決できる。一定の角度以内に入った瞳を自動検知し、ほとんどブレなしで投射することも可能になるだろう。

 

<参考購入先>
iWatch
スマートウォッチ

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