古いビデオテープを綺麗にデジタル化する方法

 テープメディアを無くすため、15年前に録画したビデオテープをDVDレコーダ(RD-X3)にダビングする作業を始めた。デッキで再生して録画する。最初は、それが簡単にできると考えていた。

 

 実際にテープを再生してみると、多くのテープで再生に問題が生じることに気づいた。原因はテープの劣化らしい。主な問題は、上端のスキュー歪、修正不能なトラッキングずれ。

 テープの劣化はメーカーにより差があることもわかった。スコッチのEG、EXGで録画したものは、15年経った今も問題なく再生できた。マクセルはほとんど全滅。

 

映像の安定化

 再生に問題のあるテープを綺麗にダビングするためには、TBC(タイムベースコレクタ)が欠かせない。しかしRD-X3内蔵のTBCはあまり性能が良くなくて、元のソースの劣化が激しいと誤動作して映像が破綻することがあった。TBCをオフに出来るといいのだが、そのような機能が用意されていない。

 そんなTBCでも事前にNR(ノイズリダクション)を通すと良い結果を得ることがあった。しかしRD-X3の入力はY/C分離とNRが排他動作になっていて、コンポジット入力の場合はY/C分離が必要になるためNRをかけられない。これは、コンポジット出力しか持たないβのビデオデッキで問題になった。

 そこでY/C分離だけを別のビデオデッキに通してやる形にした。すなわち、

 β(コンポジット)→ビデオデッキ(Y/C分離)→RD-X3(S端子→NR→TBC→記録)

 の流れになる。昔のビデオデッキの中には優秀なY/C分離機能を内蔵する機種があり、その機能だけの為に手放さない人もいるという。

 

安定化装置の導入

 RD-X3で満足いかないTBCやY/C分離を改善するため、外付けのTBC(PROSPEC DVE773V2)を導入した。表向きは画質安定化装置だが、別の用途でよく売れている商品だ。

 この種の安定化装置は、階調が失わてトーンジャンプしたり、暗部が薄くなることがある。これはA/D変換が8ビットの為だが、PROSPECの本機はA/D変換が10ビットのため階調を損なわず元ソースに忠実な出力が得られる。

 本機は電源OFFで元ソースを直接出力する仕様のため、処理結果の比較ができる。瞬時切り替えで比較しても、ほとんど劣化が見られなかった。

 使いこなしのコツは、シャープネスの強さとNRレベルの調整。NRの効果が強すぎると、残像が出たり解像度が損なわれる。つまり逆に劣化してしまうので注意したい。AGCは必ずOFFにしておく。これはおせっかいな機能だ。

 

ダビングサービスへ外注する場合の注意

 ダビングが面倒な人は、そのサービスを外注に丸投げすること考えるかもしれない。このような外注サービスでは、どのような状態のテープが持ち込まれるかわからないので、NRなどは強くかけていると思われる。色補正や輪郭強調なども強めにかかってしまうかもしれない。

 ダビングでは、できるだけ素材の情報を損なわないよう、ソースごとに品質を確認して補正効果を微調整するのが理想だが、ダビングサービスでは、そういう面倒なことはやらない(期待できない)のが普通だ。

 結局、できるだけ良い品質で記録を残そうと思ったら、画質補正を自分でやるしかないのが現状だ。

 

最後に

 後で楽しもうと思ってせっせとテープに録画したソースは、結局見なかった。当時貴重だと思って一生懸命録画した映画など映像ソースは、レンタルやネットでいつでも入手できるようになった。

 「すべて無駄だったか」というと、そうでもなかった。

 録画したテープには、今も見ることが出来ない、貴重なソースが含まれている。それは何か。この続きは下記の関連記事をどうそ。

 

<参考購入先>
PROSPECのビデオ編集機
USBビデオキャプチャー 安定化装置を中間に挟んで使うのが無難
ビデオレコーダー 最終がディスクメディアならこれが一番です

<関連記事>
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