アマゾンに中華性ミニPCが沢山ある。皆似たようなスペック、似たような値段である。今回は、その選び方から、セットアップの際に遭遇するであろうトラブルと、その対処法のすべてをご紹介する。
デスクトップPCのスリープではだめか
デスクトップPCのアイドルは通常数十Wだが、スリープさせれば数ワットで運用できる。一見魅力的だが、スリープさせると厄介なことが起こる。よく直面する問題に、
起こしたい時に起きてくれない、起こしても一部サービスが無効のまま(機能しない)
がある。ネットを参考に対策を試みても苦労するばかりで完全に改善しないことが多い。この方法は潔く諦めて、低消費電力ミニPCの常時起動とするのがベストである。
スペックをどうすべきか
ミニPCに性能を求めてはいけない。この用途は、サーバーか、Youtubeなどの動画を楽しむもの、と考えたい。すると、消費電力が最も少ないIntel Alder Lake-N100プロセッサー搭載が候補。性能にこだわるとミニATXで組む場合とコストが大差なくなる。
気になる消費電力は、写真の組み合わせ(Beelink MINI-S12 Pro + ORICO 9558U3-BK)でアイドル時 ミニPC 9W前後+ハードディスクケース 3.5W(スタンバイ)=合計12.5W(実測値)。このくらいなら常時通電でも問題ないだろう。
サーバー用途ではWindows11 Pro搭載を標準としたい。Homeではリモートデスクトップができない。
誰から買うべきか
アマゾンを見ると多数のメーカーが参入している。大手は、Beelinkと、MINISFORUM。この2社の製品から選べばサポートも含め問題ないだろう。
クリーンインストールして使う
プリインストールされているのは中華版のWindowsを日本語化したもの。怪しい上、問題が起こる可能性がある。
MicrosoftのHPからインストールUSBを作って日本語版をクリーンインストールすることをお勧めする。
事前にドライバーを用意しておくと良い。
dr.Beelink
https://store.minisforum.jp/
windowsインストールではカスタムで進む。製品に付属のリカバリエリアは念のため、残しておくとよいだろう。
ネットワークの接続から先に進めなくなったら Shift+F10でコマンドプロントを立ち上げて、
oobe¥BypassNRO.cmd
と入力する。再起動後、接続をスキップできるようになる。
無事立ち上がったらデバイスマネージャーを開いてエラーが出ているドバイバーを更新する。検索の指定場所は上記用意した場所を指定する。
Windowsライセンス認証
ハードをいじっていなければ自動的に認証される。気になる場合は事前にShowKeyPlusでプロダクトキーを調べて控えておくとよい。
省電力機能の注意点
ファイルサーバー用途では外付けのハードディスクケースをUSBで繋ぐと思うが、同じ制御チップを搭載する多くのモデルに省電力機能が付いている。この場合、省電力の重複が起きないよう、PC側のHDD省電力機能をOFFにしておく。重複設定すると起動が遅くなる場合がある。
なお、この省電力スタートは30分。これを無効にしたり時間を変更することもできるが、ファームウェアの書き換えが必要。これはそのままにして、OS側を無効にしたほうが、起動が早くなる模様。
リモートデスクトップの不具合
マイクロソフトのリモートデスクトップにはOSに付属のものと、Storeアプリがあるが現時点でどちらも正常に機能しない。付属版は資格情報の記憶に不具合があり、Store版はキー入力を正常に受け付けず完全な回避策がない。
リモートデスクトップはOS付属のものを使うのがよい。資格情報の不具合は管理者権限のコマンドプロンプトから以下を入力し上書きすることで改善する[2]。
cmdkey /generic:TERMSRV/<ホストPC名> /user:<ユーザー名> /pass
<参考購入先>
BeelinkのミニPC
MINISFORUMのミニPC
ShowKeyPlus
Microsoft Windows11 USB作成
USBハードディスクケース
<関連記事>
1.【決定版】Windows11でCtrlとCapsを入れ替える
<参考文献>
2.Windows11のRDPはパスワード保存ができないので対処