コーヒーの味を長持ちさせる

 コーヒーは淹れたてが美味しく、その後急速に味が落ちる。朝淹れたコーヒーはせめて昼まで持って欲しい、そう願うのだが2時間がせいぜいだ。この品質劣化をステイリング(staling)と呼び、その原理はまだ解明されていないらしい[1]

 アルカリ処理でこの劣化を遅らせることが出来ることはわかっていて、そのpH調整剤に炭酸水素ナトリウムもしくは、炭酸ナトリウムが使われているという。この添加によってどのくらい味が持つのか。コーヒーの風味がどう変わるのか。今回はこれを実験してみた。

 

 pH調整剤は炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸ナトリウムを用意。実験は簡単。コーヒーにこれらの添加剤を入れて味の変化を調べる。コーヒーメーカーはハリオV60。粉はスーパーで売っているごく普通の市販品(UCC ゴールドスペシャル リッチブレンド)を用いた。

 

実験1 市販コーヒーのpHはどのくらいか

DSC01289b まずは市販のコーヒーのpHを調べる。不味いコーヒーの代表にUCCの無糖コーヒーを選んだ。概ねpH5.7(20℃)。味は薄く、カラメル臭がする。薄いコーヒーに添加物を加えてカラメルで色づけした。そんな感じの商品だ。

 別の商品も調べた。pokkaのaromax Blackは  pH5.60(18℃),5.45(50℃)だった。

 

DSC01291b 同じUCCのゴールドスペシャル リッチブレンド。ハリオV60で淹れた結果は概ねpH5.2(50℃)。時間が経つと濁ると同時に味が落ちる。ただ、5時間経ってもpHはほぼ変化無し。味と一緒にpHが落ちるわけではないようだ。

 しかしpH5というと結構な酸性。コーヒーは体に良いと言われるが、飲みすぎは良くなさそう。

 

 

実験2 アルカリに調整してみる

 UCCゴールド リッチで作ったコーヒーに重曹を入れてpH7.5までもっていく。そのお味は・・

 うぇぇ、不味い。飲めん。これはもうコーヒーではない。別の飲み物になっている。

 今度は同じコーヒーに炭酸ナトリウムを入れてpH7.5にする。味は・・これは飲める。

 どこかで飲んだ味。そう、缶コーヒーにかなり近い。不味いことに違いないが、このまま5時間経っても味はあまり変わらない。アルカリにすると持ちがよくなるのは確かだ。

 

実験3 pH6(弱酸性)に調整してみる

 炭酸ナトリウムでpH6.0(50℃)に調整してみる。味は酸味が押さえられた感じで悪くない。2時間経っても濁らず味も問題ない。レンジで温めれば香りが立ち、淹れ立てに近いコーヒーが飲める。

 昼まで(5時間)経つとさすがに味が落ちるが、缶コーヒーよりは美味しい。これなら水筒に入れて持ち歩きできる。これまでより長い時間、美味しいコーヒーが飲めそうだ。

 何回も作って実験した結果、最適なpHは5.7~6.0(50℃)、上限は6.5(50℃)のようだった。pHをあげていくと酸味が減って味気なくなる。酸味もコーヒーの重要な味の要素であることを再認識した。

 

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結論~コーヒーを長持ちできるレシピはこれだ!

 コーヒーに炭酸ナトリウムを入れてpH5.8前後に調整する。

 使う炭酸ナトリウムは微量のため管理しずらい。そこで希釈水を作ってそれを入れる形を考えた。

 例えばコーヒー3杯分(粉24g+水360cc)の場合、炭酸ナトリウム2%水溶液を、小さじ1杯(ペットボトルキャップ1杯)入れる。

 これで缶コーヒーとほぼ同じ、pH5.8(50℃) のコーヒーが出来る。さらに1/2杯追加するとpH6.4(50℃)程度にできる。このあたりの調整はお好みで。

 一度に作るコーヒーの量がいつも決まっている場合、次を参考に希釈水を作り置きするといい。

コーヒー1杯分:水300ccに炭酸ナトリウムを2g溶かしたものを小さじ1杯(ペットボトルキャップ1杯)入れる。
コーヒー2杯分:〃4g 〃
コーヒー3杯分:〃6g 〃
コーヒー4杯分:〃8g 〃
コーヒー5杯分:〃10g 〃

 炭酸ナトリウムは後から入れるのではなく、コーヒーを淹れる際、あらかじめサーバーに入れておく。

 炭酸ナトリウムと似たような名前の薬品に注意。炭酸ナトリウムの別名はソーダ灰、炭酸ソーダ。炭酸水素ナトリウム、過炭酸ナトリウムはどちらも別物。過炭酸ナトリウムは漂白剤です。間違って飲まないようご注意ください

 

<参考購入先>
炭酸ナトリウム 掃除用ではなく食品添加と書いてあるものを使ってください
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<参考文献>
1.アルカリ処理による液体コーヒーの安定化 – 特開平10-215771