IHとフッ素コートのフライパンでパラパラチャーハンを作る

チャーハンは難しい調理メニューの一つだ。一般家庭でパラパラに作れないのは火力が弱いからだという噂があるが本当だろうか。ご飯同士がくっつかなくなる作用はタマゴに含まれるレシチンの仕業に間違いないが、タマゴの使い方に何か重要なポイントがあるようだ。今回はこれを解明し、一般家庭にある普通の調理器具を使い、誰でも簡単パラパラチャーハンを作れるようにする。

チャーハンの品質に関係する因子は次のようなものがある。

タマゴの比率
油の比率
調理温度
ご飯の比率
ご飯の水分率

 いろいろあるが、タマゴに含まれるレシチンがキーになることが解っているのでこの問題はそう複雑ではない。各因子を動かしてレシチンが最も効果的に働く条件を探る。

 

準備

ご飯
 水分の少ないご飯が必要。標準より30%くらい水加減を少なくして炊いたものがベスト。
 普通に炊いてしまったものはよくほぐして薄く広げ、常温まで冷やして「冷や飯」にする。冷える過程で水分を減らすことができるが、最初から水分を減らして炊いたものよりベタつく。
 冷凍ご飯も使える。この場合再加熱せずに自然解凍する(澱粉の老化が進んだ粒が固い状態のままを使う)。


 実験では新品の「キャノーラ油」を使用。実際は炒め油もしくは、天ぷらを揚げた使い古しの油が良い(界面活性の作用に優れる)。

タマゴ
 ボウルにあけて黄身と白身を軽く混ぜておく。

調理器具
 実験ではビルトインのIHクッキングヒーターを使う。もちろんガスコンロでもかまわない。プライパンは以前ご紹介した窒化処理した鉄製(28cm、後述のリンク参照)のものを用いた。

 

実験1 低温でうまく作れるか

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 油にレシチンが溶けたあとタマゴは用済みのはず。油が低温のときにタマゴをいれて攪拌し、タマゴが固まりだしたらタマゴだけ取り出し、残った油でご飯を炒める。タマゴと油の量は、入れるご飯に対して十分多い量とした。
 結果はご覧の通り、ご飯がくっついてしまいパラパラに程遠い。たんぱく質が固まる程度の低温ではレシチンが油と作用しないようだ。

 

実験2 高温ならうまくいくか

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 実験1と同じように低温のときタマゴを入れ、タマゴに薄く焼き色が付くまで中火で加熱したあとでタマゴを取り出し、残った油でご飯を炒める。油の多くがタマゴに取り込まれ、タマゴを取り出すと油があまり残らない。また、油が泡立っているのが見える。残った油は少ないが、これでご飯を炒めてみた。結果は成功。パラパラだ。火力は終始中火。フライパンも焦げ付かなかった。

 タマゴと油が混ざるのは、明らかにレシチンが働いた結果だ。泡立つことや、フライパンが焦げ付かないこともレシチンの界面活性作用によるものに間違いない。
 レシチンがタマゴと反応するためには、混合した状態である程度加熱する必要があるようだ。 タマゴと油が反応しやすい温度がおそらく決まっているが、一般家庭では薄く焦げ目が付くまでを目安にするのがわかりやすい。
 実験ではタマゴを取り出してしまったが、レシチンはタマゴの方に多く含まれるとみられるので取り出さずに調理するのが良さそうだ。

 

実験3 少量のタマゴでうまく作れるか

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 タマゴの量を少なくして、タマゴに焼き色が付いてから取り出さずご飯を入れて炒めてみた。結果は実験1と同じで、ご飯がくっついてしまった。どうやら油に対してタマゴの比率が少なすぎるとダメのようだ。

 

実験4 タマゴが多すぎた場合どうなるか

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 実験3とは反対に、油に対してタマゴの量を極端に多くしてみた。タマゴがほとんどの油を取り込んでスクランブルエッグのようになった。この段階で焦げ付くようなら、後述のリンクを参考にしてほしい。タマゴに焼き色が付いたら、ご飯を追加して炒める。

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 結果、パラパラの黄金チャーハン?が出来上がった。成功だ。タマゴの比率はかなり多くても問題ないようだ。黄金といっても今回のものはタマゴがご飯を包まず分離している。油を十分加熱してからタマゴを入れ、半熟が残るタイミングでご飯を入れればタマゴがご飯を包んで黄金にできそうだが、難度が高そうだ。

 ちなみに、タマゴが油で飽和する混合比は、タマゴMサイズ(50cc)に対し大さじ1(15cc)くらいだった。これ以上油を入れると油が液状で残るので油っぽい仕上がりになる。

 

実験5 フッ素コートのフライパンで作る

 以上の結果から、パラパラに作るためのポイントは、タマゴと油を混ぜ、焦げ目が出来るまで加熱してからご飯を投入する所にあることがわかった。とすると、IHヒーターと強火が使えないフッ素コートフライパンでもパラパラチャーハンが作れるはず。早速やってみる。

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 大さじ1(15cc)の油にタマゴMサイズ1個(50g)入れ、かるく混ぜつつ中火で焼き色が付くまで炒める(鉄のフライパンと違って低温から混ぜても焦げ付かない)。タマゴに焼き色が付くころには、油とタマゴが混じってスクランブルエッグのようになり、泡立ちが見られる。この状態になったらご飯1合分を投入し、オタマでつぶすようにしながら広げていく。

 

DSC01380a IHとフッ素コートのフライパンで作ったチャーハン。薬味と調味料はご飯投入時に続けて入れてしまう。調味料は創味シャンタンと醤油がお勧め。醤油は最後に入れて少し焦がすといい香りが付く。火力は終始中火で調整不要。実に簡単。

 2人前の分量は、ご飯1合、タマゴ1、植物油大さじ1~2が目安。一度に作る量はご飯1合くらいにしておく。 

 

強い火力がないと美味しいチャーハンは作れない、なんてことはない。一度に沢山作れないだけだ。以前解明した電気炊飯でも火力と味は何の関係もなかった。

 

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