試乗レポート~スズキ アルトワークス(2020/2/2)これはレーシングマシンか?

試乗日:2020/2/1
車種: スズキ アルトワークス (DBA-HA36S)

ボディ・内装

アルトワークスの外観

 アルトは徹底的に簡素化された軽だが、ワークスはなかなか精悍で内装も悪くない。標準で付いてくるレカロシートもなかなかいい。

 座ってみるとステアリングがやや遠い。シートを前に出すと足元が窮屈になるので、背もたれを立てるしかない。リラックスして乗るクルマではなさそうだ。

 空調の音も静かで、内気循環風量最大でも煩く感じないレベルにある。

 

 

アルトワークスのギア比分析グラフ

 ギア間隔の比較。アルトはノーマルグレードにもMTの設定があるので両方併記した。ワークスは綺麗な等間隔だが、コペンよりも速度が乗りやすい分、若干忙しい感じになる。

 ノーマルのアルトLは1-2間が狭い。これは発進加速を重視したとみられる。

 

 

走り

 下のグラフはスポーツカーらしい走りが楽しめる基準を示したもの。ターボは緑の線、NAはグレーの線より下にあれば合格。

アルトの動力性能分析グラフ

 アルトワークスはターボなのにNAの線上にある。同じターボのS660やN-ONE、コペンに比べ150キロ以上軽い。これはスポーツカーというよりレーシングマシンに近いスペック。

 加速感がとても鋭く、すぐに速度が乗る。ワークスという名は伊達ではなさそうだ。スイフトスポーツもNAの線上に乗る異様に軽いクルマだった[1]

 ステアリングフィールはセンターにわずかな遊びがある他は問題ない。ブレーキフィールはダイレクト感が希薄だが効き方は自然。シフトフィールにも特に問題は見当たらない。特別良くもなれば気になる欠点もない。

 サスの設定は硬め。ゴツゴツと突き上げを感じる。同乗者は大抵不快に感じるはず。長距離を快適に移動できるクルマではない。

 

総合

 市販車なのにレーシングマシンに振り過ぎた。加速感が強すぎるうえ、乗り心地が厳しい。快適性能の面からいって、スポーツカーとして乗るにはちょっと辛い。

 ノーマルのアルトにもMTの設定がある。これがなんと610kgでミライースより40キロも軽い。軽MTの中では最軽量の部類に入る。足回りをいじれば立派なスポーツカーになりそうだ。

 ノーマルは他のグレードも全部NA(グレーの線)より下に入るから(2WDで)、どれを買っても動力性能はスポーツカーとして十分。そんなアルトに乗るオバチャンは信号スタートの出足最速。GT-RやSTiが置いて行かれるわけである。

 

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