MP3のポータブルプレーヤーからデジタル信号を出力してデジタルアンプに繋ぐ方法を考えてみた。これが実現できると、PC(foobar+WASAPI[1])が無くても理想的なデジタル音楽再生ができる。
音楽フォーマットはMP3で十分
foobarやMP3プレーヤーで再生する音楽フォーマットはMP3(192kbps)で十分である[1]。「マスタリングが違うんだ」といってもほとんどの人は大差ないと判断するだろう。
消費者の多くはMP3とハイレゾの違いを気にしない。ラジカセとスリ切れたテープの組み合わせで再生される「お魚天国」や「およげたいやきくん」でも十分なのである[3]。
ハイレゾ対応は音の良い印なのか
「ハイレゾ対応」私はこれを最初知ったとき、電子レンジの役に立たない調理メニューが一つ追加されたように思えた。巧みな宣伝のせいか、従来より高解像度の音が聴けると誤解している人が多い。
新しく買う機器にハイレゾが付いてくるのは仕方ないが、ハイレゾ目当てに機器を選ぶ行動は考えられない。
ハイレゾの宣伝を見ると、CD登場初期の「デジタル対応」を想起させる。これも結局、オーディオ業界に新たな需要を生み出すための「ネタ」にすぎないが、消費者を騙すようなネタは感心しない[2]。
MP3プレーヤーをデジタルアンプに繋げる
MP3などのポータブルプレーヤーをデジタルアンプへ接続する場合、光デジタルかコアキシャルがよい。ところがMP3プレーヤーにこの端子が付いてない。ほとんどが「出力はアナログのヘッドホン端子のみ」という設計である。
一応、COWONがデジタル出力に対応していたが、肝心のケーブルがオプションで入手難になっている。あとはとても高価な機種(AK240など)しかない。
光デジタルの部分は無線LANにすることもできる。すると、
iPhone→無線→オーディオレシーバー→光→デジタルアンプ
で一応繋ぐことはできるが、途中で変換が入るのでデジタル伝送のメリットが無くなる。ポータブルプレーヤーをノートPCで妥協する手がある。この場合次のようになる。
ノートPC(foobar+WASAPI)→USB→Creative USB Sound Blaster→光→デジタルアンプ
ノートPCの処理能力が足りないと、音が途切れてうまく再生できないことがある。また、省電力の機能が邪魔になることがある。なのでこの接続は、うまくいくとは限らない。
まとめ
結局、光デジタル出力できる手ごろなMP3プレーヤーは見つからなかった。結局、現在の再生環境は、音楽ソースをMP3(192kbps)でリッピングして、
PC(foobar+WASAPI)→光→デジタルアンプ
もしくは、
ノートPC(foobar+WASAPI)→USB→Creative USB Sound Blaster→光→デジタルアンプ
とする方法になりそう。これで、ほとんどのハイレゾ機器を上回るサウンドが聴けるはずだ。
デジタルアンプの良さは、ソースを無劣化(無変換、ビットパーフェクトともいう)で送らないと十分発揮できない。途中で変換が入ると、アナログアンプと同じかそれ以下の音質になってしまう。
無劣化伝送はデジタルの良さ生かすためにとても重要なことだが、ここに注意して計画された商品がほとんどない。
<参考購入先>
デジタルアンプ
オーディオレシーバ 音楽を無線で受けて光デジタル出力するレシーバ
Creative USB Sound Blaster 音楽をUSBで受けて光デジタル出力するサウンドデバイス。
FX-D03J 最もシンプルなUSB⇒光デジタル変換装置です
クリエイティブ製がお勧めです
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