「油でベタベタ」「かき揚げがバラバラ」「エビがまるくなる」揚げ物のコツなる情報はネットや動画にあるが、素人が真似てもうまくいかない。なぜ失敗するのか。本質は何か。これを解明し、だれでも簡単に失敗なく作れる揚げ物のコツを発見したので紹介する。
材料
・野菜(タマネギ、キノコなど)
2人前の分量の目安は、タマネギを中サイズの半分以下。想像よりずっと少ないことに注意。こ好みでニンジン、ジャガイモ、キノコなどを加える。
・粉
薄力粉:水=1:2( 重量比)
2前の分量は、粉60g、水120g。きっちり計量すること。卵は、この量だと1個でも多すぎるので入れない。
・ネタ(えび)
殻付きの冷凍でも良いが、大きめの冷凍むきエビが安くて調理が楽。
仕込み
・野菜
火の通りが同じになるよう、厚みをそろえて切る。
・えび
腹に、10mmピッチ×深さ数ミリの切り込みを入れる。背中を上にして置き、身に沿って上から潰すように押していく。プチプチ音がして身が壊れるが問題ない。
・衣
粉と水を混ぜる。完全に混ぜ切らずに、すこしダマが残る程度にしておく。
プロの動画では、水を冷蔵庫で冷やす、粉をふるいにかける、といった作業を見るが、結果に大差ない。こういう面倒なことは、やらんでいい。
作り方
1.上記の混合比で衣を作る。
2.油を180℃に加温する。
天ぷら用温度計(SATO 1720-00)の表示部。
衣を垂らして泡の出方で温度を見る、という方法は素人には無理。油の温度は、必ず温度計で管理する。
3.衣を切った野菜と合わせる。
4.野菜のかき揚げから作る。お玉に乗せてそっと滑らすように入れる。
穴の開いたオタマで野菜をすくい出す。この時点で、衣が野菜に絡み、玉ねぎの間に隙間ができていること。隙間が出来てない場合は、衣の混ぜすぎ。
5.温度に注意して火力を調整する。
160℃を下回らないよう温度管理する。ネタを入れすぎて温度が下がってしまった場合は、そのまま火を強めて揚げ続けず一度ネタを取り出して油の温度をあげてから再投入する。
一度に揚げる量に注意。このくらいの油の量だと、1回に1人前が限度。エビは4本が限度。天ぷら用温度計は必須アイテム。温度管理なしでうまく揚げるのは難しい。ぜひ用意しておきたい。
出来上がったエビ天。キッチン温度計[1]を使って中心温度60℃で取り出すとプリプリサクサクの食感に仕上がる。
このレシピのポイント
①粉と水の量の比率、②揚げる温度。この2つが揚げ物の品質に大きく寄与する。
衣は、ネタがバラバラにならず、隙間がふさがらない濃度にすることが重要。そこで導き出した答えが、「1:2で卵を使わない」。揚げる温度は、180℃を超えると焦げてしまい、160℃を下回るとベタベタになる。
「冷水」「グルテン」「打ち粉」などは考えなくていい。素人がプロの真似をしてもうまくいかないし、こだわっても結果に大差ないし。そういうことが気になるのは、どこかのグルメ漫画の読みすぎ。
とにかく、①粉と水の量の比率、②揚げる温度 の2点を押さえる。これで揚げ物は80点とれる。
海苔[2]とレタスを入れると彩りがアップする。レタスの揚げ物が意外に美味しいのでぜひ試してほしい。
<参考購入先>
天ぷら用温度計
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