壊れにくい傘(雨傘、メンズ日傘)の選び方~日傘男子は恥ずかしいのか

 傘を失う要因に「破損」「取違い」「置き忘れ」がある。破損しにくい丈夫な傘を選ぶためのポイントと、取違いを防ぐ工夫をご紹介する。

 

傘選びのポイント

構造

 丈夫な傘を選ぶ際に観察するポイントは次の4点。図1で色を付けた部分になる。

 1.親骨
 2.受骨
 3.上ろくろ
 4.だぼ

傘の各部名称

図1 傘の各部名称 出典:JUPA(日本洋傘進興協議会)

 

 「親骨」と「受骨」は耐風強度に関係する。骨が太く、本数が多いものほど丈夫。親骨はグラスファイバーでもよいが、受骨は必ず金属製のものを選ぶ。

 「上ろくろ」は親骨の連結部分に注目。先端が金属で補強されているものが望ましい。

 「だぼ」も金属製がベスト。

 

生地

 構造的に満足いくものが見つかったら、次に生地に注目する。傘の生地は厚手のポリエステルがいい。ナイロンや布は水で劣化しやすい。

 

耐風

 単に丈夫だという物から、オチョコ(反り返り、バッコン)しても壊れないというもの、空気の逃げ道が出来て過大な力がかからない構造(ダブルキャノピー)がある。オチョコは壊れなくても傘としての役目をなさない。

 耐風傘のお勧めは、傘の機能をできるだけ損なわずにさしていられるダブルキャノピーになる。

 耐風というKWを付けただけの中国製の激安商品に注意したい。

 

遮熱

 近年は遮熱機能をもった日傘が登場。光を通さない厚手の生地で作られている。

リーベンのひんやり傘

日傘の例(リーベンのひんやり傘

 太陽の直射エネルギーは1kW/m2。地上では路面からの照り返しもあり、夏場のアスファルト路面はまるで電気ストーブに囲まれているかのよう。近年は炎天下にいると命にかかわるようになってきた。

 男性にも日傘の利用を提案したい。日傘の快適さは一度使えば実感する。今までどうにもイヤだった屋外活動がまったく苦にならなくなる。炎天下を歩くサラリーマンにとって、大きな助けになるアイテムだ。

 

中国製の激安商品について

 アマゾンに千円台で売られている中国製激安商品のほとんどはオモチャ。試しに1600円の折り畳み式ワンタッチ自動開閉傘を買ってみたが、すぐに生地を縛る紐がほつれはじめ、数か月で骨が錆びてボロボロになってしまった。

 似たような商品を多数の出品者が売ってるが中国製にはできるだけ手を出さないのが無難[1]

 


 

丈夫な傘の見分け方

壊れやすい傘の例

 親骨にグラスファイバーを使った商品は壊れやすい。これは剛性が低く大きく変形するため。これによりろくろとの接合部や、だぼで壊れるケースが多い。

傘の親骨の付根(ろくろとの締結部)が折れた様子 傘の受け骨が風車のようにねじれた様子

 写真は親骨の付根(ろくろとの締結部)がポッキリ折れてしまったグラスファイバーの傘(イオン取扱商品)。この傘は受け骨もグラスファイバーになっていて、風を受けると右の写真のように受け骨が風車のように横曲りして親骨の付根がねじれる。折れたのはこの「ねじれ」が原因。

 開いた傘を床に押しつけ、こういう変形をする商品は壊れやすいので選んではならない。

 

丈夫な傘の例

ろくろの締結部が金属で補強された傘 こちらもグラスファイバーだが、上ろくろと締結する親骨の先端が金属で補強されており、受骨は太い金属製。これだけ立派な作りの傘が980円で売られていた。

2017/8補足
 この傘は10年経った現在も壊れずに現役で活躍している。

 

 


 

運用のコツ

 傘を失う大きな要因に、「取り違い」「置忘れ」がある。選び抜いた傘をこれで失うとショックだ。傘を入手したら、これらの対策をしておきたい。

 

取り違い対策

 以前、傘を嫁さんに貸したところ、よく似た別の傘を持ち帰ってきたことがあった。他人の取違えの他に、こういう事故もある。

 これらの事故は、柄の部分にわかりやすい目印を付けておくことで防げる。マジックで名前を書くか、ストラップを付けておくとよい。

 

置き忘れ対策

 以前5千円出して買った傘をバスに置き忘れて取りに行ったことがある。

 バス会社の忘れ物置き場に案内してもらったら、大量の傘が山積みされていた。多すぎてとても探しきれない。「好きなもの持ってっていいいよ」と言われたので、適当なものを持ち帰った覚えがある。それ以来、高価な傘は買わなくなった。

 この経験からすると、傘の置忘れは鉄道やバスなどの交通機関で最も多く、財布や上着などと違って後から取り戻すのは難しいようだ。

 置き忘れは、ある程度やむを得ないこと。回収は困難なので、取り戻したくなる金額の傘を買わないことが、対策になる。

 

修理

 親骨の曲がりについては補修部品が市販されている。近年これを使って直す人はほとんどいない。傘は曲がったら破棄の使い捨ての消耗品になった。

 


 

長期レビュー

2010年8月 遮熱用の日傘(リーベン)を購入

 雨の日も使える雨天兼用形の日傘を買ってみた。選んだのはリーベンのひんやり傘。銀色の厚い塗装がされていて日射を遮る。使ってみると、なかなか快適。

リーベンのひんやり傘 

 この時期はまだ、男性が日傘を差していると笑われることがあった。「男性に日傘はおかしい」そう思うかもしれないが、一度使うと手放せない。炎天下が快適に移動できる。もっと早く使えばよかった。

 

2019年3月 リーベンを置き忘れで失くす

 購入して約9年使ってきた結果は良好。どこも壊れず、生地を縛る紐がほつれることもなかった。表面の銀塗装が剥げることもなかった。が、置忘れで失くしてしまう。こういうことがあるので、あまり高価な傘は買えない。

リーベンの傘 

 今度もまた、リーベンの日傘を購入。いぶし銀のひんやり傘と、折り畳み傘の2種類。アンティークゴールドといって金色っぽい商品もある。

 折りたたみ傘はとても軽く、実測250g。常時カバンに入れて非常用に使っている。厚手の生地は良いが、膨らんでかさばる上、差すのに手間がかかかる印象。

 

2021年11月 リーベンの折りたたみ壊れる

 非常用に買ったリーベンの受け骨がポッキリ折れてしまった。非常用に数回使っただけ。メーカーに相談したら経年変化によるものとのこと。

折れてしまったリーベンの折りたたみ傘

 経年変化で受け骨が折れる、ということは、使っている材質に問題がある、ということではないか。リーベンは品質が良いと思って使ってきたが、やめた方がよさそう。

 代替はアマゾンの中華製。非常に軽くて自動開閉機構が付いている。急な雨でもパっと差せてとても便利。非常用の常時携帯傘は、これで十分かもしれない。

中華製超軽量折りたたみ傘

 

2022年7月 15年経った傘が壊れる

 上の「丈夫な傘の例」で紹介した傘のダボが破損。ピンが錆びて取れてしまった。これは経年劣化なので仕方ない。こういう壊れ方なら、修理可能。

だぼが壊れた様子

ステンレスの針金で補修。今どきの傘は消耗品だというのに、良く持っている。

だぼを補修した様子

 

<参考購入先>
リーベンの傘 折りたたみ傘はやめた方がよさそうです
ひんやり傘 オモテ面シルバー(太陽からの熱射を反射)、裏地黒(地面からの熱射吸収)が理想
傘の補修部品 今時珍しい補修部品

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