ニコン18%標準反射板はホワイトバランス設定に使えるか

 撮った写真が青っぽくなったり、赤っぽくなった経験はないだろうか。これはカメラのホワイトバランス(WB)が転んだため。正しい色が要求される場合WBを合わせる必要があり、その基準になるものを検討した。

 

WBを合わせる道具

 WBを正確に合わせるためには色温度計が必要になるが、高価でアマチュアには手が出ない。そのため大抵は18%標準反射板(グレーカード)が使われる。いろんな商品があり色温度で200K程度のバラツキがあるようだ。測定データとセットになっていることが望ましいが、セットで売られている商品はほとんどない。

 正確さに欠けるグレーカードでも商品や人物撮影では十分役に立つ。今や現像時に色をいじる時代、WBで重要なのは「正確さ」ではなく、少々誤差があっても一定にして撮れる「安定」の方である。

 

ニコン18%標準反射板を撮影している様子 ニコン18%標準反射板はグレーカードの中で最も安い商品。左はWBをプリセットするためこれを設置したところ。メーカーHPにはWBには使えないという触れ書きがあるが、試した結果はヘタなグレーカードより正確だ。

 少なくとも模型やフィギュアのリペイント作品を撮影する人にとって十分役に立つ。

 

 

グレーカードのズレを正確に調べる方法

 グレーカードのバラツキと正確性は、グレーカードを信頼できるカラーチャートと同時に撮影した写真があれば検証できる。これに近い写真はネット上を探すといくつか見つかる。

各種グレーカードの偏差を調べている様子1 各種グレーカードの偏差を調べている様子2

 RawTherapee(フリーソフト)はWBをスポットしたあと任意の部分のRGBを数字で見ることが出来る。この機能を使って写真に写っているグレーカードでWBをセットした後、スポイトを他のグレー部分に合わせるだけで偏差が読み取れる。

 

ニコン18%標準反射板の検証結果

 上記の方法でニコン18%標準反射板を調べた結果は、わりと正確だった。より正確な商品を求めると高価になるが、レフの反射や光源の僅かな色むらで起こる偏差のことを考えればこれで十分。

 ちなみに「銀一」は赤っぽいと評される通り赤方向にずれる。これは色の正確さを問題にする用途に使えない商品。「ニコン18%標準反射板はWBの補正に使えない」と結論付ける記事もみかけるが、間違ったカードを基準にディスプレイを調整した結果ではないだろうか。

 

運用と保管

 ニコン18%標準反射板は紙製。黒いビニールに入ってくる。紫外線による退色を防ぐものなので、使用後はこれに入れて保管する。代わりのビニールは無いので捨てないよう注意。

 丁寧に出し入れしないと角がひっかかってビニールが破れる。最初から角をカットしておくと出し入れしやすく、ビニールの保護にもなる。

遮光ビニールと、エッジをカットしたところ

 

 

<関連商品>
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エックスライトのカラーチェッカー WBプリセットの正確さを求めるとこの商品に行き着く。グレーだけの単板もある
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