エアコンを切るとdcエラーが出ている。取説を見ると2万時間でこの表示が出て、リセットが必要な仕組みがある。掃除ロボットを点検後「お手入れ」ボタンを押せ、とあるが、押しても無反応。隣の「応急運転」も無反応。これは壊れたのか?今回この問題を詳しく調べてみた。
写真上は三菱のエアコンMSZ-ZXV718S(15年目)。15年で2万時間・・ということは、1日平均3.6時間。良く使ってきたと思う。
修理
外のカバーを外して問題のスイッチを調べる。表から見えるネジを外して、手前に引っ張る。上の奥はツメを押すと外れる。慣れればどうということはない。コンセントを抜くのを忘れずに。
スイッチの裏側の様子
腐食が進み、怪しい様子。ここは側にセンサーがある冷熱風の通り道。冷房すると結露で錆びてしまう。
表側。コネクタは線を押し込んでカシメる面倒なタイプ。線を抜くと再利用できないので切断する。
スイッチの導通を調べてみる。片方はOK。どっちかは機能したはず。ハテ?
とりあえずタクタイルスイッチを分解してみる。金具を止めている黒い樹脂を切ってバラす。NGだった方に緑青が出ている。
接点ブライトを使って錆びを取り、コンタクトオイルを塗って元通り組み立てる。今回は、プラリペアを使用。
基板裏のハンダを打ち直す。最後にテスターで導通を確認して完成。
いったん組み立ててテスト。結果は前と同じ。ボタンの接点は直っているのに、ウンともスンともいわない。
制御基板を調べる。これは見えるコネクタを外すと取れる。コネクタを外す前に、方向や位置に目印を付けておく。
表を確認。結露が原因とみられる水酸化物が見えるが、特に問題はない。
基板裏。白っぽい部分があるが、ハンダ割れなど見当たらない。問題なさそう。とりあえず、清掃して元に戻す。
コネクタを元に戻すとき、異変を発見。これは!?
挿す方を見ると、途中で千切れている。もしや・・
このコネクタの線は、さっき直した基板から来ている。ここは基板側と同じように、線を刺し込んでカシメるタイプ。一度カシメたのものを引っ張って外すと、線が千切れてしまう。復元するには、まずブルーの部品を差し込んでから、横から線をカシメないといけない。つまり故障の原因は、ここの断線。
線を付けなおしてボタンを押してみる。正解!!応急運転も、リセットも回復した。
原因は何か?
この基板は1年の保証を使って一度交換している。そのとき、三菱のサービスマンがコネクタを引き千切って、そのまま刺したのだろう。見たら気付きそうなものだし、交換部品の取説に注意が書いてある筈。怒りがこみあげてくるが、14年以上前のことなので今更どうしようもない。
この修理でサービスを呼んだら、こっそり直して基板やらスイッチやらを交換し、5~6万円とったに違いない。私たちにできる予防策は、サービスマンが来ていじったら、機能を一通り調べることである。
交換されるところに簡単に抜き差しできない部品を使う設計も問題に思える。15年過ぎるので、今度壊れたら間違いなくリプレースだが、メーカーを変えてみるのも検討したい[2]。
9年間エアコンクリーングを不要に
このエアコンは2014年にクリーニング業者を呼んで洗浄している。それ以後、低密度ウールマットを乗せてきた[1]。
以後9年間、何もしていないが、熱交換器もファンも綺麗でカビが見当たらない。お掃除ロボットのカセットも空っぽ。この対策は、カビと埃に有効で、業者によるエアコンクリーニングを不要にできることを検証できた。
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