ネットでよくみる「ぬか漬け」の方法と、当館の考えを次に示す。
ぬか床がペースト状→水分多すぎ
コンブを一緒に→それダメです
なすは塩もみ→無駄
水抜きを設置→既に破綻してます
今回ご紹介する方式は、従来正しいと信じられてきた常識をことごとく覆す、ぬか漬けの課題をすべて改善した改良版。とくとご覧あれ。
ぬか漬けとはなにか
塩分によってほどよく脱水され、乳酸菌によって適当に分解された生野菜。独特の香りが食欲をそそり、生きた乳酸菌が腸にいいとされる。
スーパーに売っているぬか漬けは何か
スーパーの漬物コーナーにある「ぬか漬け」は、生野菜に味を付けて米ぬかをまぶしただけ。食べてみるとぬか漬けとは程遠い味。たくあんや梅干しも似たような状況であり、まともな商品を見ることはほとんどない[1]。
ぬか漬けは微生物が関係していて、その分解速度が速い(味の変化が激しい)ことから、スーパーの流通に向かないのかもしれない。本物を食べたかったら、漬物専門店に行くか、自分で作るしかない。
なぜ失敗するのか
ぬか漬けを始めたら次第に味がすっぱくなり、そのうち味がおかしくなって破綻。連続して安定生産することができない。なぜこうなってしまうのか。
失敗のほとんどは、少なすぎるぬか床が原因。例えば3~4Lのぬか漬け容器を使って安定継続できる量は、せいぜい1週間にキュウリ1本。ナスなら1本の半分。
それ以上増やすと次第に水で飽和してベシャベシャになる。対策グッズに水抜きがあるが、飽和したぬか床は腐敗しやすく、乾燥しようとすればカビだらけになっておわり。
ぬか漬けは以前トライしたバイオ式生ごみ処理[2]に通じるものがある。そこで得たノウハウからぬか漬けの問題点を改良した。
「たっぷりのぬかを使い、適度な水分を一定に保つ」これが、生ごみ処理ならぬ、ぬか漬けを長期間安定して運用するために必要な要件である。
ぬか漬けの材料
ぬか漬けの理屈は、微生物を利用したバイオ式の生ごみ処理[2]とほとんど同じ。菌床に相当するのが「米ぬか」。米ぬかにはいろんな微生物がいるが気にしなくて良い。当初がどのようなものでも、環境に適したものが生き残り、それ以外は消滅する。
写真はセットアップに使ったいりぬか。米ぬかでもまったく問題ない。
ぬか床の作り方
40Lの漬物樽の7分目までぬか(粉)とその10~15重量%の塩を入れて適当に分散させ、水を少しずつ入れながら水気を与える。水気を与えるのは表層付近とし、下の方は粉のままとする。表層の水気は「強く握ると塊になり、押せば粉々になる」程度にする。
ぬか床は「ぬか」と「塩」だけでよい。最初からアレコレ余計なものを入れないこと。昆布や唐辛子などの味付けは取り出したあとで行う。ちなみに昆布は「味の素」で代替できる。
ぬか床のポイント
菌の働きで最も重要なことは水分の管理。そこでポイントとなるのが次の3つ。
1.水分が少ない(粉っぽい)状態を維持する。
2.野菜は埋設せず、表面で漬けて、混ぜるのは上半分だけとする。これは水気を表面にとどめて蒸発しやすくするため。
3.下半分の粉を、水気の緩衝(バッファ)に利用する。
容器は大きければ大きいほどよく、ぬかは多ければ多いほど安定する。これは菌類を使った処理全般に共通する真理。
大きめの容器にたっぷりぬかを入れ、表面だけいじって底は乾燥した状態を保つ。これが、創造の館が考える失敗を防いで長期安定処理を可能にする方法だ。
上の図は漬物樽を想定している。例えば40Lのつけもの樽で安定して連続生産できる量は、1週間あたり、白菜1/4+なす2本+キュウリ4本程度である。これで3~4人の家族に毎朝、漬物を出すことができる。
漬け方
適当にカットした野菜を、表面がぬかで覆える程度の浅いところに埋設する。
ニンジンやダイコンなどの皮はあらかじめ除去する。白菜はバラバラにならないよう縦に切り、根本の厚い部分に1cmくらいの間隔で刺し傷を入れておく。
なすは皮側が漬かりにくいので、皮目に包丁で1cmくらいの間隔で切込みを入れておく。塩もみすると色が抜けにくいという噂があるが、効果が怪しい。そういう面倒なことは、やらんでいい。
写真は漬けている様子。容器は40Lの漬物樽。漬けるというより、まぶす感じ。表面にぬかがついていれば、埋設しなくても漬けものはできる。
野菜を漬けると周りに水分がしみ出す。そこで野菜を取り出すとき、水分を含んだ周囲のぬかごと取り出す。取り出したらぬか床を混ぜて水気を均一に分散させる。常に「強く握ると塊になり、押すと粉々になる」状態を維持する。
処理物を周辺のぬかごと取り出すことで、つねに一定量の入れ替えができる。
写真は25℃前後で24時間漬けた結果。
食べやすいサイズに切り、味の素と一味唐辛子を振って、冷蔵庫に保存。
ぬか床の管理
処理物があるときはぬかを混ぜ過ぎない。これは無用な水分の拡散を防ぐため。処理物が無いときは、定期的に混ぜて水分の蒸発を促す。両手で粉をもちあげ、空気をたっぷり含んだ「ふんわり」した状態にする※。
平らに均さず、乾燥した層まで掘って中央か片側に寄せる。縁の部分をしっかり掘り、乾燥した層との境界に水分が溜まらないようにする。
ぬかは古くなると苦味が増えて味が落ちるため、良い風味を維持するために部分入れ替えをしていく。減った分を足すことを「足しぬか」という。これは上記の処理物と一緒に取り出し、減った分を追加することで、自動的に達成できる。
※酸素を粉の間に入れることで好気性細菌が活動して熱を出す。これがぬか床の乾燥を助ける。水分で飽和したぬか床に、この作用はない。冷えたままのぬか床は腐敗菌が繁殖しやすく、乳酸菌が増え過ぎて処理物が「酸っぱい」仕上がりになってしまう。
相性の良い家庭用精米機
家庭用精米機を使うと毎回ぬかが出る[3]。これがちょうどよい足しぬかになり、別途ぬかを用意する必要が無くなる。
玄米をネットで安く買って、そこで出たぬかを足しぬかに使う。家庭用精米機は、ぬか漬けと相性の良い組み合わせである。
足しぬかをするときは、10~15重量%の塩を一緒に入れるのを忘れずに。
<参考購入先>
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2.生ごみ処理の実験と結果~家庭の生ごみ処理はなぜ普及しないのか
3.米高騰の裏で売れる家庭用精米機は使い物になるか~家庭用精米機の真実
<参考文献>
糠漬け-Wikipedia
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