スマホにより駆逐されるデジカメ市場に活路はあるか

 昔のカメラはほとんどの部品が金属でできていた。本体もアルミダイカスト、もしくは真鍮にメッキ(もしくは塗装)だったから、重量があった。一方、今時のカメラはプラスチックや軽合金を多用して軽く出来ている。

 昔のカメラを知る人が今時のカメラを手に取ると、見た目より軽いと感じる。それがどんなに立派にに見えても「オモチャ」「中身スカスカ」の印象を与える。

 軽い携帯機器が大半を占める現代では、小さい割に重量を感じる携帯機器がプラスの印象を与えることがある。つまり「見た目より重い」ことが、商品の付加価値になっている。

 

ニコンFの外観 カメラがオール金属製だった時代は軽量化が課題だったが、精密光学機械にとって、軽い特性はマイナスの印象に繋がる。特に高級機が軽いのは、良くないことだ。

 

 

ペナペナボディ、トイレットペーパーの芯のようなレンズ

 高級・コンパクトカメラでは、外装に金属が与えられている。しかしパナソニックやソニーなどの家電メーカーが作るカメラにはいくつかの課題が見られる。

 「ボディにアルミを使いました」というLXシリーズの外装は薄く、持った感じがペナペナ。高性能をうたうレンズも、トイレットペーパの芯のようである。

 彼らは狭いスペースに出来る限りたくさんの部品を詰め込み、性能・機能を高め、0.1gでも軽く作ることが良い商品だと信じている。

 

家電メーカーのオモチャ商品に翻弄されてきたカメラ専業メーカー

 ニコンやキャノン、オリンパスなど老舗メーカーも、こういった家電カメラと同じ土俵に引き込まれ翻弄されてきた。カラフフルでオシャレなオモチャコンパクトを量産して薄利多売するビジネスだ。

 その市場はいまやすっかりスマホに食われてしまい、もう発展が望めなくなってしまった。いまこそカメラの原点に立ち返って魅力ある商品を世に出し、巻き返してほしいと願っている。

 

課題はスマホとの差別化

 最大のボリウムゾーンをスマホに奪われた今、これまでと違ったカメラを出さなければならない。

「スマホに出来なくてカメラで出来るものってなんだろう」

各メーカはスマホと差別化するため必死でこのことを考えているに違いない。

 何を撮るのか、よくわからない中途半端なズーム域、質の悪いオマケEVFなど、見直す必要があるように思う。EVFが見せる絵がチープだと、良い写真が撮れないように思えてしまうから不思議だ。

 

問題が多いタフネスカメラの市場

 防塵・防滴・耐衝撃は差別化のポイントになりうる。しかしこのジャンルには見た瞬間に買う気を萎えさせるゲテモノばかり。タフネス性を欲張りすぎてカメラの基本性能が犠牲になっていたり、素人がデザインしたのか、おかしな外観の商品が目立つ。

 水中何十メートルで写真が撮れる性能は多くの消費者にとって必要ないもの。濡れた手で触ったり、水洗い出来るくらいで十分なはず。ビジネスや日常で役立つレベルのタフネス性能を「当たり前」に備えた、ごく普通に見える商品が欲しい。

 以前ご紹介したオリンパスTG-3[1]に乗る本格顕微鏡機能は「早い者勝ち」。他のメーカはこれを後追いせず独自の特徴を見つけてほしい。

 

「小さい割りに重い」ことも付加価値

 携帯機器は少しでも軽くすべきで、重いと売れないというのは作る側の決め付けではないか。冒頭で書いたように、 見た目より軽い商品は、それがどんなに立派にに見えても「オモチャ」「中身スカスカ」の印象を与える。

 画素を増やすのも程々にすべきだと思う。16Mを1/5に縮小してHD画面で等倍でみたとき鑑賞に耐えれば十分である。16Mを超える画素は殆どの一般消費者にとってメリットが無い性能だ。

 

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