Google Glassが販売中止になった。どこの誰だかわからない人にカメラとマイクを向けられて不快に思わない人はいない。公共の場でこういったSpy Glassが歓迎されることはまずない。なぜGoogleはこのようなメガネを作ったのだろう。
誰でも目にできるものを撮影して何が悪い
Googleはストリートビューを拡充させようとしている。ストリートビューは確かに便利なサービスだが、プライバシーの問題で苦情が絶えないようだ。
「誰でも目にできるものを撮影して何が悪い」というのがGoogleの主張だが、同じ映像でも自然に目に入る場合と、写真に撮ってネットに公開した場合とでは違う。
Google Glassも「撮って何が悪い」という考えの元に計画された商品なのかもしれない。
プライバシーの破壊
近所を走るGoogleカーを見たことがある。それを見て感じるのはいつも「不快感」。道路沿いに写真を撮ってネットにさらしている。
Google Glassやストリートビューを私たちが不快に思うのは、認識の問題(プライバシーに関する私たちの認識が遅れている)とGoogleは考えているようだ。既成事実を積み重ねることによって、いずれ考えが追いつき理解されると考えているのかもしれない。
度重なる批判を受け、Googleのサイトに画像削除依頼ができる問題受付窓口が設置された。しかしこれは解決になっていない。後から依頼に応じて削除する姿勢は、撮影が正当な行為だという前提がある。
本当は、写真に写っている不動産や物件の持ち主に了解を取ってからネットに公開すべきではないか。自分が知らないうちに自宅の写真を撮られて、ネットに公開されることに違和感を持つ人はいるはずだ。
Googleカーの本当の目的は情報収集
googleは完全自動運転にとても熱心だが、人間が移動するためのクルマ作りが目的ではなさそうだ。
googleが自動運転を開発する本当の目的は、カメラを積んだクルマを自動運転でたくさん走らせて、世界中の画像情報を効率よく収集する仕組みを作りあげるために違いない。
近い将来、自動運転の技術が完成すれば、沢山のGoogle自動運転カーが世界中を走り回って写真を撮りまくるだろう。Googleカーが入れない場所や施設内部は、Google Glass を付けたヒトが情報収集する。これが実現すれば、世界中のありとあらゆる画像情報を入手できる。
これからのカネは情報から生まれる。まさに情報は金なり。集めた情報(ビッグデータ)は、Googleに膨大な利益をもたらすに違いない。
誰だって見られたくないものはある~情報収集の限界
「世界中のありとあらゆるものが、ネット上で見られるようになる」
私が思うに、この試みは失敗する。誰だって見られたくないものはある。
Googleの収益は広告が主なので、一般消費者と直接接点がない(広告主が挟まる)から消費者に少々砂をかけても収益に影響しない。それをいいことに、やりたい放題し放題というのは感心しない。
お客様のプライバシーを食いものにしたビジネスが成功するとは無いと、私は考えている。
<参考購入先>
Google Glass 一応、購入できます
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